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    • 2023.07.11 Tuesday
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    300ページの手描き本 『古代エジプトうんちく図鑑』

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      観光している時は、それなりにメモも取って、
      写真を見れば現地ガイドさんが話した内容が
      思い出せたはずだったのですが、ありりり?
      写真を見ても何をメインに、どういう理由で
      それを撮ったのか思い出せない、という熱帯性
      認知症を患ってしまったようなので、参考に
      なる本を買うことにしました。

      と言っても、前から読んでみたいなとカートに
      保存してあったので、ぽちっとな。


      『古代エジプトうんちく図鑑』(柴崎みゆき著・画、
      バシリコ株式会社刊)という、300ページの本です。

       

      なんと全頁、イラストはもちろん、本文、著者紹介に
      至るまで “手描き” という、エジプト愛に満ちた一冊。
      私も、世界で一番行きたかったのがエジプトだったし、
      古代の神様についてやエジプトの歴史などの本は
      結構読んだ方だと思いますが、圧巻の手描きなのです。

       

      エジプトの神話から始まり、エジプトの考古学に奮闘
      した学者たちの紹介、筆者自身のエジプト紀行、さらに
      踏み込んで歴代ファラオ140人の紹介がされています。


      エジプト神話編は、壁画に描かれている神様について
      わかりやすく紹介してあるし、マニア的にもイシスと
      セトのバトルについて丹念に描かれていて、初心者から
      ディープなファンまで楽しめる漫画エッセイ(?)と
      なっています。

       

      神様についても、ファラオ紹介についても体系的に
      説明してありますが、時々登場する著者自身の感想が
      西原理恵子さん的に本音丸出しで笑えます。


      考古学者の中でも、発掘方法についてやや問題ありの
      ベルツォーニが著者はお気に入りなんだろうなとも
      推察できたりして、適度な偏見も程良いスパイス!

       

      著者のエジプト旅行記についても、ツアーには入って
      いなかったアレキサンドリアや、ちょっと未練がある
      サッカラやダハシュールのピラミッド、さらには
      なかなかツアーではじっくり見ることができない所も
      詳しく書いてあるので、また懲りずに下エジプトだけの
      コースに行きたい気分になってしまいました。

       

       

      また、実はピラミッド以上に感動した、デンデラの
      「ハトホル神殿」 の天体図もしっかりイラスト化
      してくれていて、自分で撮った黒っぽい写真よりも
      黄道12宮とエジプトの星座の配置がわかりやすくて
      ありがたや、ありがたや!

       

      下手うまっぽい絵のタッチが、エジプトの大雑把さに
      マッチしていると思います。そして嬉しく思ったのが
      学者たちの星座論争について触れられていることに加え、
      例のツタンカーメンの厨子に感銘を受けていたこと!

       


      「これを見た時、一番得した気持ちになりました、
      ありがとう」「絶対ふざけ職人が作ったと思う!」 と
      いう言葉から、感性が一緒で奇遇なり。

       

      2004年初版の本なので、ツタンカーメンの死因や
      ピラミッドについては、最近の発見・研究と比べ
      やや情報の経年劣化はありますが、古代エジプトに
      ついての全体的な流れはつかめる内容となっています。
      これだけ書き込んで1600円(税別)は安い!


      『何者』 の過去や裏、そしてその後の物語 『何様』

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        『何様』(朝井リョウ著、新潮文庫)を読みました。
        読みかけになっていた 『何者』 の “単行本” を
        まず読むことから始まったので、ようやく。

         

        直木賞受賞作 『何者』 に登場する人たちの過去や
        その後などが描かれていて、『何者』 ではさらりと
        触れられている光太郎の想い人の話や、瑞月さんの
        父親の話など、スピンオフというよりもサイド
        ストーリーといった感じ。ピックアップされている
        時期も彼らの学生時代や就業後の様子となっている
        6つの短編集です。

         

        多くは、『何者』 同様、人間が持つ負の感情や
        澱のように貯まっていくやるせなさや悪意が描かれて
        いる中で、光太郎の学生時代のストーリーは一編目
        としては心地よい初恋物語調。

         

        ラストは、『何者』 の主人公・拓人が、同作で
        最後に面接した会社の新卒採用の “採用する側”
        のストーリーで、そのタイトルがそのまま本書の
        タイトルになっていました。


