『キャプテンサンダーボルト』 の9回裏の逆転サヨナラ感

2017.11.12 Sunday 22:32
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    獄中のホリエモンじゃありませんが、PCが使えない状況
    だったので、その間、読書しました。

     

    『キャプテンサンダーボルト』(文春文庫)上下巻です。
    阿部和重さんと伊坂幸太郎さんのコラボというだけあって
    適度な危機一髪と、上巻で次々とばらまかれた伏線が、
    下巻で謎が明かされ、さらには見事に回収される見事な
    構成に圧倒されます。共作というけれど、どういう
    スタイルでの共作なのかわからない一体感です。
    テイスト的にはやや伊坂幸太郎さん的かもしれません。

     

    主人公は、相葉と井ノ原という、どこかの事務所を
    思わせる二人で、少年時代、一緒に野球をやっていた
    チームメイト。

     

    それぞれにお互いの人生は風のうわさに聞きつつも、
    顔を合わせなかった二人が再会。再会シーンも笑えます。

     

    相場は母のため、井ノ原は妻と息子のため、どうしても
    近い内にまとまったお金が必要という理由で、悪友
    コンビが、相葉が首を突っ込んでいた法的にはグレー
    ゾーンな仕事に協力することになり…。
    実は、井ノ原も密かに息子の医療費捻出のため、人には
    言えないダブルワークをしており、そこで手に入れて
    いた情報が、相葉が巻き込んだ騒動とシンクロして、
    背後にある大きな謎の組織が浮かんできます。

     

    謎の組織の銀髪の怪人、警察・自衛隊などの国家権力、
    アメリカのハードボイルド物に出てくるように登場
    する美女とその秘密、二人が子供の頃に大好きだった
    戦隊物ヒーローとお蔵入りになった映画、歴史的な
    国家ぐるみの隠ぺい、東京大空襲の異説、そして
    相葉と井ノ原がそれまで会わなかった訳など、全てが
    謎だらけだけに、最後の伏線回収でスッキリします。

    え、これも伏線だったのと、後で気づかされたものも

    ありました。筒井さん、赤木さん、いい味出してます。

     

    野球小僧だった彼らならではの、特技とサインプレー
    も生かされていて、大人の冒険譚といった感じ。

    人の首が飛んできちゃったりするのですが、それでも

    子供の頃の冒険のわくわく感があるのは不思議です。

    相葉の楽天的気質のおかげかもしれません。

    たまに、井ノ原同様、ウザくも感じますが(笑)。

     

    上下巻の最後に書き下ろされた 「ボーナストラック」 も
    上巻には本編の直前の出来事、下巻には本編から
    少し後の出来事が描かれており、こちらもお得感
    満載の、心温まる短編となっています。

    どちらかというと、男性の方が支持する人が多い内容と

    言えるかもしれません。

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    本家より戦慄の 『だんなデス・ノート』

    2017.11.04 Saturday 23:15
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      ふぃ〜、何とか週明けUPのグルメ記事の構成がそこそこ決まり、

      今回は撮影画像と提供画像混在ということで、TOPに持ってくる

      画像に悩みつつも、何とか目鼻だけはついたかな、という感じ。

       

      原稿制作の時、この構成部分さえ決まってしまえば、あとは

      ある意味、作業フェーズに入るので、取材記事のベタ打ちと

      掲載する画像さえ決めてしまえば、な〜んとなく悩まずに

      仕上げに向かって、ただ書きまくればいいので、ちょっと安心。

       

      と言っても、いつもはすでに取材に行って、お店の売りや課題を

      うかがいつつ撮影するので、現場の段階でそこそこ漠然と構成が

      決まるのですが、今回は提供画像もあるので、その兼ね合いに

      少し悩んでいるのでした。でも、TOP画像さえ決めれば、きっと

      他の画像が持つストーリーが無意識の内に頭の中で組み立てられ、

      それなりの形になって降ってくるに違いないと楽観視しています。

       

      ついつい、今日の作業報告のようになってしまいましたが、

      それではあまりに日記過ぎてつまらん、ということで、

      先週、遠方取材に行く移動のお供に買った、恐怖の書籍について

      書きたいと思います。

      それは、近頃ウワサで聞いていた 『だんな デス・ノート』!

