息をつかせぬ展開の 『22年目の告白〜私が殺人犯です〜』

2017.06.21 Wednesday 23:41
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    我慢していた映画を1本観たら、ドミノ現象のように
    “映画観たい病” が止まらなくなってしまいました。
    大ちょうど取材先が泉学園の東映撮影所近くにある
    『西洋菓子おだふじ』 だったこともあり、そのままの
    足で、すぐ斜め前にある 「T・ジョイSEIBU大泉」 へ。
    http://odafuji.jp/

     

    秀吉の播磨三木城での兵糧攻めで場内に籠っている側
    だったとしたら、城が開放されて振る舞われた粥を
    がっついて食べまくって死ぬタイプですね、きっと。

     

    それでなくても、週末までの取材&締め切り1本と
    来週明けの締め切りが7本もあるのにどうするんだ、私。

    本当は予告編で 『ちょっと今から仕事やめてくる』
    を観たかったのですが、一番すぐに観られる作品と
    いうことで 『22年目の告白〜私が殺人犯です〜』 を
    観てきました。

     

    ネタバレしない程度に、導入部だけ紹介

     

    22年前、殺人罪に時効が無くなる前日までに5件の
    殺人事件を起こした犯人が突然、マスコミに自分が
    その犯人である手記を書籍化し発表。
    その真意は何なのか、単なる自己顕示欲なのか、
    そして戸籍もないという彼はいったい何者という
    ミステリアスな謎を追うところから始まります。

     

    5件の殺人事件は全て絞殺で、しかも必ず被害者に
    近い存在にその殺人現場を見せつけ、生き残らせる
    という猟奇的かつ残忍な手口で、時の人として
    あざ笑うかのような犯人の行動に遺族たちは怒りを
    おぼえます。その殺人の中には、彼を捕まえようと
    した警察官と、その上司を目の前で殺されるという
    事件も含まれていました。

     

    被害者遺族の怒りをよそに、告白本はベストセラーに
    なり、テレビにも出演するなど、さらに行動は
    エスカレートしていきます。事項の無念さに泣いた
    警察官たち、そしてそれぞれの遺族である医者や
    暴力団関係者たちは、犯人に対してどうするか、
    さらに法で裁けないのであれば、ジャーナリズムで
    犯人を糾弾しようとするメディア関係者など、
    個々の思惑が交錯する人間模様も見どころ。
    さらに、自分が真犯人だと名乗る人物も…。

     

    全てのシーンがこの事件を解くヒントになって
    いるので、一瞬たりとも目が離せない展開でした。

     

    犯人の告白から、一旦は時効で終わったと思われた
    事件が新たな展開に。テンポが良いサスペンスで
    たまに 「これって捕まらないの?」 という部分も
    無きにしも非ずですが、物語の意外性を考えると
    エンターテインメントとしては許容範囲かなと。

     

    最後の1分ですら 「なんとちゃっかり!」「結局
    こうなるのか、がっくり」「ん?」「おおお!」
    「…でもな」 と観ている方も忙しいくらいに
    スピード感があって、飽きさせない脚本。
    俳優陣もそれぞれに好演しており、観て損はありません。
    ラストのとらえかたも人それぞれだと思われます。

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    『美女と野獣』 のバラの意味がやっとわかった!

    2017.06.20 Tuesday 23:00
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      今日は新宿での仕事だったので、『美女と野獣』 を
      ついに観てきました。
      http://www.disney.co.jp/movie/beautyandbeast.html

       

      昨日の 『花戦さ』 に続いて、畳みかけるように
      観るべし、観るべし、なのです!

       

      だって、週明けまでに8本も原稿を書くのに、
      何とか取材などの目途がついてるのがたったの3本。
      間に合うのでしょうか、いや、間に合わせますとも。

       

      観てわかったのは、私って全く 『美女と野獣』 の
      ストーリーを知らなかったということでした。

       

      私の中で捏造というか、良く言えば創造されていた
      『美女と野獣』 は、あるお城に呪いで野獣になって
      いる悪い怪物がいて、美しい娘を生贄に出さないと
      悪いことしちゃうぞってことで、勇気のある娘が
      城に乗り込んでみたところ、野獣は意外といい奴
      だったので、踊って、キスして、呪いが解ける…
      とまあ、日本昔話をディズニーっぽくしたような
      けったいな展開だったのですが、違ったんですね。