        採用する側も、基準もあるけれど期限があるし、
        誰がどんなポテンシャルを持っているかなんて
        短時間ではわからないので、どうしても消去法に
        なってしまうんですよね。その選択方法の中での
        迷いや試行錯誤は興味深かったです。


        『何者』 を読んでいなくても、それぞれに面白い
        作品ですが、読んでいたら 『何者』 では曖昧に
        なっている、主題から外れるストーリーを知れて、
        さらに 『何者』 を楽しめる一冊だと思います。

         

        【関連記事】

        ◇『何様』 を読むため、今頃 『何者』 を読了
        http://nureinmal.jugem.jp/?eid=4022


        『何様』 を読むため、今頃 『何者』 を読了

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          書店で 『何様』(朝井リョウ著、新潮文庫)を
          見かけ、そういえば、直木賞受賞作の 『何者』 の
          単行本をつん読状態というか放置していたことに
          思い至ったのでした。


          もう1冊は 『蜜蜂と遠雷』。すでに文庫化もされ
          映画も間もなく封切です。この際、映画を観てから
          あの厚さと重さに挑戦しようかなとも思い始めています。

          ともあれ、『何様』 を読むためには、まず 『何者』 を
          読まなければ! 文字量も少ないし、SNS表現も多いので

          読みやすいはずなのになぜ読了できない?


          作者は、『桐島、部活やめるってよ』 でも有名な
          朝井リョウさんで、言葉の組み合わせが好きなのです。
          なのに、なぜかリタイアしてしまい、ぐわ、積み重なった

          本の下の方にあったよ! 発掘したため、上の方が倒壊!

          という大惨事を経て、ようやく再読開始。

           

          おそらく、途中リタイアの理由は、“他人とは違う自分” を

          模索する就活生仲間の慣れ合いや、社会人から見ると

          かなり甘いそれぞれの未来予想図、そして就活という

          企業に自己否定される時期だからこそ、つい自分を大きく
          見せようと発信してしまうSNSの寒い内容が辛くなって

          続きを読む意欲が持続できなかったことによるものかと

          思われます。途中は結構ドロドロしています。

           

          が、これって最後の数十ページの理香さんの言葉を
          読まないと、本作が本当に言いたいことを知ることが
          できなかったのだと読了してわかりました。
          思わず、エア・ガッテンボタンを押してしまいました。
          ガッテン、ガッテン、ガッテン!

           

          以前読んだ時に感じていた、微妙な主人公のフィルター
          が外される瞬間が、ある意味爽快。
          そう感じるのは、彼らの世界と同じ高さの目線では
          見られないくらい、年取ったからだな!


          なんたって、わしらはESじゃなく、分厚い就活本の
          ハガキからスタートだったもんね!

          彼らの葛藤や行動は稚拙にも見える一方で、自分自身の
          就活時代とは違ってSNSを介する表裏のある複雑な
          コミュニケーションと情報の中で、自分を志望先企業の
          特別な “何者” へと確立していくのは、夾雑物も多く、
          情報収集に躍起になって就活していた時代とは異なる
          苦労があるのだと、遠い目で思ったのでした。


          戦闘と謎解きの共存に違和感がない 『戦場のコックたち』

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            「このミス2016」 でも2位になったという、深緑野分氏の
            『戦場のコックたち』(東京創元社刊)が文庫になったので
            読んでみました。

             

            第二次世界大戦時のDデイ(ノルマンディー上陸作戦)
            から、ドイツ市街戦までのヨーロッパ戦線が、主な
            舞台となっていて、それが日本人作家の手によって
            描かれている点でも異色です。

             

            主人公はアメリカ・ルイジアナ州出身のコック兵・ティム。
            Dデイにユタ・ビーチ方面にパラシュート降下して、
            (映画 『プライベート・ライアン』 は地獄のオマハ・ビーチ)
            フランスからオランダ、ベルギー、ドイツへと転戦
            していく中で、仲間の死や軍内で起こった小さな謎を
            解いていくという展開もまた異色。ティムはワトソン役で
            同じコック仲間のエドが主に謎解き担当となっています。

             

            (父の遺品から出てきた昭和初期の世界地図。日本の海域が広すぎて違和感)

             

            5章とエピローグで構成され、前半4章は、仲間の一人が
            パラシュートを集める理由、米軍を匿ってくれた夫妻が
            自殺した事件、消えた物資のトリックなど、さまざまな
            謎の解明も興味深い内容ですが、戦闘の様子もしっかり
            描かれていて、戦争の悲惨さや、ティムが古参兵として
            成長していく様も丁寧に描かれていて、読み応えあり!

