なぜか恋愛小説 『府中三億円事件を計画・実行したのは私です。』

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    ネット上でちょっと話題になっているという
    あの 「三億円事件」 事件をテーマにした作品が
    平積みになっていたので、読んでみました。


    1968年に起きた 「三億円事件」 から、もう
    50年も経っているということも私にとっては
    大変衝撃的!

     

    『府中三億円事件を計画・実行したのは私です。』
    (白田著、なぜかポプラ社刊)は、約240ページで
    字も大きく、行間も広いので、サクッと読めます。


    ネット投稿作品なせいか、1編1編が短くて、
    その1編1編で起きる出来事が “その後” の
    展開に大きく影響していくことを、毎度ラストで
    ほのめかすという、ネット小説ならではの引き!


    とにかく、後の展開やどうして将来的にそう
    なるのか、答えが欲しくて読み進んでしまうのです。

    ただ、毎度、「読者の皆さん」 と読み手への
    声掛けがあるので、そこは書籍向きに調整して
    ほしかったかも?

     

    未解決事件なだけに、これまでも書籍やドラマで
    いろいろな視点から 「三億円事件」 は取り上げ
    られてきましたが、事件そのものよりも事件を
    起こすに至った、主人公(犯人)の心の葛藤や
    友人関係、当時の社会情勢が描かれているのが
    この作品の面白さだと思います。

     

    多数残された遺留品から検証した事件の推察は
    多数ありますが、恋愛小説の延長線上に事件が
    あるという視点は斬新でした。
    突っ込みどころは満載ですが、それは野暮という
    ものかなと思わせるエンターテインメント作品です。


    東京オリンピック1964の時代

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      我が家は築40年以上の古い建物ですが、1階は
      今どきの “天井の高い家” で、組み込み式の
      本棚だけでも4段もあり、しかも重い置物など
      置いてあるので、災害時に備え、地層大移動を
      絶賛実施中です。

       

      どう考えても読まないと思われる本はBOOKOFFや
      廃棄処分にしつつ、よくわからないイヌイットの
      石像とか、上段に飾られていた南部鉄瓶などを
      下の段へ移動するという、スパイダーマン状態で
      本棚に張り付く、ワイルドかつボルダリングも
      同時に楽しめるという掃除を決行しています。

       

      東京オリンピック1964

       

      そんな中、世界文化社の 『東京オリンピック』
      という本が埋もれていたので、2020年との差を
      知るべく、見てみました。

       

      まず、参加国94は当時のオリンピック史としては
      最多で、初参加国は17カ国、参加選手数も1952年の
      ヘルシンキ大会に次いで第2位の規模だったそう。


      「オリンピックで重要なことは勝つことでは
      なく、参加することである。人生で一番重要な
      ことは、勝利者であるかどうかではない。
      その人が努力したかどうかということである」
      という、クーベルタン男爵の言葉から始まり、
      200ピクセルの画像を印刷したかと思うくらい
      粗くて、色だけは異様に濃い(鮮やかではない)
      写真が並んでいました。

       

      オリンピック開催後の写真集ですが、試合よりも
      競技を行った建物などのハード面重視の傾向が
      あるのは、いかにも敗戦国・日本を象徴して
      いるようです。

       

      そうした中で、モノクロページですが、文化面
      にも多少触れられており、大会と並行して
      芸術展示会が行われたことや、古美術・雅楽・
      能楽・古典舞踏などを紹介したことも書かれて
      いて、「歌舞伎座は連日、珍しいもの好きな
      青い目や研究熱心なブロンド髪でにぎわった」
      と、思いっきり白人至上主義で、どこか日本
      文化を卑下するような記事も。
      “珍しいもの好き” って、自国の文化に対して

      他に言い方なかったんかーい!?