       

      アニメでも有名な、黄色いドレスでダンスするシーン
      がラストかと思ったら全然違うし。
      野獣の身の周りの世話係として、城に行くのだと
      思っていたら、ちゃんと使用人(物)いるし。
      ファンタスティックなまでの勘違いに、脳内

      上書き修正完了、ピピッ。

       

       

      それと、以前、たしかピグライフで ディズニー系
      イベントの時、バラにおおいがついているアイテムを
      もらったのですが意味わからず、「星の王子様の
      バラみたいだなあ」 と思ってたら、結構重要な
      アイテムだったことを発見! 呪いのバラというか、
      魔法のバラだったんですね。

       

      さらに、数々のナンバーの中でも最も有名と思われ、
      タイトルそのままの 「Beauty and the Beast」って
      主人公ふたりが歌ってダンスするのではなかったのも
      意外でした。ディズニー映画だからてっきり…。

       

      以前、働いていた会社のスクリーンセーバーに
      この曲が流れていて、絵は 『美女と野獣』 では
      なかったので、手を尽くしてタイトルを調べた
      思い出の曲。そう、こんな曲とメロディを歌って
      友人に聞くという試練を乗り越えた曲なのだ(笑)。

       

      ベルの衣装とガストンの声が良かった!

       

      ベル役のエマ・ワトソンは良かったし、ちょっと
      胸元開き過ぎのドレスが多いかなとも思いつつ、
      目がそこに行ってしまうし、美しいだけでなく
      知的な女性であるという設定にもピッタリだし、
      とにかく良かった、良かった。

       

      そして、ディズニー映画にありがちな身近にいる
      悪役・ガストンが存在感を発揮していてさらに
      良かったです。ガストン役のルーク・エヴァンス
      の声も伸びやかでミュージカル調で満足。
      とくに、酒場の人たちと共に自画自賛しまくって
      歌う 「Gaston」 は、『レ・ミゼラブル』 の
      「Master of the House」っぽい雰囲気もあって
      懐かしい感じがしました。

       

      ディズニー映画では悪役とか敵役、重要ですね。
      それと、主人公を導く 『ダンボ』 のティモシーや
      『アナ雪』 のオラフ的な水先案内人も。
      今回は、燭台のルミエールがその役でしたが、
      『STARWARS』 のユアン・マクレガーが声をあてて
      いたのをエンドロールで発見し、やや驚き。

       

      ベルと野獣の恋愛だけでなく、父が語らない母の
      思い出や、城の使用人を通しての家族愛なども
      描かれていて、ディズニーらしい映画でした。
      白いフクロウも出てて、魔法の世界っぽかったしね。

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      『花戦さ』 一輪にて数輪に及ぶならば、数少なきは心深し

      2017.06.19 Monday 23:58
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        仕事と、父のデイケアのあれこれで、映画鑑賞に行く
        余裕が全くなくて、さすがに禁断症状が起き、徹夜で
        3本の原稿を上げたというのに、憑りつかれたように
        ふらふらと前売り券を持っていた 『花戦さ』 を観に
        行ってまいりました。

         

        今や京都の六角堂の所にでっかい会館のある池坊の
        戦国時代の物語です。

         

        私も一応、草月流はもはや焚き付け用にしかならない

        看板を持っているので、華道には興味があります。

        また、千利休を演じる佐藤浩市さんの父・三國連太郎さん
        主演の映画 『利休』 を観ていたこともあって、その
        解釈の違いも見てみたいなという気持ちもありました。

         

        なぜ、当時 『利休』 を観に行ったかというと、
        映画監督が草月の家元・勅使河原宏さんだったのです。
        草月会館で 『ガウディ』 の映画も観たような…。
        習っているとチケットを買わざるを得ない雰囲気が
        ありました(笑)。14年も習ってたしね。

         

        ちなみに、華道・草月流の創始者・勅使河原蒼風さんは
        最初は池坊を学んだということで、私の華道の先生は
        両方の師範資格を持っていたため、私たちも日によって
        池坊風に生けたり、草月流で生けたりしていました。
        池坊は暦によってもルールがあったりして難しかったです。
        やっぱ、私は自由気ままに生けられる草月向き。

         

        いつ見ても朝顔のエピソードはドラマティック

         