             

            5章では、全編を通して隠されていた謎も発覚し、その
            事実に対して、ティムや仲間たちがどのようなトリックを
            使って行動するかも最大の見せ場です。
            塹壕の中で迎えたクリスマスのエピソードも印象的。
            敵味方で聖歌を歌うのも 『ビルマの竪琴』 のようで
            映像化したい風景 (あちらは 「埴生の宿」 だけど)。
            束の間の休戦が、その後の激しさを際立たせます。

             

            日頃は無口なダンヒルが、ティムの家族から送られてきた
            幸せそうな写真を見て語る 「家族が笑っていられるのは、
            レンズの先にはお前がいると知っているからだ。お前が
            この世からいなくなったら、永遠にこんな写真は撮れない
            だろう。だから生きねば」 と、戦場を知ってしまった
            ティムが覚える “普通の生活” に戻れるかという不安を
            労わるシーンが感動的でした。

             

            『戦場のコックたち』 というタイトルではありますが、
            料理より戦闘がほとんど。『南極料理人』 のような、
            特殊な場所でのお仕事物とは一線を画します。
            まあ、もともとミステリーというジャンルだしね。


            でも、ティムがコックでなかればできなかったことが
            最後の事件に関わってくるので、戦場のカオス状態の
            中に散らばっている伏線を見逃さないこと。
            私は、戦闘場面と各章の謎解きにこだわって、本筋の
            伏線をかなり見落したので、自戒を込めて(笑)。

             

            同じ著者のデビュー作 『オーブランの少女』 も
            読もうとポチったほどの名著でした。

             

            【関連記事】
            ◇鮮烈な印象を残した 『戦場のテディ・ベア』
            http://nureinmal.jugem.jp/?eid=2054


            Newton増刊 「60分でわかる微分と積分」 で気分転換

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              頭が暑さでもやもやする夏が来ると、無性にやりたく
              なるのが、前にも書きましたが、高校の数学問題集。
              適度に思い出しつつ、問題が解答へと片付いていく
              状況に、経理で例えれば損益計算書と貸借対照表が
              ぴたっと合った時のようなカタルシスを感じます。

               

              ってことで、今年も問題集を買ったかと言うと
              そうではなく、数学記号の小さい文字を見るのは
              それはそれで面倒という気分になるお年頃となり、
              Newton増刊vol.1の 「60分でわかる微分と積分」 を
              読むことにしました。

               

              諸に初心者編で、数式云々よりも微分と積分が
              どのように活用できるのかとか、最初は砲弾の
              軌道や好転する地球の運動などを例に、微積を
              身近に感じてもらおうというコンセプトのようです。


              本来は積分の基本は、ニュートンの発見以前から
              存在していましたが、積分についてはおまけ程度。
              なんたって、冊子自体が 『Newton』 だし(笑)、
              ニュートン贔屓なのです。

               

              さらに、微積を確立したアイザック・ニュートンの
              生い立ちや研究成果などを描いた漫画も掲載されて
              いて、彼の変人ぶりも紹介されていました。

              学生時代に金貸ししてたのは知らなかった!


              微積の歴史を語る上で欠かせないライプニッツとの
              発表バトルもたっぷりと。
              微積の先取権については、ニュートンの暗躍で勝利
              しましたが、学校で習う微積の記号はライプニッツ流
              という歴史ドラマもあって、読み物としても楽しめます。


              座標の見方や流率法だけの説明に止まらない内容で、
              微積を使った物理学や天文学にも軽〜く触れられていて
              ただ、学校時代に悩まされた “変な座標と曲線” と
              いうイメージは払拭できるのではないかな〜という
              内容でした。ただ、“60分でわかる” と言い切るには
              「※個人差があります」 表記が必要かも?