      ユニークな発想の書籍が多い宝島社の本で、ネットの情報を

      集めたものなので、著者はその象徴名ともいえる 「死神」!

       

      夫の不倫、ギャンブル、DV、異常な趣味、外面とのギャップ男、

      子育て放置、妻が病気での入院も放置、借金、金銭にルーズ、

      仕事が続かないヘタレ、加齢臭、風俗・セックス問題などなど、

      妻側からの一方的な意見で、夫側の言い分があるかもしれませんが、

      それにしても、社会人としての自覚がないっつーか、親から

      甘やかされて育ったのか、かなりヤバい男たちの実態が

      赤裸々に暴露され、トドメに呪詛の言葉で締め括られるという

      何とも辛辣かつ戦慄の内容でした。

       

      書籍という紙媒体なこともあって、『DEATH NOTE』 感が

      パワーアップしています。ただ、あまりに殺伐としないよう

      配慮したのか、イラスト入りなのが救いかな?

      ぜひとも、男性はこの恐怖の書籍をのぞいて、自分自身に

      当てはまる事例がないか、チェックしてみましょう。

      10個以上あったら、リュークのノートに、その名と死に方が

      書き込まれるかもしれないので、要注意ですぞ!

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      子供の頃の夏休みを思い出す 『少年たちは花火を横から見たかった』

      2017.09.29 Friday 04:47
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        『少年たちは花火を横から見たかった』(岩井俊二著、KADOKAWA刊)
        を読みました。150ページくらいの本なのであっという間に
        読めるのですが、巻末の 「短い小説のための長いあとがき」 や
        作品自体、読後感に余韻が残って、映画よりストーリーは
        楽しめたかも?

         

        『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』 の原作では
        あるものの、「もしも」 のやり直しはなく、メインの流れを
        少年たちを内面を掘り下げて丁寧に描いた作品です。

         

        小学6年生という、子供だけれど、思春期でちょっと背伸び
        したい年齢で、バカやってる感じに郷愁があります。

        その後の彼らがどうなったかも、少しだけ触れていて
        まさに 『スタンド・バイ・ミー』 的な作り。

         

        ヤンキー予備軍の純一、好きだー!

         

        映画では、5人の少年の中でもあまり個性を感じられなかった
        純一くんの第9章は好みの展開。一本気な純一とちょっと
        理屈っぽい和弘は本来、それほど仲が良くないのに、
        他の3人がそれぞれの事件に関わってしまったことで
        花火を横から見るため、灯台に向かう道行がいかにも
        子供らしいやりとりで微笑ましいのです。

         

        「早生まれで年下のくせに」 と虚勢を張る和弘に対して
        ブチ切れ、大喧嘩というのも “あるある” な記憶が。
        私の年になると、そんな数カ月なんてほとんど関係なく
        なってしまいますけれど、子供の頃は生まれの1カ月差も
        ヒエラルキーに大きく影響してましたっけ(笑)。

         

        ある意味、純一から見れば足手まといの和弘に苛立ちながらも、
        彼が母親から託された、5人分のおやつや飲み物が重くて
        歩く速度が遅かったことを知り、生温かくなった飲み物と
        バナナを、憎まれ口をききながら、自分用の1人分だけ
        律儀に持っていくエピソードに心温まりました。

        彼のその後を語る説明に、ヤンキーになったというのも納得。

         

        一方で、映画の前日談となる、なずなが典道の家に、
        両親の離婚問題で一時的に預けられるエピソードが
        入っていて、なずながまだ子供らしさを残している
        少年たちに比べて、大人びてしまった理由もわかります。

         

        それだけに、典道となずなの駆け落ちについては、
        映画に比べて、二人のエピソードは少年たちの
        花火大会の夜の出来事の一つとして書かれており、
        比重は軽め。でも、このくらいがバランスいいかも?

