5人の女子大生が魅力的な 『継続捜査ゼミ』

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    父の病院に行っても、脳がアレなので、ほとんど
    寝ているため、読書量が増えています。
    スマホもNGだし、読書しかすることありません。
    取材の原稿を書けばいいという心の声もありますが
    病院で仕事する気にはなれません。

     

    で、いろいろ読んだ中で印象に残ったのが、
    『継続捜査ゼミ』(今野敏著、講談社文庫)です。

     

    元刑事で警察学校の校長を務めた女子大の教授となり、
    その小早川先生が受け持つゼミが、過去の未解決事件
    をベースにゼミで検討していくストーリー。

     

    メインとなる15年前に起こった老夫婦殺害事件と並行
    して、校内で起きた不可思議な事件も捜査する展開。

     

    彼のゼミに所属する女子大生5人も、それぞれ特技が
    あって魅力的。歴女だったり、病弱だったため薬に
    ついて詳しかったり、武道の達人だったりと、5人が
    5人とも趣味の方向性が違うため、事件を警察とは
    違った視点で検討していけるメンバーなのです。

     

    中でも、法学部のない大学なのに、法律については
    法学部の学生並みに詳しい蘭子さんは、ファンに
    なってしまそう(笑)。

     

    最初の内は一般講義のように、小早川先生が教える
    状況説明や捜査手法について、ただ聞いて受け身
    だった女子大生たちが、次第に積極的な捜査に
    乗り出していく流れは、ジュブナイル的な側面も。
    大学教授としては新米の小早川先生の試行錯誤も、
    一般的な推理小説とは一線を画しています。

     

    小早川先生と同僚にあたる竹芝教授の事件や、そこで
    語られる “専門学校化する大学での学問の意義” と
    いった、大学の在り方なども盛り込まれていて、
    犯人を追及していく以外の面白さもあります。
    竹芝教授と、そのゼミの学生たちとの事件には
    心温まりました。…事件なんですけどね。

     

    事件関係者に直接女子学生たちが捜査したり、警察
    関係者が異様に協力的だったりと、少し緩い部分も
    ありますが、まあ、フィクションだから! と許せる
    範囲です。ある意味、ライトなタッチで映画向き?

     

    いろいろな特技がある女子学生一人ひとりをもっと
    活躍させてほしいなと思っていたら、続編もあると
    知ったので、文庫化されたら読みたいと思いました。


    犯人が特定できないドミノ的殺人事件 『乱反射』

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      貫井徳郎さんの 『乱反射』(朝日新聞出版)は、
      第63回日本推理作家協会賞受賞作で、以前から
      気にはなっていたのですが、600ページくらいの
      厚さに逡巡して読む機会を逸していました。

       

      が、9月末に妻夫木聡さんと井上真央さん主演の
      メ〜テレ開局55周年記念ドラマとして放映され、
      精緻なストーリーテリングと、ラストの後味の
      悪さに打ちのめされて、原作をついに読みました。
      少しは救いがあるのかな…という期待も込めて。
      https://www.nagoyatv.com/ranhansya/

       

      ストーリーの本筋である、主人公の新聞記者の
      子供が街路樹が倒れたことで死亡し、その原因を
      探っていくと、一人ひとりはほとんど刑事罰には
      問われないけれど(多少例外あり)、軽犯罪
      レベルで、主人公が真相を探り糾弾するも罪の
      意識はなく、とにかくムカつくという点は共通。

       

      犬の散歩に生きがいを見出している定年退職者、
      潔癖症の造園業者、市民のクレームに切れる
      市役所職員、街路樹伐採の反対運動グループ、
      風邪などの軽症者が夜間診療に殺到することに
      辟易しているアルバイト医、彼ら一人ひとりが
      小さなルール違反や手抜きをしたことによって
      2歳児の命が奪われるのです。

       

      原作は、ドラマよりも登場人物が多く、個々の
      行動理由も細かく書かれており、間接的に加害者
      となる人たちがそれぞれに抱えている事情やエゴ
      がさらに濃密に描かれています。

       

      原作では、父親が当事者たちに事実を突きつけ、
      ほとんどの人が反省しませんが、当事者の周囲の
      人からの目が変わることで、ある者は拠り所を
      失ったり、ある者は自己中な尊厳を傷つけられて
      法では裁けないけれど、何も知らずに安穏とは
      できなくなるだけマシかもしれません。

       