              少なくとも、微積に関して、多少の身近感は得られる
              のではないかと思われます。

               

              【関連記事】

              ◇数学をクイズ感覚で楽しめる 『数の悪魔』
              http://nureinmal.jugem.jp/?eid=1814
              ◇実は文系な大学生が理系を専攻して悩む 『数字であそぼ。』
              http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3764


              親子の絆をホワイダニットで紡いだ 『希望の糸』

              0

                ちょうど、東野圭吾さんの作品が、講談社文庫と
                単行本で発売されていますが、どちらか一方という
                のであれば、『危険なビーナス』 より、加賀恭一郎
                やや脇役だけど美味しいとこ取り 『希望の糸』 の
                方が読み応えがあると思います。

                 

                『マスカレード』 シリーズとか、『白銀ジャック』
                をはじめとする、ちょっと映像化意識しましたシリーズ
                のエンターテインメント系が好きな人であれば、
                『危険なビーナス』 の方が好きかもしれません。


                なんせ、加賀恭一郎よりも従弟の松宮がメインとも
                言える 『希望の糸』 は、東野圭吾鉄板の親子の絆
                テーマなので、それなりに暗さもあるので…。
                とはいえ、読後感は良い展開でした。

                 

                何より面白いと思ったのは、本の半分くらいで、
                犯人が捕まります! 集中して、伏線を拾いながら
                読まないと、あっという間です。

                 

                それだけに、この作品は “フーダニット” ではなく
                “ホワイダニット” な展開なので、冒頭に登場する
                汐見夫妻の子供たちの被災や、料亭旅館の主人の遺言
                問題の部分をじっくり読むと、後半が伏線回収を
                存分に楽しめます。


                私もよく読み込もうと思って臨みましたが、ある不倫
                関係の相手を推理し損ね無念! そう来たかと(笑)。

                 

                殺人動機もさることながら、登場人物それぞれの過去と、
                それぞれの感情、それが発生する出来事からどう変化
                していくか、心の襞が丁寧に描かれている良作です。

                 

                メインとなる事件と、松宮刑事の家庭問題が並行して
                描かれ、ラストがきれいに収まり、イイ感じの
                シナジー効果を演出している点でも好印象。

                 

                ただ、帯ですけど、「謎に挑むのは、加賀とあの男」
                とか銘打っておいて、表4の帯に 「若き刑事」って
                解答を書いてしまうのはどうだろうか?


                それ以外にとくに不満はなく、本著はミステリー的な

                要素だけでなく、個々の心理が見どころの作品なので、

                犯人がわかっても繰り返し読めそうな内容だと思います。

                 

                【関連記事】
                ◇加賀恭一郎の謎も一つ解ける 『祈りの幕が下りる時』
                http://nureinmal.jugem.jp/?eid=2938
                ◇映画 『麒麟の翼』 に描かれる “希望と再生”
                http://nureinmal.jugem.jp/?eid=1237
                ◇加賀恭一郎の新章突入といった感じの 『新参者』
                 (http://nureinmal.jugem.jp/?eid=361
                ◇そこに、加賀恭一郎はいなかった…
                http://nureinmal.jugem.jp/?eid=13


                現代の貨幣価値置き換えで理解しやすい 『戦艦大和の収支決算報告』

                0

                  この季節になると、テレビも戦争関係の特集も
                  多く、例年、深夜帯にもモノクロの映像が流れ、
                  戦争の恐ろしさを再確認しています。
                  先日も赤紙を配る兵事係についても取り上げられて
                  いて、母と一緒に祖父の苦労を偲んだのでした。

                   

                  映画 『アルキメデスの大戦』 を観たこともあって、
                  『戦艦大和の収支決算報告』(青山誠著、彩図社刊)を
                  読みました。サブタイトルに 「建造費・維持費・
                  戦費から見た戦艦大和』 とありましたが、“収支”
                  だけで言ったら、当時で約1億4000万円もかけて
                  造った艦体だけで考えても大損失だし、何よりも
                  共に出撃した駆逐艦の乗員を含めると4000人近い
                  戦死者を出しているのだから、あの戦略がたとえ
                  成功していたとしても “収” はあり得ません。

                   

                  “収” と言うよりは、『大和』 がその後の時代に
                  残した技術や、世界最大級の戦艦を造った国として
                  認知されたことによる造船(とくにタンカー)業への
                  信頼、さらに近年のコンテンツ産業や、呉にオープン
                  した 「大和ミュージアム」 による町興しなど、
                  『大和』 のネームバリューによる “のれん効果”
                  と言った方が良いでしょう。

                   

                  当時の様子が数字から見えてくる第二章・三章

                   