       

      しかも、そのページのキャプションには、
      「東京みやげを物色する外人」「日本の古典
      芸術にとりつかれた外人も多い」 とか、とても
      国際人にはなり切れていない “外人” 表記。
      “とりつかれる” って、意味わかって書いて
      いるんかーい、バイトライターか?
      せめて、“魅了された” とか、もう少し温かみの
      ある言葉を選択できなかったのでしょうか。

       

      極めつけはラストのコラム。
      1964年の次は、1968年メキシコ大会ということで、
      “一人の外国人の意見” として、めずらしく
      “外国人” 表記になっていると思ったら、この
      “外国人” として紹介されている人は、確かに
      国立メキシコ青年院陸上競技官・メキシコ体育
      協会会計部長ではあるものの、中沢三次さんという
      メキシコに帰化した元・日本人でした。


      ってことは、その他の “外人” 表記は確信犯
      だと認定した次第です。
      2020年は、そうした差別意識のない平和な大会に
      したいですね。


      『小学8年生』 は何歳対象?

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        買い物ついでに書店に立ち寄ったら、新学期に向け、
        今や季語にもなりそうな雑誌 『小学1年生』 が
        平積みになっており、むむ? その横に、面妖な
        タイトルの 『小学8年生』 なる冊子が!

        https://sho.jp/sho8

         

         

        単純に考えれば、中学2年生を意味するような、
        はたまた、小学生留年? はさすがにないとして、
        小学生のような心を持った大人向けの学習雑誌?
        と、タイトルにふらふらと惹きつけられました。

        編集部の思うつぼ。


        しかも、「月をまるごと大特集」 ということで、
        付録は 「エアボール月球儀」 といわゆる月面が
        描かれたビーチボールで、さらに、チコちゃんが
        新連載という魅力的な内容です。私的には…。
         

        何となく、昔あった学研の 『かがく』 みたいな
        ラインナップに、今日は荷物があって買うのは
        逡巡しましたが(付録でかさばっていた)、
        まだ残っていたら買ってしまいそうです。

         

        小学館の学習雑誌として長く親しまれてきた
        『小学〇年生』 も、少子化や活字離れからか
        数年前から 『小学1年生』 以外が休刊となり、
        一抹の寂しさを感じたものですが、奇抜な

        タイトルで新たな活路を見出したことにも拍手。
        時代によって応じて変化するしぶとさを応援
        したいと思います。


        ほんわか4コマ 『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』

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          家庭のバタバタで、つん読状態になっていた
          『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』
          (Jam著、名越康文監修、Sanctuary books)を
          読みました。

           

          「SNSのモヤモヤ」「人間関係のモヤモヤ」
          「職場のモヤモヤ」「自分のモヤモヤ」 の4章
          構成で、さまざまなシチュエーションにおける
          64のモヤモヤをかわいい4コマ漫画と平易な文章
          でほんわりと解説してあります。

           

          「SNSのモヤモヤ」 は、私はTwitterもFacebookも
          Instagramも登録してあるものの、ほとんどチェック
          しない上、Facebookに至っては、一度乗っ取られた
          こともあって超難しいランダムなパスワードにして
          しまい、メモを見なければ、おいそれとはログイン
          できない環境だし、友人からもLINEやれーやれーと
          言われても頑としてやっていないので、自分自身は
          「SNSのモヤモヤ」 ゼロですが、リアルの人間関係
          にも通じるところがあって面白く読めました。

           

          例えば、「SNSのモヤモヤ」 として挙げられていた、
          「他人のSNSを見て、グチやリア充アピールに
          イライラしている時」 の 「見てるのは自分だよ」
          は、そのままの意味と、「そう見えてしまうのは
          自分自身の心を映している」 のようにも受け取れ、
          読む人次第な緩さもGOODだと思います。

           

          また、「職場のモヤモヤ」 として、「人と比べて
          仕事ができない自分に落ち込む」 ことは、意外と
          自分に近い実力の相手だから落ち込むと指摘されて
          おり、今はモヤモヤしていないけれど、今後仕事で
          行き詰った時などに使えそうです。
          イラストの 「羽生選手よりスケート下手でも
          落ち込まないでしょ」 というセリフが効いてます。