        利休と秀吉のエピソードで有名な、朝顔のもてなしの
        シーンは、『利休』 では山崎努さん演じる秀吉が
        朝霧の中、利休の茶室に赴いたところ、全て花が
        刈り取られており、茶室に一つだけぽつんと茶花と
        して朝顔が生けられていたシーンが印象的でした。


        『花戦さ』 では市川猿之助さん演じる傲慢な秀吉が
        そのもてなしを理解せず、不貞腐れる展開に。

        同作の秀吉像は、野上弥生子さんの 『秀吉と利休』 に
        近い険悪ぶりで、信長の部下だった頃の人の良い
        藤吉郎時代と、関白になってからの秀吉を猿之助さんが
        好演されていました。

         

        そして、主人公である池坊専好は野村萬斎さん。
        『のぼうの城』 に続いて、またしても秀吉に対して
        戦を仕掛ける役回りです。応仁の乱から戦が続き
        疲弊しきった京の町が、秀吉によって次第に豊かさを
        取り戻してきたものの、関白となって驕った秀吉が
        自分の意のままにならない利休を切腹させ、利休の

        四十九日を弔った町人たちまでも処刑するような

        暴君へと変貌。

         

        利休に(精神的に)助けられた経験を持つ専好は
        そんな秀吉を諫めるべく戦を挑むのです。
        ただし、シンプルに得意とする華道を通して。

         

        大物から小品まで見事な作品群!

         

        ストーリーについては、まあ、そんなところで、
        とにかく、1点1点生けられる作品が素晴らしいこと!
        池坊の威信をかけた作品群です。いけ花の映像を見る

        だけでも、一見の価値あり。花材もいいもの使ってます。

        町人が生けたという設定のずらっと並べられる小品も、

        巧過ぎるだろと突っ込みを入れたくなる出来栄え。

         

        さらに、茶道については、三千家(表・裏・武者小路)
        協力という豪華さ。華道、茶道、日本画、狂言役者、
        歌舞伎役者と、まさにクールジャパン!

         

        市川崑監督が生きていてくれてたら、さらに映像美も
        堪能できたかも。でも、それだと野村萬斎さんの
        浮世離れしたコミカルさは排除されたかもですが…。

         

        池坊の生け花の精神

         

        朝顔のエピソードの背景に、池坊の 「一輪にて数輪に

        及ぶならば、数少なきは心深し」 という言葉がセリフに

        入っていました。

        このシンプルイズベストの考え方は、とても好きです。

         

        華道でも、デザインでも、文章でも、ついつい余計な
        ものを盛り込みたくなるし、最小限の表現で伝える
        というのは難しいもの。だから、ブログも長いし…。

         

        久しぶりに映画に行ったから、テンション上がって、
        ついつい饒舌になっているのさ♪

         

        利休の言葉

         

        長いついでに言うと、「利休百首」 は茶道のルールが

        中心ですが、一般的に応用できる言葉も含まれています。

        「その道に入らんと思う心こそ我身ながらの師匠なりけれ」

        もその一つ。
        座右の銘とまではいきませんが、制作に行き詰った時、
        この仕事を始めた頃の初心を思い出させてくれます。
        また、「利休七則」 の 「降らずとも雨の用意」 は本来、

        もてなす姿勢について言っているのですが、勝手に
        拡大解釈してリスクヘッジを考える時、つい口にする言葉。

        もちろん、梅雨の頃のお出かけ時にも(笑)。

         

        「練馬薪能」 チケット申し込みは21日まで

         

        ともあれ、久々に映画を観ることができ、満足!

        テレビで 『インディペンデンス・デー』 とか、

        『パイレーツ・オブ・カリビアン』 とか代替として

        見ても、渇望感は癒されないのです。


        秀吉への花戦さには、狂言 「棒縛」 を思わせるシーンが

        ありました。10月の 「練馬薪能」 の演目となっているので、

        抽選に当たるといいなと、映画の最中にそんな余計なことも

        考えていたのでした。

         

        次は、これまた前売り券を買った 『美女と野獣』。
        お姫様ものは苦手な私ですが、予告を観てなぜか

        チケットを購入。まさか、こんな大人気になるとは!
        ロングランのおかげで、映画館で何とか観ることが
        できそうです。ハーマイオニーを観に行かねば!