                  構成は、第一章で 『大和』 を造るに至った、幕末の
                  黒船から始まり、日清・日露戦争を経て、軍国主義に
                  雪崩れ込んでいく流れが紹介され、第二章が主に
                  『大和』 の建造に携わった企業やそれぞれの費用、
                  さらに人件費などについて説明されています。
                  現代の貨幣価値と比べて説明されているので、その
                  膨大な予算に驚くというか、呆れされられます。


                  まず、『大和』 級の戦艦を造るドックがなかった…
                  という項から始まるのですが、そこからですかー!
                  採算度外視にも程がある強引さです。

                   

                  最も興味深かったのは、第三章の 「戦艦 『大和』 の
                  衣食住〜巨大戦艦の家計簿」。


                  『大和』 の維持費や燃料費、さらには停泊している
                  だけで、当時の数万人分の年収が消えるという停泊時の
                  燃料費などもハンパなく、海軍は本気で経済大国・
                  アメリカに対して短期決戦で決められると妄想して
                  いたのかなと考えると、その根拠が理解できません。


                  とはいえ、第三章には、海軍軍人の給与や、士官や
                  乗員のフトコロ事情や、艦内・下船した際のお金の
                  使い道なども紹介されていて、そのあたりは当時の
                  軍人の生活が数字からリアルに想像できて、本書の
                  メインと言える部分だと思われます。

                   

                  第四章は、私としては 『大和』 のうだうだ振りに
                  イラッとさせられるミッドウェー海戦やら、レイテ島
                  での意味不な反転、そして1945年4月の沖縄沖の最期
                  など、こちらは様々な書籍にも書かれてきた内容で、
                  何度なぞっても気鬱になる軍部の戦略に、ストレスが
                  貯まったのでした。

                   

                  そして、第五章には 『大和』 乗務員の軍人恩給や
                  遺族年金、さらに上記紹介した、『大和』 造船で
                  培った技術力や “のれん効果” などが書かれていて、
                  驚かされたのは、一般の日本国民が 『大和』 の名を
                  はっきりと知ったのが、1945年9月の終戦報告書
                  だったというエピソードはあまりに切なく響きました。


                  昔話なのに新しい 『むかしむかしあるところに、死体が…』

                  0

                    『むかしむかしあるところに、死体がありました。』
                    (青柳碧人著、双葉社刊)を読みました。
                    タイトルのインパクトと、帯の 「昔話ミステリー」
                    というコピー、そして五月女ケイ子さんが描いた
                    表紙絵の諧謔味がタイトルとマッチしていて、買わずに
                    いられなかったのです。

                     

                    この中で語られる昔話は、「一寸法師」「花咲爺さん」
                    「鶴の恩返し」「浦島太郎」「桃太郎」 ベースの五編。
                    どの作品にも必ず殺人事件が発生します。


                    それぞれに、昔話の裏話的だったり、後日談だったり、
                    前日談(?)だったりと、それだけでも面白いですが、
                    ストーリー展開も時系列的な 「むかしむかし」 話では
                    なく、過去を追求するスタイルや、刑事の如く登場人物が
                    聞き取り調査するスタイルなど、バリエーションも異なり、
                    元ネタの料理法の多彩さも楽しむことができます。

                     

                    ミステリーとしてはシンプルで、最後まで読まなくても
                    犯人(魚?)がわかってしまうものもありますが、
                    その動機や手口、そして落としどころに引っ張られて
                    勢いで読めます。私的には、前半で犯人と動機の想像は
                    ついていたものの、語り手がどうなるのかサスペンス的
                    興味で引っ張られた 「花咲か死者伝言」 が好きです。

                     

                    ただ、「密室龍宮城」 の見取り図は、なんせ “密室”
                    ですから必要だとは思いますが、「絶海の鬼ヶ島」 の
                    方は見取り図必要? それとも、ミスリードのための
                    確信犯な見取り図? と、読後もいろいろ考えさせて

                    くれる、全く童心には帰れなくて全く “新しい” 昔話

                    となっています。
                    第二弾は、金ちゃん(金太郎)も入れてあげてね(笑)。


                    はじめての 『るるぶ』

                    0

                      エジプトに向けて、そうだ 『地球の歩き方』 買おう!
                      と思って、外出のたびに書店で 「エジプト」 を
                      探すも、ベストシーズンから外れてしまったせいか
                      どこにも売っておらず、初めて 『るるぶ』 を買って
                      しまったのでした。

                       