      少なくとも、ドラマでは最高に腹立たしかった
      定年退職したおっさんが、ただおとなしいとだけ
      思っていた妻からくらう一撃は、ドラマの後味の
      悪さを少し緩和してくれた気がします。

       

      また、ドラマでも描かれていましたが、新聞記者
      自身の “小さな罪” も原作では容赦なく描いて
      いるため、『リバース』(湊かなえ著)のよう
      でもあり、読者自身にもブーメランとなって
      飛んでくる、不意打ちが心地よい後味の悪さです。
      思ったより、600ページは軽く読めました。

       

      【関連記事】
      ◇裏の裏は表じゃない袋小路 『リバース』
      http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3131


      程よい距離感が心地よい 『敬語で旅する四人の男』

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        どこかの取材に行く途中で、移動距離が長かったため
        駅中書店で目に付いた 『敬語で旅する四人の男』
        (麻宮ゆり子著、光文社文庫)という本。
        タイトルに魅かれて読んでみることにしました。

         

        解説は昨日紹介した 『わが心のジェニファー』 と同じ
        東えりかさんでした。何たる偶然!

         

        この作品は、4編の短編で構成されていて、登場人物
        一人ひとりが各章の主人公になっており、前半3編は
        一人称なので主語が 「僕」 だったり、「俺」 だったり、
        他の人から見た主人公となる人物がどういう風に見えて
        いるか、一方で内面的にはどうなのか、その違いも
        一編ごとに楽しめる展開となっていました。

         

        佐渡、京都愛宕山、鳥取砂丘、熱海と、とくに統一性の
        ない旅先に加え、幼い頃に自分を捨てた母に会いに行く
        真島、真島と同じ会社に勤務する斎木、斎木と同じ大学で
        京都に別れた妻子がいる研究者・繁田、繁田の呑み仲間で
        営業職の中杉と、職種もほとんどバラバラで、友達の友達
        といったつながりなので、関係は希薄。
        だからこその “敬語” なのです。

         

        さらに、この作品でキーとなるのが、発達障害の斎木。
        他の3人がそれぞれに問題を抱え、旅先で起こる出来事に
        感情的になってしまったり、状況をややこしく考えて
        しまうところ、斎木は人間関係や空気を読めないため、
        真理を突くひと言や行動をとることで救われることも。
        そんな斎木と行動を共にするためにも、“敬語” での
        距離感キープが必要となるのです。

         

        4編目は斎木が主人公となることもあり、この章だけ
        一人称表現ではなくなりますが、発達障害者としての
        苦しさ、社会に順応させるための母の努力など、
        それまでは多少の奇行はあっても、問題解決のキーと
        なっていた斎木が等身大に描かれていて、ラストは
        読み手次第。とはいえ、一抹の寂しさを感じる一方で
        温かみのある読後感が得られる作品だと思います。

         

        タイトル買いでしたが、この著者の他の作品にも少し
        興味が湧いた一冊となりました。


        デジタル機器なしの日本冒険記 『わが心のジェニファー』

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          浅田次郎さんの作品としてはちょっとめずらしい展開の
          『わが心のジェニファー』(小学館文庫)を読みました。
          アメリカ人の青年から見た日本旅行記で、日本人著者が
          アメリカ人視点で “外国人から見た日本” を書いている
          点がまず面白いと感じました。

           

          ただ、本の作りとしては小口ギリギリまで文字が入って
          いて、できれば1Qでも行間を詰めてノドの方に寄せて
          もらった方が読みやすいかもしれません。

           

          日本旅行記と書きましたが、正しくは日本冒険旅行です。
          なぜなら、アメリカ人のラリーは恋人・ジェニーに
          プロポーズするも、その回答として 「日本に行くこと」
          という条件に加え、「スマホなど電子機器は使わないこと」
          も約束させられるのです。

           

          そのため、アナログに地図を持ち、日本ガイドの本は2冊、
          旅の体験や感動は手紙で送るというスタイル。
          行き先も東京と京都は決まっていたようですが、あとは
          成り行き任せというところも、浅田次郎さんらしい
          ファンタジックなラストへの助走にもなっています。
          また、2冊のガイドブックは、1冊はスタンダードなのに
          対して、もう1冊はアナーキーかつシニカルな傾向で、
          その違いも楽しめます。

           