         

        映画と決定的に違うのは、「もしも」 のやり直しが
        ないことよりも、なずなから一緒に花火大会に行こうと
        誘われていた祐介が、なずなの母親から夏休み中に
        彼女が転校してしまうことを知らされること。

         

        もともと、なずなのことが好きだった祐介が、仲間との
        約束を優先して、灯台に行くことを選び、なずなの件を
        典道に押し付けてしまったことを詫びるかのように、
        灯台から絶叫するシーンは、映画よりも感動できます。

         

        そして、実は5人ともいろいろな事件に巻き込まれて、
        結局は花火大会の時間内に灯台にも着けず、花火見学
        どころじゃない状況で終わりかな…と思わせておいて、
        そこになぜか一発だけ上がる花火。

         

        その光景が、ドラマチックに作品のフィナーレを
        抒情的に飾ってくれて、花火大会から後に少し疎遠に
        なってしまう彼らの成長にも重なり印象的。

        ぜひ、この原作のアニメを作ってほしい気がします。

         

        華やかなCGよりも、舞台となる海辺の町の風情を生かした
        短編作品がいいなぁ。キャラは、『ひとりぼっちの
        地球侵略』(小学館刊)小川麻衣子さんの絵が合うと
        思います。また、小学生ベースなら、典道と稔、一応、
        和弘も女性の声優さんがいいのでは。
        編成期前後の少年たちがいることで、児童から生徒へと
        成長する少年たちの違いも表現できると思います。

         

        私としては、映画の背景や表現の美しさは満足ですが、
        作品の流れや少年たちの心の動きが描かれている
        原作本の方が好きです。

         

        【関連記事】
        ◇『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』 原作読むか?
        http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3310

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        『月の満ち欠け』 を読んだら清水玲子さんの 『MAGIC』 を思い出した

        2017.09.26 Tuesday 02:43
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          佐藤正午さんが第157回 「直木賞」 を受賞した作品
          『月の満ち欠け』 をタイトルに魅かれて購入。
          時間軸が過去に戻ったり、先に飛んだりするので、
          タイムループ物ではないのですが、そんな錯覚にも
          とらわれそうになる作品です。

           

          感動するか、面白いかと問われると、答えに窮しますが、
          少なくとも 「先が知りたくなるか」 という点においては
          「なぜ? これがどうつながるの? どこに着地点を持って
          いくの?」 といったジグゾーパズル的な、構成面での
          面白さは十分にあります。

           

          帯に「自分が命を落とすようなことがあったら、
          もういちど生まれ変わる。月のようにいちど欠けた月が
          もういちど満ちるように―そして、あなたの前に現れる」
          とあって、とにかく何度も生まれ変わる分、そのために
          「ちょっとこの人、死に過ぎでは?」 と思ってしまったのは
          私だけでしょうか。

           

          純愛を描きたかったのであれば、時系列の方がわかり
          やすいと思うので、瑠璃という女性について各章で
          背景がわかっていくエンターテインメントに重きを
          置いている作品なのでしょう。

           

          また、瑠璃という女性の内面よりも、その周囲の人、家族の

          感情、とくに困惑に焦点を当てているといえばそうかも?

           

          「瑠璃も玻璃も照らせば光る」 というキーワードは、
          タイトルとも連動していて、輝きを持つ言葉ではあるものの、
          キッカケとなる不倫は転生して貫けば純愛なのかな?
          と読む人の受け取り方次第で、かなり感動の振り幅が
          違ってくるかと思われます。

           

          ラストは清水玲子さんの漫画 『MAGIC』 にも似ています。

           

          こちらも “水の中の月” という表現が出てきて、年上の
          女性との不倫から始まり、自分のその女性の間にできた
          子供を育てることとなり、その子を女性として愛してしまい、
          禁断の関係に…と思ったら、SFなので予想外の事実を知り、
          大団円かと思いきや、再び二人は引き離され、再開した
          時には 『月の満ち欠け』 のような展開に。