           

          一番気に入ったのは “孤独を感じる” 不安感に

          襲われた時の処方。ちょっとポエム調です。


          「孤独って…消せないものなのだと思う。
          悪いもののように言う人もいるけど、生きるのに
          必要だからあるんだと思う。孤独って人生で唯一
          失わないものなのかもしれない。孤独があるから
          大切な人や大切な時間が輝いて見えるんだ…」


          と、文章だけピックアップすると、やや重めの
          印象ですが、イラストがほんわかしていることで
          すっと心に入ってきます。


          ただ、私は結構 “孤独幸せ” 派ですが(笑)。
          “唯一、失わない” のひと言が刺さりました。

           

          こういったテーマの本は、書店にどっさり並んで
          いますが、たくさんあるだけに選べるし、1回
          読んで終わりではなく、時々、心の癒しとして
          手に取れる本作は、リラックマ絵本に通じる
          ほんわか感があって大層気に入ったのでした。


          なかなかコワイ 『幕末維新の暗号』

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            『幕末維新の暗号』(加治将一著、祥伝社文庫)は
            あの幕末の志士らがズラッと並んでいることで
            有名な 「フルベッキ写真」 から端を発し、その
            写真の背景にある隠された歴史を追っていくことで、
            明智光秀・天海説のように囁かれている明治天皇
            すり替え説へのピースが集まっていく展開です。

             

            主人公は歴史小説の作家・望月、そして幕末の闇に
            踏み込んでいく展開の中で、多少作品の雰囲気に
            明るさを添えてくれるのがサポート役のユカです。


            望月が動き出すキッカケは、「フルベッキ写真」
            と南北朝の関係を調べていた男が、山口県で謎の
            事故死を遂げ、吉野、佐賀、長崎、鹿児島、山口
            と、彼の足跡を追う内、とにかく怪しい人から
            狙われるなど、それなりにスリリングというか、
            ちょっとホラーサスペンス的。

            望月は、著者を投影したような人物像になって
            いることや、あくまでも明治天皇のすり替え説は、
            小説というフィクションとして書いていますと
            いうスタイルをとっているためか、各キャラは
            それほど立っていませんが、歴史考察の語り部
            としての役割果たしています。


            せっかく、フリーメイソン絡みなのだから、もう
            少しエンターテインメント要素を入れる選択は
            なかったのでしょうか。

             

            とはいえ、「フルベッキ写真」 に写っている人
            の真贋を他の写真で対比したり、一般的な歴史本
            で 「なぜあの人はああいう行動をとったのか?」
            と思っていたことが、妙に納得できてしまう事例も
            紹介されていました。私の場合は、佐賀の乱の
            時の江藤新平と、西南戦争の西郷隆盛の行動には
            以前から明智光秀の三日天下の際の行動のように
            「?」 な部分があったので、ちょっとスッキリ!

             

            明治天皇については、「フルベッキ 大室寅之祐」
            で検索すると、わんさかネットで論戦が交わされて
            いるので、そちらも興味深いですよ。

             

            また、「フルベッキ写真」 と言えば、巣鴨の
            とげぬき地蔵に行ったら、参道の露店にどでかく
            本堂の方側に向かって貼られていて、何となく
            違和感があったのが印象に残っています。


            介護生活の支えとなった 『母さん、ごめん。』

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              『母さん、ごめん。〜50代独身男の介護奮闘記』
              (松浦晋也著、日経BP社)は、タイトルからだと
              少し感傷的なイメージを受けますが、宇宙開発の
              著作を多く手掛けている科学ジャーナリストの
              介護記録なので、母親がアルツハイマーと知った
              時から、自身の心情を冷静に見つめ、その後の
              認知症が進んでいく過程に起こる出来事を淡々と
              書き綴った作品となっています。

               

              介護をしている人にとっては “老人あるある” が
              満載で、同じ悩みを抱えている人には共感と共に
              参考になる対応策が紹介されています。


              また、介護経験がない人にとっては、育児と違って
              終わりが見えない介護生活とどう共存していくと
              ベターか、どんな苦悩が待ち受けているかを知る
              キッカケとなる一冊だと思います。名著!