          本作で紹介される外国人から見た日本のアンビリバボーな
          エピソードは、私も通訳をしている友人から聞いたことが
          あったり、私自身、アメリカ人以外の外国人から指摘されて
          「え? それってそんなに意外なの!?」 と逆カルチャー
          ショックを受けたりしたものがあったので、著者が収集
          した情報は、日本に訪れた外国人にとってはアルアルな
          内容なのでしょう。

           

          それら、アンビリバボーエピソードの具体例を書くと、
          この作品の醍醐味が薄れそうなので、この程度にとどめ
          ておきます。

           

          ジェニファーに送る手紙は、主に日本での出来事ですが、
          一人旅なこともあって時々ラリーの家族について、両親が
          離婚して、代わりに自分を育ててくれた祖父母、とくに
          第二次世界大戦で海軍少将だった祖父との関係などを
          異国の地で思い返すシーンもあり、彼の育ってきた環境が
          次第に明らかになっていくテンポの良さも、読みやすさに

          つながっていると思います。ラノベ感覚で読めます。

           

          ラスト近くで、ラリーがデジタル機器なし旅行で実感する
          「豊富で正確な情報は、人間の勇気を奪ってしまう」 には
          大いに共感しました。


          シリーズラストにふさわしい 『思い出が消えないうちに』

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            『思い出が消えないうちに』(川口俊和著、サンマーク出版)
            は、読もうかどうしようかと思いましたが、ここまで
            『コーヒーが冷めないうちに』『この嘘がばれないうちに』 と
            読み、立ち読みで舞台が函館に移動していたのも気になって、
            購入してみることにしました。

             

            うん、読んでよかった!
            『この嘘がばれないうちに』 の8年後の設定で、コーヒーを
            淹れるのは、数さんの娘の幸ちゃん。
            7歳だけれど、どこか大人びている面もあり、数さんとは
            違った意味で、コーヒーを淹れる役目を理解している賢い
            少女で、私がやや苦手だったミキちゃんより魅力的。

             

            「もし、明日世界が終わるとしたら…」 で始まる究極の
            二択 『100の質問』 という本を来店客と一緒に考える、

            というか来店客に考えさせることで、それぞれの来店客が

            時間移動する意味も考えるエピソードが入ったことで、

            読者も傍観者ではなく、当事者と一緒に考えさせられる

            設定になっていたのが良かったです。

             

            伏線も回収され、3作の締めの一冊と言えるでしょう。
            この作品のテーマがある人の言葉として、ラストを
            飾りますが、「私は思う。人の死自体が、人の不幸の
            原因になってはいけない。なぜなら、死なない人は
            いないからだ」、以下2行が感動的です。

             

            いくらでも続きのエピソードは作れそうな本作ですが、
            『思い出が消えないうちに』 のラストを大事にしたい
            のであれば、ここで終わりがいいと思います。

             

            また、せっかく再開したのに、停電時に遭遇してしまい、
            お互いの表情が見えないまま、心を伝え合う会話の
            部分を、黒いページに白抜き文字で表現するという
            書籍ならではの面白さもGOOD!

             

            もし、映画に合わせて前作2冊を読んでいたら、ぜひに
            と言えますが、前作を読んでいないと、それなりに
            楽しめますが、4つのエピソードの内の最初の1つが
            ちょっと消化不良になるかもしれません。

             

            逆に、この作品から読んで、前作に戻るのもありかも?
            ラストの感動が冷めないうちに。

             

            【関連記事】
            ◇条件が多い喫茶店 『コーヒーが冷めないうちに』
            http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3627
            ◇前作の続編というより後編 『この嘘がばれないうちに』
            http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3684


            理念を貫く崇高さが胸を打つ 『下町ロケット ヤタガラス』

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              池井戸作品といえば、勧善懲悪、事業課題に真っ向から

              取り組んで、活路を見出し、最後は倍返し…的な展開で、

              カタルシスを得られるパターンですが、今回ももちろん

              『下町ロケット ゴースト』 で、協力会社として訴訟問題にも

              手を貸したのにも関わらず、ある事情から “手のひら返し”

              されてしまい、敵対関係となったギアゴーストと、彼らが

              推し進める農業機器とのバトルが展開されるも、単に

              倍返しでスカッとだけで終わらないところが良かったです。

               

              『下町ロケット ヤタガラス』 では、佃製作所と帝国重工の

              主に財前氏と培ってきた人間関係にも横やりが入って、

              佃製作所大ピンチ。最後は勝つとわかっていても、その

              経緯がどうなるのか、手に汗握る展開です。

               

              並行して進む、実家の家業である農家を継ぐために退社した

              殿村さんの田舎ワールドが関係してくることで、農業関連の

              描写にもリアリティが生まれた気がします。

               

              佃製作所が取り組む農機 「ランドクロウ」VS ギアゴーストと

              『ヤタガラス』 では敵対関係だったダルダロスとのタッグに

              加え、相変わらず古い体質で内製にこだわり、足を引っ張る

              帝国重工。問題山積で、もはや清々しい重圧。

               

              登場人物としては、天才エンジニア・島津さんがカッコイイ!