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        練馬区立 「ふるさと文化館」〜映画に魅せられた文豪・文士たち

        2017.05.03 Wednesday 04:55
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          西武池袋線・中村橋駅の取材に行った帰り道、天気も
          いいので、石神井公園駅から歩いて帰ることに。

           

          石神井公園の新緑やツツジもきれいだし、適度に風も
          吹いて心地よく、それにまあ、すぐ帰って原稿を
          書きたくない気分だし(これが本音)、途中にある
          練馬区立 「ふるさと文化館」 に寄ってきました。
          https://www.neribun.or.jp/furusato.html

           

           

          常設展の方は 「もう、大根見るのはうんざり!」 と
          いうくらい、何度もエリア情報でも取り上げているので
          食傷気味ですが、特別展がアニメ関係だったりした時は
          そちらだけ見に行っているのです。
          ほとんど、今回同様、ついでですけど…。

           

          今回の特別展は 「映画に魅せられた文豪・文士たち」。
          今年、区内で地味に盛り上げている、練馬区独立70周年
          記念事業の一環として開催されています。

           

          インディペンデンス・イヤーな練馬区

           

          「独立って何よ!?」 と思われるかもしれませんが、
          練馬区は板橋区から独立した、東京23区の中では
          最後の区なのです。独立した側なのに、板橋区より
          面積が広いのは、おそらく区北側の一帯は米軍基地
          グランドハイツだったため、居住地をベースに分割・
          独立したのではないかと。

           

          独立のいきさつはさておき、特別展ですが、トーキー
          以降のクラシックなラインナップで、「カサブランカ」
          「ローマの休日」「風と共に去りぬ」「第三の男」
          「独裁者」 といった過去の名作のポスター展示や、
          文学作品に登場する映画作品の抜粋、文士の映画評に
          ついての説明パネル、パンフ展示、映画の予告編上映など。
          週末には講演会や映画上映会も行うようです。

           

           

          ちょうど、私が行った時は、入り口横のスクリーンは
          「汚れなき悪戯」 の予告編が映し出され、マルセリーノ
          の物悲しい歌が流れていました。

           

          展示室内に展示されている作品は、昭和初期から30年代の
          ほとんど名前しか知らない作品も少なくありません
          でしたが、今と違って写真やデジタル画像ではない
          手描きの絵と文字のポスターは、それだけで “作品” と
          言える出来栄え。映画製作への情熱が伝わってくるよう
          でした。フォントでない手書き文字は味があってイイ!

           

          ポスターの横には、三島由紀夫、川端康成、谷崎潤一郎、
          林芙美子、江戸川乱歩をはじめとする、多くの作家が
          その映画をどう見たか、影響を受けたかが書かれていて、
          中でも洋画を貶している割に作品に取り上げている太宰の
          相変わらずの天の邪鬼ぶりには笑いました。

           

          一通り展示を見た後、私が特別展の展示室に入った

          時からずっとスクリーンに見いっている人たちの中に

          加わって、いくつかの作品の予告編を見ました。

          すべて、モノクロ作品の予告編です。

           

          昔の予告編は今ほど 「全米1位」 のような煽りもなく、

          淡々とその内容を紹介する流れのものが多いようでした。
          もちろん、その作品の象徴的なシーンや、見せ場は
          さらっと押さえてあり、延々観ていても飽きません。

           

          で、気づいたのが、チャップリンの 「独裁者」 は
          観ていなかったということ。観た気になってたけれど、
          いくつかの有名なシーンを、テレビなどで見て
          勘違いしていたようです。ほかにも、それなりの
          発見がいくつかありました。
          いやぁ〜、映画って本当にいいものですねぇ。

           

          【関連記事】
          ◇武蔵野うどんも楽しめる練馬区立 「ふるさと文化館」
          http://nureinmal.jugem.jp/?eid=591

          category:映画 | by:まるたん | - | - | -

          女優陣がその存在感を示す 『3月のライオン 後編』

          2017.04.29 Saturday 23:26
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            『3月のライオン 後編』 は、原作者がまだ漫画化して
            いない部分も、映画製作サイドに伝えた上で作られる
            作品ということで、原作の今後の流れがわかる内容に
            期待して観に行きました。うん、期待通り!
            http://www.3lion-movie.com/

             