               

              介護に役立つヒントが満載

               

              物忘れだけでなく、老人特有の通販病、味覚の
              変化をはじめ、他人を介することで対応できる
              問題や公的介護制度の利用なども経験されていて
              その上で発生する課題や、心の持ち様が丁寧に
              描かれていて、介護ストレスで幻覚を見るまでに
              追い詰められた状況で、これだけロジカルな文章
              で綴れることにも感心してしまいました。

               

              介護は、未知の洞窟探検のように、奥へ奥へと
              どんどん暗くなっていく道なき道です。
              「ちょっとの手間だけれど、それが積みあがって
              自分の生活と時間を圧迫していく」「収入は減る
              一方で、介護用品や施設利用で支出は増える」

              といった問題は、介護生活が長くなると必ず
              ぶち当たる壁となります。

               

              さらに、私も泣かされた下の世話。
              冷静な筆致で綴ってきた筆者ですら、失禁の話に
              ついては11章まで触れるのを避けていたと書かれて
              いて、激しく共感しました。


              失禁・排泄処理、洗濯&殺菌、汚した所の拭き掃除、
              今後も当分はトラウマ化しそうな日々でした。

               

              自分の今後を考えると不安に苛まれて眠れなかったり、
              夜中の粗相で眠くても、下の世話で目が冴えてまた
              眠れなくなる日々。地獄ってこういう状況かなとも
              思うことがありました。

               

              自宅介護において、公共サービスの利用は不可欠

               

              ただ、著者は羨ましいことに、弟さんと妹さんが
              同居ではないけれど、介護者である著者のメンタルを
              心配して、公的なサービス利用を提案してくれたり、
              一人で抱え込まないようなアドバイスをくれたりして、
              そこんとこ、実に羨ましい限り。

               

              私は、父の老々介護で体調を崩した母と、次々と

              できないことが増えていく父のW介護だったので、

              親族にそういった親身になって考えてくれる人が

              いるのが存在していることは、それだけで少し

              心強かったのではないかと…。

               

              私も利用しましたが、「地位包括支援センター」、
              ケアマネージャーさんに思わず愚痴ってしまったり、
              介護認定レベルとサービスの調整など、とても参考に
              なりました。事務的な説明よりも、気持ちの持ち様の
              部分が、リアル介護世代には響きます。


              我が家に至っては、最後はMAXの介護5までいって
              しまっただけに、介護認定は自宅介護だけでなく、
              入院後の治療方針相談にも生かせます。

               

              「地位包括支援センター」 の役割の他、ケアマネ、
              ホームヘルパー、デイケア、ショートステイ、
              老人向け食事宅配サービスなど、我が家もオール
              コンプです。それでも、疲労は溜まる一方でした。

               

              単なる介護ノウハウ本ではなく、ドラマ性もあり!

               

              「老いるということは、そのどこを取り出しても
              不可逆の過程だ」 という著者の言葉が痛切でした。
              また、おそらくこの作品の最も山場とも言える、
              206ページでついに著者が母親に手を挙げてしまう
              シーンは、介護真っ只中の人にとっては切実。

               

              ちょっとネタバレにもなりますが、「お母さんを
              叩くなんて」 とショックのあまり錯乱気味だった
              母親が、ぶつぶつ言い出した後のセリフがあまりに
              切ない。私も似たことがあったので滂沱!

               

              著者が介護生活で唯一のリフレッシュ手段だった
              という 「シネコンで見る映画は、確実に私の精神を
              支えてくれたのであった」 という言葉に、なるほど
              私が映画に行きたくなっていたのも、その心境かと
              気づかされました。


              ただ一つ、私にとっては 『母さん、ごめん。』 が
              もう一つの、正気を保つ支えとなっていました。

              この本に出合えたことに感謝!