           

          清水玲子さんの初期作品の中では、『22XX』 と、この
          『MAGIC』 が切ない読後感で双璧ですね。
          『月の満ち欠け』 に感動した人は、おそらく感動できる
          作品だと思います。

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          『銀翼のイカロス』 の黒崎検査官がラブリン♪

          2017.09.24 Sunday 03:25
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            池井戸潤さんの半沢直樹シリーズ第4弾となる
            『銀翼のイカロス』 がようやく文庫化されました。
            前作の証券会社出向から、銀行に復帰して次長として
            活躍する半沢直樹の “倍返し” が楽しめます。

             

            ベースになっているのは、JALに対するメガバンクの
            債権放棄問題。破綻寸前の帝国航空の債権問題を
            審査部から引き継ぐ形で担当し、自主再建の道を
            模索するも、与野党逆転に伴い、新政府の行動力を
            PRする政治的な都合で、債権放棄を迫ってくる
            新政府のタスクフォースチーム。

             

            さらに、メガバンクなだけにありがちな行内派閥の
            対立により、旧T派閥の審査部が旧S派閥である
            半沢たちの足を引っ張るという泥仕合。
            旧Tが、割引債券を扱うような、半官半民とも言える
            銀行であることも、同じように政府に庇護されている
            帝国航空と近い風土であることも今回のポイントです。

             

            加えて、速やかに債権放棄させようと、某都知事を
            思わせる女性の国土交通大臣たちが、東京中央銀行の
            これまでの帝国航空再建案の甘さを叩くため、あの
            金融庁のヒアリングまで行われることに。

             

            もちろん、その担当検査官は黒崎なのよ〜。
            「与信の裏付けが甘い! 反省なさい! 謝罪は?」
            と言い放っている黒崎のイキイキしている様子が
            とってもラブリンです(笑)。

             

            そのヒアリングは、途中からこの案件を担当した
            半沢にとっては、半ば黒崎が留飲を下げまくれる
            公開処刑状態ではあったものの、単なるいやがらせ
            と思われていた重箱の隅をつつくような確認事項に
            あるヒントが隠されており…。
            半沢にムカつきながらも、彼の能力は認めている
            からこそのナイスパスなのです。

             

            さらに、後半で登場する出向予備軍、いわゆる
            窓際部署の検査部・部長代理の富岡が大活躍。
            ドラマ化されたら、この役をやりたい俳優さんは
            多いのではと思わせる役回りです。

             

            政治家という前門の虎と、行内派閥という後門の狼と
            戦う、これまでの中でもスケールの大きい作品と
            なっております。ネタバレにならないよう、このへんで。

             

            【関連記事】

            ◇半沢と若手がタッグを組む 『ロスジェネの逆襲』
            http://nureinmal.jugem.jp/?eid=1830

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            二度目の殺人事件で拘置中の男が犯す 『三度目の殺人』

            2017.09.09 Saturday 23:22
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              旅行には必ず本を持っていきます。
              未読なのは 『蜜蜂と遠雷』 ですが重いので、
              飛行場に行く前に書店で調達することに。

               

              二列の平積みになっていたのが、池井戸潤さんの
              『銀翼のイカロス』 と、是枝裕和監督の映画
              原作 『三度目の殺人』(宝島社刊) の二種類でした。

               

              『三度目の殺人』 を選んだのは、こちらの方が
              薄くて軽かったからという理由です。

              急いでいたので、カバーはとくに付けてもらわず。
              長崎に着いてから、後悔しました。

               

              福山雅治さんってそういえば長崎のご出身。
              表紙には福山雅治さんや役所広司さんの写真が
              入っていて、あたかも狙って買ったかのよう。

               

              現地に行って気づいたのですが、飲食店や小売店の
              POPに “あの福山さんも好きな” とか、“長崎が生んだ

              スーパースターが〜な” といった文字がここかしこに
              踊っており、「亀山社中」 にも行く予定だし、まさに
              福山雅治ファンと思われかねず、外での移動では
              落ち着いて読めないイミフなプレッシャーを感じました。
              前置きと言い訳は以上。