            前編同様、対局の緊張感はそのままに、桐山くんが
            成長したことにより、周囲の人々との関わり合いも
            増え、その中でのさらなる進化が描かれています。
            ラストシーンも良かったですが、ラストの対極に
            向かう、山形県・立石寺(山寺)の階段を登っていく姿が
            印象に残りました。原作でも使ってほしいシーン!
            http://rissyakuji.jp/

             

            そして、後編の魅力は、やはり女優陣の活躍ですね。
            原作でもすでに描かれている、ひなちゃんの中学での
            いじめ問題、あかりさんと彼女たちを捨てた父親との
            決別、そして、香子とA級棋士・後藤との関係など、
            清原果耶さん、倉科カナさん、有村架純さんの熱演に
            引き込まれました。
            原作ではあまり好きでない香子ですが、映画では
            彼女の孤独感が際立って共感できるものとなりました。

             

            これ以上書くと、原作を読んでいる人にもネタバレに
            なるのでやめますが、川本姉妹の父が甘麻井戸という
            姓だと初めて知りました。原作にあったかな?
            私の中では、やはり原作の 「妻子捨男」 です(笑)。

             

            めずらしくプログラムも買ったのですが、その中で
            佐々木蔵之介さんが 「不躾で恐縮ですが、似ていると
            よく言って頂けます」 と書かれていましたが、やはり
            原作の島田さんに似てると思う人が多いのですね。
            っていうより、羽海野チカさんが描く人物の口元が、
            佐々木蔵之介さんに似てるんですよね。
            と、これは余談でした。

             

            【関連記事】
            ◇キャストに満足 『3月のライオン 前編』
            http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3124

            category:映画 | by:まるたん | - | - | -

            『MOON LIGHT』 は大統領への挑戦状?

            2017.04.15 Saturday 23:22
            0

              アカデミー賞(R)の中でも注目される作品賞が、
              手違いで一旦は 『LA LA LAND』 と発表された後、
              関係者が歓喜で盛り上がる中、改めて正しい受賞作品が
              発表されるという珍事が起こったのは、記憶に新しい
              ところですが、その作品賞作品 『MOON LIGHT』 を
              観てまいりました。
              http://moonlight-movie.jp/

               

              いじめられっ子だった黒人の少年・シャロンの
              幼少期を描いた 「Little」、シャロンを唯一
              いじめなかったケヴィンとのある出来事から、
              彼のその後の人生が大きく変わる青年期を描いた
              「Chiron」、その10年後にケヴィンと再開する
              「Black」 の三部作になっていて、画面が変わる際、
              時々、暗闇に点滅する青や赤の光が、観る者の
              心をざわつかせます。

               

              マイノリティワールド全開で、子供時代のいじめや
              黒人社会の貧困や差別、さらにはドラッグや裏社会
              といった、社会派なテーマを盛り込みつつも、
              メインはやはり主人公の内面と、彼が抱える月の
              光のような密やかな想い。

               

              それだけに、ラストのセリフと、その後に映し出される
              シーンがとても印象的です。

               

              ただ、私自身がアメリカの黒人社会について不勉強な
              こともあって、文化的な違いや生活習慣、社会環境が
              わからないために、「なぜ、この人物はこうした行動を
              するのか」 とか、「そもそもなぜ主人公は周囲に
              “おかま” と言われていじめられるのか、ただおとなしい
              だけの少年に見えるのだけれど、ゲイとして見られる
              要素が行動面に表れているのか」「麻薬の売人をやって
              いる人の家に普通に行って食事とかしちゃうのか」 と
              いった基本的な部分がイマイチ理解できず、流れに
              ついていけない部分もなきにしもあらず、でした。

               

              大人になったシャロンの、様変わりっぷりにはかなり
              驚かされましたが、同時に少年時代に優しくしてくれた
              麻薬の売人・フアンへの憧れというか、ヤク中の
              シングルマザーに育てられたシャロンにとっては
              フアンが父親のように思えていたのが感じられ、
              そこは多少救われる思いがありました。

               

              これを書くに当たり、フアン役の人の名をチェック
              したみたら、マハーシャラ・アリという俳優さんで
              この作品で助演男優賞を獲っていたんですね。
              これに関しては納得。少年期しか登場しないのに
              存在感ハンパなくありました。

               