              現在、介護でお悩みの方は、もしかすると多少の
              光明が見えてきたり、自分の中で悶々としている
              課題の解決策が見つかるかもしれません。
              実用的かつ自分自身の理性を取り戻せる貴重な
              一冊だと思います。


              字幕で観たい 『宝島』 映像化

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                またしても、父の病状でいろいろあって、毎日の
                病院通いとなり、父が落ち着いたのはいいけれど、
                私の方がダウン。母によると、約2時間うつ伏せの
                まま、リビングに倒れていた(寝ていた)そう。
                体力もさることながら、精神的に疲れました。

                 

                で、そんな中も直木賞作品 『宝島』 を読了しました。
                やはり、最近の直木賞作品の中でも名著ですね。

                 

                沖縄の歴史はもちろん、沖縄の県民性のルーツも
                理解できる気がするし、過酷な環境の中でも激烈に
                生きる若者たちが印象的でした。

                 

                著者が沖縄出身でないというのにも驚きましたが、
                会話や名詞がうちなーぐち表記。

                 

                この手法を生かすには、やはり映像化して、それぞれの
                語りは標準語で、そして実際の映像はALLうちなーぐちで、
                昨年の大河ドラマ 『西郷どん』 のように標準語字幕
                になっていると、リアリティと理解しやすさが共有
                できる気がします。

                 

                最初の内は、うちなーぐちのルビをいちいち読んで
                いたこともあって、なかなか進まず、ストーリーの
                理解に集中できないこともありました。
                名著なので、ぜひ映像化してほしいと願っています。

                 

                【関連記事】
                ◇沖縄のヒストリー&ミステリー 『宝島』
                http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3800


                沖縄のヒストリー&ミステリー 『宝島』

                0

                  ただ今、第160回・直木賞受賞作、真藤順丈さんの
                  著書 『宝島』 を読んでおります。
                  片手で持って読むには、物理的に重い作り。
                  内容も、第二次世界大戦後の1952年から、本土返還の
                  1972年までの沖縄が描かれており、テーマは重いです。

                   

                  しかし、様々な悲惨な出来事や沖縄の人が置かれた
                  状況にありながらも、バイタリティ溢れる登場人物や
                  軽妙な語りで “なんくるないさー” 的に読めて
                  しまうという不思議な名作です。文中の主に名詞が
                  うちなーぐちで書かれているからかもしれません。
                  芥川賞的な文体だったら、読んでいて窒息しそう。

                   

                  標準語の横にうちなーぐちのルビがふられていて、
                  そのルビを確認しつつ読んでいるため、どうしても
                  目が止まってしまい、速読ができず(速読は目を
                  止めたらダメ)、一般的なペースで読んでおり、
                  ようやくラストの第三章に辿り着きました。

                   

                  現在も続く、虐げられた立場の沖縄の歴史が紹介
                  される一方で、米軍基地に備蓄している食料や
                  衣料品などを地域住民に与える英雄とも言える
                  “センカアギヤー” のリーダーがある事件を境に
                  行方知れずになってしまい、彼と親しかった若者
                  3人がそれぞれのやり方で、その真相を探っていく
                  ミステリー要素もあって、つい引き込まれます。

                   

                  第三章のタイトルから結果が見えそうでいて、
                  先が見えない展開で、読み終えてしまうのが
                  勿体ないような、早く読み進めたいような、そんな
                  葛藤の中、寝る前に前夜までの展開を確認して
                  少しだけ先を読むという、半返し縫いみたいな
                  スタイルで楽しんでいます。

                   

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                  遺作と称したい 『一切なりゆき〜樹木希林のことば』

                  0

                    2019年の1冊目は 『一切なりゆき〜樹木希林のことば』
                    (文春新書)です。タイトルがドストライク!