                      ダイヤモンド社で5年近く仕事をしていた身としては、
                      どこか裏切ってしまったような忸怩たる思いです(笑)。


                      国の歴史・文化、通貨や生活事情などについては、
                      まあ 『地球の歩き方』 ネットでも見られるし、
                      荷物の重量的には断然 『るるぶ』 軽い!
                      中身も軽いけど、情報が少ない分、観光のポイントが
                      集約されていて良いかも?
                      https://www.arukikata.co.jp/

                       

                      エジプトに関しては、基本的な歴史や神様の種類、
                      王様の名前はそこそこ暗記しているので、『るるぶ』
                      でメインのグルメやショッピング情報があれば十分。

                      表紙も、人気の観光スポットなどが、これでもかと

                      いう勢いでレイアウトされているので、旅行記念に

                      保存しておく上では、『地球の歩き方』 のイラスト

                      表紙より、行った所を思い出しやすいかも?


                      ただ、年間の気温推移を見たら、予想通り、7月は
                      かなりの暑さに襲われるようで、体力的な不安が
                      無きにしも非ず。旅行代金が、ベストシーズンの

                      ほぼ半額だというのもうなずけます。

                       

                      でも、ポジティブに考えれば、暑い国は暑い時に
                      行った方が “それっぽい”!
                      そういえば、イタリアもスペインも真夏に行ったし、
                      雨の多い屋久島だってあえて梅雨に行ったのだから!


                      そう自分を励ましつつ、ふと気づけば7月は西が
                      大殺法方位。さらに、牡牛座・天王星と獅子座・火星
                      がいやな角度なので、私に限らず7月は事故に注意
                      ということですね。


                      素人視点のラグビー部再生奮闘記 『ノーサイド・ゲーム』

                      0

                        TBS日曜劇場でドラマ化される 『ノーサイド・ゲーム』
                        (池井戸潤著、ダイヤモンド社刊)を読了しました。

                         

                        大手自動車メーカーの経営戦略室で、ある商社との
                        合併問題に関する事案で、社内抗争に負けた主人公・
                        君嶋が、横浜工場の総務部長に飛ばされるところから
                        話は始まります。

                         

                        横浜工場の総務部長職は、もれなく自社の財務的には
                        お荷物となっているラグビーチーム 「アストロズ」 の
                        ゼネラルマネージャー職もついてくるという課題が。


                        プラチナリーグでの成績も低迷しており、社長肝いりの
                        ラグビー愛だけで生き残っているチームの立て直しを、
                        ラグビーについては門外漢だった君嶋が立ち向かっていく
                        ストーリーです。

                         

                        野球テーマだった 『ルーズヴェルト・ゲーム』 と
                        似ていなくもないですが、あちらよりややスポーツ寄りで、
                        あまり一般に知られていないアマチュアラグビーの世界や
                        お金の流れを、初心者・君嶋と共に知っていく展開と
                        なっている点もこの作品の面白いところだと思います。

                        また、倍返しとか、逆転ホームラン的な結論が多い中、

                        タイトル通りのまさに “ノーサイド” な落としどころが

                        読後感の爽やかさにつながっています。

                         

                        池井戸作品らしい、敵対構図や社内政治的な要素も
                        ありますが、ラグビーに対する親しみを感じることが
                        できるよう、専門的な技術やゲーム運びについての説明も
                        丁寧に書かれている気がしました。

                         

                        今回のラスボスは社内ではなく、アマチュアラグビーの
                        発展や裾野開拓を怠っている日本蹴球協会やその仕組み
                        という位置づけになっているようです。


                        象徴的な言葉は 「ラグビーは貴族のスポーツ」。
                        う〜ん、そうなのか、「サッカーは庶民のスポーツ」
                        なのは納得できるが、貴族のスポーツとしては疑問。

                         

                        ただ、読めば読むほど、試合のシーンが重要な作品な
                        だけに 「実写化が難しいのでは?」 と思われましたが、
                        やはり選手役は経験者を起用するようで納得。
                        相撲部屋もぜひ現役力士を使ってほしいです(笑)。

                         

                        原作に登場する七尾役が誰なのか一番気になったのですが
                        なぜかドラマサイトのキャスト欄にないし!
                        別の人にするのか、それともサプライズ発表するのか、
                        気になるところです。
                        https://www.tbs.co.jp/noside_game_tbs/


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