               

              事件の真実以上に、犯人の真意が気になる展開

               

              帯に 「会うたびに代わる供述。二転三転する動機」
              と書かれており、とにかく穏やかそうな犯人の
              三隅の考えが捉えどころがなく、法廷戦術に長けた
              弁護士の重盛ですら翻弄され続け…。

               

              裏表紙の冒頭に書かれている 「本当のことを教えて
              くれよ」 と、推理小説や法廷物の小説を読み慣れて
              いる読者でも、三隅に対して叫びたくなるもやもや感が
              たまりませんな。役所広司さんクラスの役者さんで
              なければ、とても演じることのできない、かなり
              難しい役だと思います。

               

              日本の司法制度の仕組みや、裁判官、検事、弁護士、
              裁判員についての基本もわかりやすく、司法制度が
              抱える問題点も三隅の求刑に関係してはきますが、
              メインは犯人と弁護士の心理ドラマ。サスペンスでは

              ありません。

               

              原作→映画鑑賞の順の方が見落としがないかも?

               

              二度目の殺人を犯した三隅の内面に持つ闇なのか、
              それとも実は空っぽなのか、殺人をする人間に更生は
              なく殺人者なのかといった謎。
              一方で、弁護士という仕事自体はクールにこなしつつも
              家庭は崩壊し、父のように裁判官になりたかったけれど
              裁く側にはなれなかった弁護士・重盛の心の奥。

               

              事件の裏側や次々と発覚する新事実も、それなりに
              見どころでもありますが、重盛自身の気持ち的な
              落としどころはどこなのかが気になる作品です。

               

              人間の内面重視のドラマなので、原作を読んでからの
              方が、映画を楽しめる気がします。

               

              重盛視点となっているため、それぞれのシーンで
              言葉数が少ない三隅がどういった表情をするのか、
              映像で観てみたくなりました。

               

              予告でも少し映っていましたが、『2046』 的な
              シーンが、どんな風に私自身の目に映るのかも
              気になるところです。本の裏表紙でもふれているし、
              表紙の写真にもなっている、被害者の娘・咲江と
              犯人・三隅とのつながり(曖昧表現)も、原作を
              読んでも釈然としない感じなので、広瀬すずさんの
              演技も楽しみです。

               

              ちなみに、裁判官を退官した重盛の父は長崎に
              住んでいる設定でした。ネタバレ?
              といっても、事件の “真実” には全く関係ない
              どーでもいい情報です(笑)。

               

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              『英語で紹介するニッポン』 で 「そうなのか!」

              2017.09.03 Sunday 23:36
              0

                「東京阿波踊り」 の際に、語学力の無さを痛感した
                私ですが、たしか日本文化を説明するための本だけは
                買ってあったはずと探したら、ありました!
                もう遅いけど、まだ2020年には余裕…なはず。

                 

                『英語で紹介するニッポン』(トミー植松著、
                ジャパンタイムス刊)という本です。

                 

                能や歌舞伎などの伝統芸能、華道や茶道などの芸事、
                三味線や琴などの楽器、空手・柔道・剣道・相撲などの
                武道、将棋や盆栽、折り紙などの娯楽といった伝統的な
                内容に加え、節分や七夕などの年中行事や風俗習慣、
                七福神やお祓いなど宗教関係といった、かなり日本文化に
                興味がある外国人向けのカテゴリにも対応可能。

                 

                そのほか、テンプラ、スキヤーキ、寿司などの食べ物や

                日本酒、着物や帯、床の間や畳など、外国人旅行者でも

                滞在中にふれることがありそうな身近なテーマまで

                網羅されています。

                 

                左ページが日本語の例文、右ページが英訳となって
                いるのですが、日本語の説明の部分を読んでいても
                「ほう、そうなのか」 とかなり発見がありました。

                 