              そのフアンはキューバからの移民という設定。
              貧しい黒人社会やマイノリティをテーマとした作品が
              作品賞に選ばれた背景に、某大統領に向けて送った
              ハリウッドからのメッセージのような気がしたのは
              私だけでしょうか。

               

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              category:映画 | by:まるたん | - | - | -

              パワフルなアッシュに魅了された 『SING』 字幕版

              2017.04.01 Saturday 04:13
              0

                私は、頭の中がお子ちゃまなのか、『LA LA LAND』 より
                『SING(シング)』 の方が好きかも。
                単純ですが、歌を通して、将来の夢や希望を持つことや
                家族愛、友情、勇気、困難に打ち克つ気持ちの大事さを
                楽しく伝えてくれる作品なのです。
                http://sing-movie.jp/

                 

                内容は、コアラのバスター・ムーンが子供の時に、父が
                観劇に連れて行ってくれたことをキッカケに、劇場を
                持ちたいという夢を持ち、父が洗車の仕事で汗水流して
                働いて、その夢を叶えてくれたものの、経営は火の車。

                 

                そこで、最後の手段として、なけなしの金を賞金に、
                歌唱コンテストの開催で集客を狙います。

                 

                コンテストに合格した動物たちは、子育てに疲れたり、
                親が望む道ではなく歌手になる夢を持っていたり、
                人前に出るのが苦手だったりと、それぞれに悩みを
                持っている、男女さまざまな年齢のメンバー。

                 

                それぞれ、舞台本番に向けて、踊りやピアノなど、
                不得手なことにも果敢に取り組むものの、肝心の劇場が
                倒壊する事件が勃発。賞金も告知した金額でなかった
                こともバレ、全てを失ったムーンは、父の仕事だった
                洗車の仕事をすることに。

                 

                その洗車方法が笑えるのですが、彼の父はその過酷な
                仕事をどれだけやって、息子を劇場オーナーにして
                あげたのかを考えると泣けます。

                 

                そんな、失意のムーンに手を差し伸べてくれたのは…。
                彼の心に小さな火を灯してくれたのが、ハレルヤと
                いうあたりは、アメリカらしい展開。

                 

                王道の内容で、ある程度先がわかりますが、それでも

                それぞれがしがらみを吹っ切って歌う様は見応えあります。

                 

                アッシュ役のスカーレット・ヨハンソンさんが歌う
                「Set it all free」 はパンチが効いてて、吹き替え版より
                インパクト大。ハリをぶっ飛ばしながら歌うので、
                3Dであれば、さらに迫力あったことでしょう。

                 

                『アナ雪』 の 「Let It Go」 は、英語版だと多少
                やけくそ感がある歌詞でしたが、こちらは自分らしさを
                解放するのびやかさと情熱が感じられます。

                 

                最後を飾るゾウのミーナ役のトリー・ケリーさんの
                「Don't You Worry bout a Thing」 もソウルフルで
                良かった。吹き替え版のMISIAさんの歌唱を染み入ると
                例えるなら、こちらは響くとか刺さるといった言葉が
                相応しい気がします。

                 

                他の動物たちと比べて、自己顕示欲が強く、体が小さい
                コンプレックスを大きな動物への敵対意識としていた
                ネズミのマイクが、ミーナの歌唱を聞いて、帽子を脱ぎ
                胸のところに掲げて、素直に素晴らしいと目を輝かせる
                シーンは、吹き替え版を観た時は歌の方に気を取られて
                あまり気にしていなかったのに気づきました。

                 

                アニメだからできる夢物語ですが、現実においても
                お互いを尊重できる社会になってほしいですね。

                 

                ちなみに、私が字幕版を観に行った時、隣りは親子
                連れで、小学校低学年か、幼稚園くらいの男の子
                でしたが、英語版でもそれなりに楽しんでいました。
                歌詞がわからなくても、子供でも飽きずに楽しめる
                作品となっているようです。

                 

                そして、あのレッサーパンダだか、タヌキだかは、
                (タヌキと書いてあるサイトも発見)やはり変な
                日本語を話す生物で、日本語版の英訳とは全く違う
                セリフでした。あのセリフなら殴らないで、ムーンを

                蹴ってやれば面白かったのに。と、これは余談です。

                 