              たしかテレビではイモトアヤコさんが演じるんですよね。

              こりゃ、これまでになく美味しい役柄だわい!

              http://www.tbs.co.jp/shitamachi_rocket/)

               

              それと、238ページ、ラスト1行の財前氏のセリフに

              痺れました! 吉川晃司さんの見せ場なので、脚本はそのままで。

              失墜した企業イメージの回復策と言ってしまえば、身も蓋も

              ないですが、基本にそうした崇高な理念がなければ、あの

              セリフは言えないはず。

               

              これまで煮え湯を飲まされ続けてきた、佃と財前が個人的な

              恨みや私情を抑えて、日本の農業を守りたいという純粋な

              気持ちに立ち返っての行動は胸を打ちました。

              対照的に、個々の恨みは晴らした人たちの虚無感が描かれる

              ことで、やはり恨みを原動力にした行動の行く末から、

              「理念なき金儲けはない」 という意味を実感させられました。

               

              さらに、とっても地味ですが、殿村を悩ます農業関係者の

              稲本ですが、最終的にはそれほど悪いヤツじゃなかったな〜と。

              彼なりに農業のことを憂えての行動だったのが、救いにも

              なる作品でした。

               

              ふい〜、仕事の原稿制作後で、そこそこネタバレ内容は避けた

              つもりでしたが、少なくとも 『下町ロケット ゴースト』 既読

              ベースで、思うがままに書いてしまいました。

               

              【関連記事】
              ◇『ヤタガラス』 への序章 『下町ロケット ゴースト』
              http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3621


              前作の続編というより後編 『この嘘がばれないうちに』

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                その喫茶店のある席に座ると、過去に戻れるけれど、
                過去でどんなに努力しても現実を変えることができない、
                それでも過去のその時に戻ることで、その後の生き方や
                未来を変えていくキッカケとなるといったストーリーの
                『コーヒーが冷めないうちに』。

                 

                映画の予告編を観た際、あるシーンで 「これは続編も
                読んでおいた方がいいかも?」 と感じて、『この嘘が
                ばれないうちに』(川口俊和著、サンマーク出版)も
                読むことにしました。

                 

                過去に戻って再会した相手に嘘をつくということでは
                前作も同じなのですが、本作は相手を思ってのやさしい
                嘘、いわゆる “白い嘘” がテーマになっています。

                 

                前作の数年後という設定なので、前作に登場した人の
                その後にも触れられていたり、前作には例がなかった
                パターンのタイムワープや、白いワンピースの女に
                ついても描かれていて、前作の伏線が回収されるので、
                後編と呼ぶにふわさしい作品と言えるでしょう。

                 

                私は、本作の方が好きでした。とくに、3番目の話
                「結婚できなかった恋人につく嘘」 で、70日目に流産
                した傷心の女性に、倉田がかけた言葉は、本作全体の
                テーマを象徴しているように思えました。

                 

                この言葉は、次の4章でも別の形で使われているので、
                作者渾身のセリフなのでしょう。

                 

                そんな4章は、いろいろな意味で大きな変化もあり、
                新作の 『思い出が消えないうちに』 への序章にも
                なっているようで、そこだけはあざとい!

                 

                コーヒーを淹れている数さん(主人公)の姪っ子の

                喋り方がどうも好きになれないので、3冊目を

                読むかは保留してますが、少なくとも、本作を

                読んでおいた方が映画をより楽しめそうだということは、

                間違いなさそうです。

                読み終えたので、これでやっと映画を観に行ける!


                【関連記事】
                ◇条件が多い喫茶店 『コーヒーが冷めないうちに』
                http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3627


                一人称の紹介が楽しい 『わけあって絶滅しました。』

                0

                  絶滅動物の生態や絶滅理由を面白く紹介している
                  『わけあって絶滅しました。』(丸山貴史著、今泉忠明監修、
                  ダイヤモンド社刊)。

                   

                  天変地異やライバル出現による淘汰、人間による乱獲など、
                  いろいろ紹介してあるのですが、理由がはっきりわかって
                  いる生物が多めな分、この本では人間がすごい悪者です。
                  なんと、あの愛らしいパンダも淘汰ではWinnerだったとは!