                逆に 「一概にそうとは言い切れないのでは?」 という

                内容もありましたが、まあよくまとまっていると
                言えるでしょう。

                 

                その対象物の説明だけでなく、それを説明する際の
                コミュニケーションにまで配慮されているのが
                なかなか面白かったです。

                 

                たとえば 「畳」 の例文の中に、「足がしびれたら
                伸ばしてください」 には 「Please stretch your legs
                and yourself comfortable,if your legs go to sleep」
                とか、「あぐらをかいてもいいですよ」 に 「Why not
                sit cross-legged?」 といった具合。
                なぜ、疑問形なのかすらわかりません、えっへん!

                 

                そして、先日 「わっしょい」 を質問されたお神輿に
                ついては、掛け声のことは書かれていませんでしたが、
                「An o-mikoshi is portable shrine」 と説明されて
                いて、「ポータブル シュライン」 とは!?
                何となく神輿の神聖さが損なわれるような表現な気が
                しなくもないですが、間違ってはいない…かな?

                 

                その続きに、お神輿を担ぐことで、悪が無力化し、
                恵みがまかれると信じられていますと書かれており、
                “悪が無力化” の意味については検討中。
                そうなのか、お神輿。悪の正体が何を指すのかが
                気になるところです。

                 

                【関連記事】
                ◇和を背負う掛け声 「わっしょい」
                http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3279

                category:書籍 | by:まるたん | - | - | -

                主人公の名前が300頁までわからない 『君の膵臓をたべたい』

                2017.08.29 Tuesday 23:31
                0

                  イベントが例年より暑かったこともあってか、大量に
                  撮影した画像のチョイスだけでグロッキー気味です。

                  なので、あえて映画を先に観た 『君の膵臓をたべたい』
                  (住野よる著、双葉社刊)を先日読んだのでその感想を。

                   

                  レビューと呼べるレベルの内容ではとても書けないほど
                  グッタリしてるのでお許しを。
                  って言っても、いつもレビューにはなってないんですけどね。

                   

                  まず、映画の脚本が、原作のセリフをかなり忠実に再現して
                  いたのだとわかりました。ちょっと強引に見えた結婚式の
                  エピソードにつながる伏線も原作にあったのは驚きです。

                   

                  原作は、主人公の一人称スタイルになっていて、彼の
                  名前が 【墨付きカッコ】 で、周囲とのコミュニケーション
                  が苦手な主人公が、自分に対して相手がどう思っているか
                  を反映した呼び名になっているのが面白いところでした。

                   

                  たとえば、【秘密を知っているクラスメイトくん】 とか、
                  【目立たないクラスメイトくん】 とか、【仲良しくん】
                  とか、桜良の気持ちがわからない時は 【?????くん】
                  といったように、小説ならではの表現となっていました。

                   

                  それだけに、いつもお互いに “君” と呼び合っていた
                  主人公が桜良の母親に名前を名乗るシーンが印象的でした。

                   

                  短い命とわかっていた彼女を名前で呼ぶことで、彼女を
                  友人や恋人として意識する怖さから逃げていた主人公の
                  気持ちを理解してくれる存在がいて、そこから主人公が
                  人と関わることへの勇気をもらう美しいシーンです。

                   

                  また、映画で一番いい言葉だと思った 「運命でも、
                  偶然でもなく、自分たちが選んだ結果」 についても
                  原作では約3頁にわたって、一つひとつ主人公が
                  選んできた今を回想する展開になっており、そこが
                  小説の中でも映像のような印象として残る作りに
                  なっていました。

                   

                  『また、同じ夢を見ていた』 では、主人公が大人になった
                  シーンがあることで、子供時代のファンタジックな
                  部分との距離感が生まれて、作品が締まっていましたが、
                  こちらはちょっとライトノベルズっぽい雰囲気で、
                  それが “余命いくばくもない女の子” の人生を
                  際立たせている反面、やはり映画の方が大人も共感
                  しやすい内容になっているような気もしました。

                   