                【関連記事】

                ◇王道エンターテインメント 『シング』 吹き替え版
                http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3129

                category:映画 | by:まるたん | - | - | -

                王道エンターテインメント 『シング』 吹き替え版

                2017.03.31 Friday 22:39
                0

                  実は、『LA LA LAND』 を観た翌日に、吹き替え版の
                  『SING(シング)』 は観ていたのですが、字幕版も
                  すっかり観る気になってしまったので、その後で
                  まとめてブログを書くことにしました。
                  エンターテインメント作品として王道です。
                  http://sing-movie.jp/

                   

                  あまり、洋楽を聞かない人でも耳にしたことがある
                  ナンバーも目白押し。
                  原曲ママもあれば、英語の韻を踏んでいる部分を
                  残したパターンのもの、日本語訳で歌われるもの、
                  適度なバランスも良かったです。

                   

                  主人公のコアラをはじめ、仲間となるブタ、ネズミ、
                  ゴリラ、ゾウ、ヤマアラシと、登場する動物たちも
                  子供が親しみやすくてキュートです。
                  ただ、クマがちょっと悪者扱いっぽいのは残念。
                  本当はネズミが悪いのに…。

                   

                  さまざまな問題や悩みを歌で吹き飛ばす動物たち

                   

                  自分の劇場が客入りが悪く債権者(銀行)に
                  追われ、起死回生を目指すコアラのバスター・ムーン。

                   

                   

                  25匹の子供の世話に追われ、疲れ果てた母ブタのロジータ。
                  ギャングファミリーに育ちつつも、実は歌手になりたい
                  ゴリラの青年ジョニー。
                  自分のアイデンティティに否定的な彼氏と別れ、傷心の
                  ヤマアラシのティーンエイジャー、アッシュ。
                  素晴らしい美声を持ちながら、あがり症で人前では
                  歌えないゾウのミーナ。

                   

                  そして、大きい動物にライバル心を持つ、自己チュー
                  ハツカネズミのマイク。ネズミなだけに(笑)。
                  マイクは声優王の一人、山寺宏一さんです。

                   

                  さらに、バスター・ムーンの秘書役は『ONE PIECE』では

                  海賊王の田中真弓さんという、日本語版ならではの
                  トップクラス声優の競演を楽しめるのです。

                   

                  皆さん、素晴らしい歌声を披露されていますが、
                  バスター・ムーンが演劇に魅せられるキッカケとなった
                  歌姫・ナナ役の大地真央さんと、最後までじらした上で
                  満を持して、締めの曲をのびやかに歌うMISIAさんの
                  歌声は中でも印象的でした。

                   

                  そうそう、ロジータとペアになるブタのグンターは
                  存在感抜群でした。

                   

                  さりげに、声を当てたトレンディエンジェルの斎藤さんの
                  ギャグが入っている気がしたのですが、そのせいか
                  後日、字幕版を鑑賞した際にも “グンターが斎藤さんに
                  見える” 症候群が抜けませんでした。

                   

                  きゃりーぱみゅぱみゅの歌が気になって…

                   

                  そして、字幕版を観ようと思ったキッカケのひとつは、
                  愛らしい5匹のタヌキ(だと思っていた)がきゃりーの
                  「きらきらキラー」 や 「にんじゃりばんばん」 を
                  歌っていて、言葉が通じないバスター・ムーンの誤訳に
                  怒るシーンがあったことから。

                   

                  日本語訳では、セクハラ発言のようになっていましたが、
                  字幕だとどうなのかが気になったのです。

                   

                  ちなみに、このブログを書くため、ネットでチェック
                  したら、タヌキでなくレッサーパンダでした。

                   

                  そういえば、『ドラえもん』 もアメリカ版アニメでは
                  “タヌキのよう” ではなく、“アザラシのよう” と
                  訳されていると聞いた覚えが。

                  アメリカではタヌキはスレンダーな印象だそうです。
                  日本でタヌキがコロッとした動物に思われるのは、
                  おそらく信楽焼のタヌキイメージ によるものだと
                  思われます。

                   

                  【関連記事】

                  ◇ラストは観る人の価値観に委ねられる 『LA LA LAND』
                  http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3117

                  category:映画 | by:まるたん | - | - | -

                  父の不器用な愛・母の大きな愛がしみる 『ひるね姫』

                  2017.03.28 Tuesday 23:16
                  0

                    全く観る予定はなかったのに、時間の空きが合わせて選んだ
                    映画 『ひるね姫〜知らないワタシの物語〜』。
                    近未来の冒険ファンタジーというジャンルでしょうか。
                    http://wwws.warnerbros.co.jp/hirunehime/