                   

                  ジャイアントパンダに負けたのは、「上野動物園」 で

                  一時期、快適なパンダ舎に住まわせてもらっていたのに、

                  シンシンとリーリーが来て、再び屋外に追い出された

                  レッサーパンダたちだけだと思っていたのですが。

                  パンダとの生存競争に負けた生物もいて、驚き!

                   

                  絶滅した生き物たちにそれぞれインタビューをする形式で
                  語ってもらうスタイルなので、子どもっぽい語り口調や
                  奥様的な口調、ちょっと不良っぽいヤツなど、あまり
                  動物に興味がなくても、その人の生き様…、もとい
                  その生物の絶滅理由が語られるので読み物として十分に
                  楽しむことができます。

                   

                  カンブリア紀から新生代までのどの時代の生物か生息時期
                  も左下の年表にチェックしてあり、登場する順番が時系列に
                  なっていないのも飽きさせない理由と言えます。

                   

                  哺乳類の次のページが、無脊椎動物(エディアカラ生物群)
                  だったりとメリハリがあり、さらに 「こうすりゃよかった」
                  というひと言メモがオチとなっていて、面白雑学本に
                  なっています。

                   

                  また、5章の 「絶滅しそうで、してない」 動物も、ほんの
                  ちょっとした理由から絶滅危惧種で踏みとどまっていて、
                  こちらには 「こうしていてよかった」 という保険のコピー
                  みたいなひと言メモが付いています。
                  オウムガイの 「やる気がなくて、助かった」 にはわろた。

                   

                  4章の 「不運にも絶滅」 のトップバッターが、T-レックス
                  というのも、真打登場っていう感じ。

                   

                  ちなみに、『絶滅酒場』2巻(黒丸著、ヤングキングコミックス)
                  に登場する、スランプに悩むプロ野球選手・T-レックスくんの
                  復活のひと言はカッコ良いので必見です。言ってみたい(笑)。
                  いろいろな漫画の数ある名シーンの一つに脳内登録しました。

                   

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                  ◇意外と動物のすごさがわかる 『せつない動物図鑑』
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                  ◇予想外のほのぼの作品 『絶滅酒場』
                  http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3404


                  一つ忠告、『ちょっと一杯のはずだったのに』 にはあとがきがない!

                  0

                    『スマホを落としただけなのに』 が面白く読めたので、
                    同じ作家さんの新作を読もうと思って、お出かけ前に
                    最寄り駅近くの書店でチェックし、荷物になるから帰りに
                    買おうと思っていたら売り切れ!
                    俄然、何が何でも読みたくなってしまったのです。

                     

                    『ちょっと一杯のはずだったのに』(志駕晃著、宝島社文庫)
                    は、サイコな犯人とかは出てきませんが、『スマホ』 同様、
                    危機感のない、飲んだくれると記憶を失う、ましてや人を
                    殺したかどうかもわからないほど酔っぱらう、危機管理能力
                    のないラジオディレクターが登場します。

                     

                    『スマホ』 でも自分の周囲で怪しげな事件が起きても、
                    その場しのぎの対応だけで、どうしてそうした災難に
                    遭うのか思考停止している主人公の彼氏が登場しますが、
                    こちらも事件の肝心な部分は、いずれも酔っぱらっていて
                    捜査が難航し、イライラさせてくれるのでした。

                     

                    被害者は、人気漫画家でラジオの人気パーソナリティを務める
                    女性で、ラジオディレクター・矢嶋より年上だけど恋人関係。
                    しかも、被害者の首には矢嶋が彼女からもらったネクタイで
                    絞殺されているわ、防犯カメラに殺害時間と思われる時に
                    しっかり写っているし、殺したかどうかもわからないという、
                    「お前、1回、アルコールを抜く更生施設に行け!」 と
                    言いたくなるくらい、おマヌケな犯人100%状態。

                     

                    そこに、漫画家だった被害者の制作上の秘密や、この作品
                    を映画化するなら一番目立つ役になると思われるユニークな
                    変人弁護士・手塚も絡んで、手塚曰く “現代の日本で起きた
                    本格的な密室殺人” の謎を追っていくことになるのです。
                    手塚弁護士は、私の頭の中では大泉洋さんでした(笑)。

                     

                    密室殺人の謎解き説明部分はちょっと図解がほしい気も
                    しましたが、この作品の場合、密室殺人はブラフで、
                    作者にとっての真の見せ場は、その密室殺人の解明を

                    デジタルを利用する部分ではないかと思われました。

                    『スマホ』 の作者なのでそうに違いない(持論)!