                  【関連記事】
                  ◇『君の膵臓をたべたい』 原作は映画の後で
                  http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3267
                  【関連記事】
                  ◇読後感のカタルシスが心地よい 『また、同じ夢を見ていた』
                  http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3067

                  category:書籍 | by:まるたん | - | - | -

                  『美しい日本語と正しい敬語が身に付く本』 で日本語再確認

                  2017.06.28 Wednesday 04:04
                  0

                    薬をもらいに行ったら、薬局に 『dancyu』 と
                    『美しい日本語と正しい敬語が身に付く本』 が
                    置かれていて、いつもならグルメ記事を書く参考
                    になるので迷わず 『dancyu』 なのですが、
                    このところ、グルメ取材ばかりで辟易していたことも
                    あって、何の気なしに、日経おとなのOFF 特別編集
                    『美しい日本語と正しい敬語が身に付く本』 の方を
                    手に取りました。

                     

                    実用性が高めの新装版

                     

                    ムックなので、思ったより気軽に日頃使っている
                    日本語の語源や、無意識に誤用している言い回しなど、
                    発見できる内容で興味深かったので、薬局では全部
                    読み切れなかったこともあり、家に帰ってAmazon!

                     

                    美しい大和言葉や季節の言葉、間違えやすい表現、
                    ビジネスで使う敬語や、相手の気持ちを読み取る
                    会話術、手紙・SNSの文章術など、幅広く網羅して
                    おり、肩が凝らない程度の内容になっています。

                     

                    2012年版は雑学的テーマも多め

                     

                    よく見たら、こちらは新装版となっていたので、
                    再びAmazoーn!(仮面ライダーアマゾン風)
                    2012年に発売された第一弾も購入しました。
                    私は、2012年版の方が内容的には好きでした。

                     

                    どちらかというと、実用性より、雑学的なテーマが
                    多めだったせいかもしれません。

                     

                    たとえば、誤解されたまま伝わった慣用表現として
                    「こんがらがる」「白黒をつける」「蘊蓄をたれる」
                    とあり、正しくは 「こんがらかる」「黒白つける」
                    「蘊蓄を傾ける」 だと書かれており、もろ誤用して
                    いたことにショック!

                     

                    一応、漢検2級なので「重複」「発足」「早急」
                    といった読み間違えやすい感じは正しく使って
                    いますが、現実には 「そうきゅうに対応」 とか
                    言ってる人もかなり多いし、これを書くにあたって
                    あえて 「じゅうふく」 と打ってみたら 「重複」
                    も選択肢に出るし! なんて優しいんだ、PC変換!

                     

                    また、当時の流行言葉が形を変えて残っている例や
                    歴史の流れと共に絶滅寸前の物の数え方の例など、
                    今使っている言葉の歴史を感じられるテーマにも
                    フィーチャーしています。

                     

                    一方で、「超〜」「ヤバい」「ハンパない」
                    「うざい」「キモい」「何気に」「〜的には」
                    といった、そうした言葉を使う人の品位を下げる
                    言葉も挙げられていて、自分的に超ヤバい印象の
                    ブログを書いてしまっているのも発覚(笑)。

                     

                    そのほかで面白かったのは、類語の使い分け。
                    「名人」「達人」「名手」「匠」 の違いや、
                    「グルメ」「食い道楽」「美食家」「食通」、
                    「眺め」「光景」「景色」「風景」 といった
                    日頃あまり気にせず使っている言葉について
                    改めて使い方を考えさせてくれる内容でした。

                     

                    イメージが変化過程にある言葉の意識調査も

                     

                    グルメ取材の原稿書きでよく使う 「こだわり」
                    も、もともとは否定的な言葉だということは
                    知っていましたが、一般的にはどちら寄りの
                    印象を与える言葉なのか、年代別のアンケート
                    で数値化した試みも面白かったです。

                     

                    できれば、「凄い」 もやってほしかった。
                    今はもうほとんど肯定的なイメージの言葉に
                    なっているような気がします。

                     