                     

                    「生きること」「家族のこと」「病いのこと、カラダの
                    こと」「仕事のこと」「女のこと、男のこと」「出演
                    作品のこと」 というカテゴライズで、物にこだわらず、
                    諸行無常に自然体で臨んで、病魔さえも闘わず受け入れ、
                    “生き切る” ことを目指した樹木希林さんの生き様と
                    人生哲学には共感や発見があり、とにかく名作です。

                    樹木希林さんの人生という作品が。

                     

                    よく、サプリや化粧品サンプルで、「1週間使って
                    効果がなければ代金をお返しします」 といった
                    コピーがありますが、この本のオススメ度は
                    それと同じようなグレード。
                    他人にもプレゼントしたい1冊と言えます!

                     

                    1ページに多いと3つくらいの金言が散りばめられ、
                    インタビューに対する簡潔な答えが掲載されている

                    ので、1つ1つが短く読みやすいのも特長。

                     

                    それぞれの言葉の背景も、ご本人のインタビュー

                    記事で説明されていますが、その言葉を自分の中に

                    取り込んで反芻すると効果的。心のサプリになります。

                     

                     

                    今、危篤状態が続く父、介護疲れで一気に老化が
                    進んでしまった母、フリーランスなのに仕事が
                    できない現状、相続の問題など、いろいろ悩みが
                    ある時にこの本に巡り合えて良かったと思います。

                     

                    好きな言葉を一つだけ。
                    「生きるのに精いっぱいという人が、だいたい見事な
                    人生を送りますね」。
                    私もぜひそうありたいと願っています。

                     

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                    5人の女子大生が魅力的な 『継続捜査ゼミ』

                    0

                      父の病院に行っても、脳がアレなので、ほとんど
                      寝ているため、読書量が増えています。
                      スマホもNGだし、読書しかすることありません。
                      取材の原稿を書けばいいという心の声もありますが
                      病院で仕事する気にはなれません。

                       

                      で、いろいろ読んだ中で印象に残ったのが、
                      『継続捜査ゼミ』(今野敏著、講談社文庫)です。

                       

                      元刑事で警察学校の校長を務めた女子大の教授となり、
                      その小早川先生が受け持つゼミが、過去の未解決事件
                      をベースにゼミで検討していくストーリー。

                       

                      メインとなる15年前に起こった老夫婦殺害事件と並行
                      して、校内で起きた不可思議な事件も捜査する展開。

                       

                      彼のゼミに所属する女子大生5人も、それぞれ特技が
                      あって魅力的。歴女だったり、病弱だったため薬に
                      ついて詳しかったり、武道の達人だったりと、5人が
                      5人とも趣味の方向性が違うため、事件を警察とは
                      違った視点で検討していけるメンバーなのです。

                       

                      中でも、法学部のない大学なのに、法律については
                      法学部の学生並みに詳しい蘭子さんは、ファンに
                      なってしまそう(笑)。

                       

                      最初の内は一般講義のように、小早川先生が教える
                      状況説明や捜査手法について、ただ聞いて受け身
                      だった女子大生たちが、次第に積極的な捜査に
                      乗り出していく流れは、ジュブナイル的な側面も。
                      大学教授としては新米の小早川先生の試行錯誤も、
                      一般的な推理小説とは一線を画しています。

                       

                      小早川先生と同僚にあたる竹芝教授の事件や、そこで
                      語られる “専門学校化する大学での学問の意義” と
                      いった、大学の在り方なども盛り込まれていて、
                      犯人を追及していく以外の面白さもあります。
                      竹芝教授と、そのゼミの学生たちとの事件には
                      心温まりました。…事件なんですけどね。

                       

                      事件関係者に直接女子学生たちが捜査したり、警察
                      関係者が異様に協力的だったりと、少し緩い部分も
                      ありますが、まあ、フィクションだから! と許せる
                      範囲です。ある意味、ライトなタッチで映画向き?

                       

                      いろいろな特技がある女子学生一人ひとりをもっと
                      活躍させてほしいなと思っていたら、続編もあると
                      知ったので、文庫化されたら読みたいと思いました。


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