                     

                    アガサ・クリスティー作品のNo.1ラストパクリが感動的

                     

                    犯人もわかり、「あれ、あの伏線回収はどうした?」 と
                    気づいたところで、ラストに、アガサ・クリスティーの
                    『ポケットにライ麦を』 を思い起こさせる仕掛けが。

                     

                    アガサ・クリスティー作品は戯曲集も含めて、おそらく

                    読破していますが、ラストの衝撃度では 『アクロイド殺し』

                    よりも 『ポケットにライ麦を』 の方が印象的でした。

                    アガサ・クリスティー・ラストNo.1作品。当時は泣きました。

                     

                    『ポケットにライ麦を』 でも事件が解決した後に、犯人の
                    写真が手に入りますが、こちらも犯人名がズバリと書かれて
                    いるので、間違ってもあとがきを読もうとしてはいけません。
                    本作にはあとがきがないのです。

                     

                    “ちょっとあとがきを読むつもりだったのに” という
                    悲劇にならないよう、お気を付けください。

                     

                    【関連記事】
                    ◇SNSが凶器となる 『スマホを落としただけなのに』

                    http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3656


                    『東京近郊スペクタクルさんぽ』 が旅カテゴリに擬態

                    0

                      書店に行ったら、なんと 『るるぶ』 とか旅行関係の棚に、
                      宮田珠己氏の 『東京近郊スペクタクルさんぽ』(新潮社刊)
                      が置かれており、すっごい違和感オーラを醸していました。

                       

                      (擬態しているけれど、明らかに違和感を醸している)

                       

                      タイトルだけだと、あたかも首都圏にある、まだメディアの
                      手垢がついてない “面白い場所” を紹介していると錯覚
                      させるような、さすが大手出版社な装丁ですが、ちょっと
                      違う気がするのです。

                       

                      宮田珠己氏の著書は、たしかに多くは旅がテーマということに
                      なっていますが、行く先が大仏巡りだったり、やたらと
                      入り組んだ構造の温泉旅館だったり、ひたすらジェット
                      コースター乗りまくりだったり、海の変な生き物だったりと、
                      チョイスも一般的な人が考える旅とは大きく乖離していて、
                      行先での様子以上に、そのチョイスや、著者の視点の
                      奇天烈ぶりと、個性豊かな同行者の描写の面白さにあります。

                       

                      『東京近郊スペクタクルさんぽ』 でも、地底湖やトンネル、
                      勝手に著者が命名したジェットコースター・モノレール、
                      配管迷路の工場、東京都にある砂漠など、帯にあるように
                      “インスタ映えの向こう側を行く” スポットだらけで、
                      少なくとも一人で行くと危険で “惨歩” となり兼ねない
                      スペクタクルさ満載の読み物です。

                       

                      廣済堂出版の 『日本全国津々うりゃうりゃ』 シリーズに
                      近い内容でした。こちらの編集担当・テレメンテイコ女史
                      の方が同行者としては面白さが上かなと思われました。
                      七福神で苦手で釣りと酒が好きらしい(著者の言い分なので
                      イマイチ信用できない)テレメンテイコ女史の活躍を
                      読むのが好きなので、『東京近郊スペクタクルさんぽ』 は
                      ちょっと残念。

                       

                      ただ、たしか 『ウはウミウシのウ』 で、著者が同著を
                      書店で探したら旅行カテゴリではなく、生物カテゴリか
                      何かに分類されていて衝撃を受けたといったような感想を
                      見た気がするので、『東京近郊スペクタクルさんぽ』 が
                      旅行カテゴリに並べられたのは、本懐を遂げたと言える
                      のかもしれません。

                       

                      Amazonもチェックしたら、一応、本>旅行ガイド・マップ
                      >国内旅行となっていて、現状のコンピュータやクラウドの
                      限界を見たような気がしました。キーワードに騙されては
                      いかん! 少なくとも、旅行ガイドではないぞ!

                       

                      【関連記事】

                      ◇六本木のど真ん中にある 「出雲大社」
                      http://nureinmal.jugem.jp/?eid=531


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