                    2012年版と新装版は、内容も切り口も違うので、
                    2冊揃えても、それぞれに楽しめます。

                     

                    これで私も少しは美しい日本語が使えるように
                    なるのでしょうか。なんたって “身に付く”と
                    タイトルに謳っているのだから、責任とって
                    ほしいです。それともどこかに小さい文字で
                    免責となる一文が入っているのかな?

                    category:書籍 | by:まるたん | - | - | -

                    ビジネス展開以上に人間描写に引き込まれる 『アキラとあきら』

                    2017.06.08 Thursday 04:23
                    0

                      『アキラとあきら』 は、今や売れっ子作家の池井戸潤さんが
                      2006年から2009年にかけて連載していた初期の頃の小説を
                      徳間書店が文庫化し、一気にWOWOWでドラマ化される作品。
                      ドラマ決定が先なのか、文庫化が先なのかは謎です。

                       

                      初期作品なだけに、全く違った生まれでありながら、ある
                      人生の課題を共有する展開で、バンカー物ではありますが
                      半沢直樹のような “ビジネス系” というよりは、ふたりの
                      青年がある経営課題を乗り切る青春物的な要素があります。

                       

                      一人は、小さな町工場の息子として生まれ、その町工場が
                      倒産してしまい苦しい生活を送ってきた山崎瑛(あきら)。
                      もう一人は、それとは対照的に大手海運会社の長男として
                      生まれ、親族経営の家業を継がない道を進んだ階堂彬。

                       

                      子供の頃、お互いクロスした瞬間があったことを知らぬまま、
                      成長した二人は、あの 「産業中央銀行」 でバンカーと
                      して働き始めます。入行時の新人研修での稟議書対決でも
                      二人はその才覚を発揮し、その時のテーマが作品の伏線
                      にもなっています。

                       

                      二人とも切れ者であるという点は共通していますが、
                      働くスタイルは、二人のそれまでの人生経験や環境の違いが
                      感じられる人物描写となっていて爽やかなイメージ。

                       

                      ストーリーの大きな流れとしては、階堂家の関連会社や
                      彬の父の死後の社内でのクーデターなど、階堂家が経営する
                      「東海郵船」 グループの融資やM&Aが中心となりますが、
                      経営課題以上に、叔父や弟に対する彬の心の動きが
                      見どころだと思います。

                       

                      時代は、ちょうどバブル前からバブル崩壊後までとなって
                      いるので、それだけで読者も企業経営に降りかかる課題の
                      予想がつくだけに、ハラハラ感満載。

                       

                      そんなメインの流れと並行して描かれる、瑛の再就職先
                      での出来事や、町工場の作業員だったヤスさんの
                      エピソードもちょっとした短編が挿入されているようで
                      作品のメリハリとなっていました。

                       

                      ただ、登場する女性の描き方がややステロタイプというか、
                      「どうしてこの人がこの女性と結婚したのかわからない」
                      感じでした。

                      ラストは、半沢直樹のように “スカッと” はしませんが、
                      心温まる風景が広がっています。

                       

                      ドラマはダブル主役ということで、文庫についてきた
                      しおりにも斎藤工さんと向井理さんが載っていましたが、
                      山崎瑛は斎藤工さんの方が似合いそうだし、演じれそう
                      だな〜と思って、これを書く前にチェックしたら、
                      期待通りでした。ダブル主役ですが、どちらかと言えば

                      山崎瑛が真の主役。おいしい役だと思います。

                       

                      【関連記事】
                      ◇半沢と若手がタッグを組む 『ロスジェネの逆襲』
                      http://nureinmal.jugem.jp/?eid=1830
                      ◇素晴らしきかな製造業 『下町ロケット』
                      http://nureinmal.jugem.jp/?eid=1952
                      ◇『下町ロケット2 ガウディ計画』 出たー!
                      http://nureinmal.jugem.jp/?eid=2616
                      ◇個々の思惑が交錯するエンターテインメント 『空飛ぶタイヤ』
                      http://nureinmal.jugem.jp/?eid=1832

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