                     

                    舞台は、岡山県の瀬戸大橋が見える辺り。
                    2010年の東京オリンピック直前とはいえ、まったりとした
                    郊外の町らしい雰囲気の中、JK生活を送る森川心羽(ココネ)。
                    ナルコレプシーのごとく、する居眠りしてしまう少女で、
                    いつも同じ世界の夢を観てしまうのでした。

                     

                    夢の世界は、機械産業で栄える国で、夢の方が車のすごい
                    渋滞や、『進撃の巨人』 並みの鬼が町に襲い掛かるなど、
                    現実世界に比べてハード。
                    現実の瀬戸内海が背景の景色との対比が印象的です。

                     

                    夢の中では、ココネはエンシェンという名の少女の姿になり、
                    機械の国の王女でありながらも、タブレットを使って機械に
                    心を与えられる魔法使い。
                    そして、現実では自動車修理工をして、男手一つで彼女を
                    育てている父親・モモタローも、ピーチという名の若い青年
                    として登場します。
                    ピーチと言っても “姫” じゃないのが、さすが岡山県(笑)。

                     

                    いつも通りの日々を送っていたココネですが、突然、父が
                    警察に捕らえられ、ココネ自身も夢に出てくる怪しげな大臣と
                    そっくりな男が家にやってきて…そこから一気に話の流れが
                    スピーディなサスペンスタッチに。

                     

                    自分を追ってくる男たちから逃げる中で、父が捕らえられた
                    理由や解決の糸口は、東京で自動車会社の社長をしている
                    死んだ母方の祖父に会うことだと直感し、お金もないまま、
                    幼なじみのモリオと祖父のいる東京へ。

                     

                    夢と現実が交差して、次の行動へのヒントとなったり、
                    高校生の姿のままで夢の世界にいたりと、次第に夢と現実の
                    ボーダーが消えて行った時、母の愛による奇跡が起きる…
                    それが効果的に見える空間と演出でした。

                     

                    『君の名は。』 の入れ替わりにも時間軸のズレがありましたが
                    こちらも “ココネの夢” と思っていた世界にちょっとした
                    意外性も。日頃は直接話せばいいことをメールしてくる
                    無口な父親がココネに伝えていた母との思い出。

                     

                    企業秘密の争奪戦はスパイスで、メインテーマはやはり
                    家族愛なのでしょうね。
                    エンドロールと共に映し出される、ココネの父と母の
                    ラブストーリーがそれを証明していると思います。

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                    キャストに満足 『3月のライオン 前編』

                    2017.03.27 Monday 23:58
                    0

                      今年に入って、介護のことなどでいろいろあって、
                      映画を観ていなかった “リバウンド” 中です。
                      前売り券を買ってあった 『3月のライオン 前編』 を
                      観てきたついでに 『ひるね姫』 も鑑賞してきました。
                      http://www.3lion-movie.com/index.php

                       

                       

                      『3月のライオン』 については、前後編の内、
                      前編は、主人公・桐山零の家族背景と、川本家の
                      人たちの出会い、そして伸び悩む中、島田さんに負ける
                      あたりまでが前編で、ひなちゃんの学校のいじめ問題、
                      新人王の獲得で、宗谷名人戦で後半を締める…ってな
                      勝手な構成を想定していたら、前編で新人王になって
                      しまい、あわわわわ。

                       

                      このテンポでいいのかと思い、プログラムを買ったら、
                      なんと、大友啓史監督に原作の羽海野チカから今後の
                      展開が伝えられており、原作より先にこの作品の先が
                      わかってしまうというサプライズがあると書かれていました。

                       

                      なので、前編はどちらかというと桐山くんと育ててくれた
                      幸田家の人たちの関係にフィーチャーしており、後半は
                      川本家の次女・ひなちゃんの学校でのいじめ問題と
                      他に女を作って出て行った父 “妻子捨男” とのバトルが
                      展開されるようで、川本家にややシフトする模様です。

                       

                      対局自体の細かいことや、各棋士の信念や家庭問題に
                      ついてはさらっと触れて、あくまでも桐山くんの成長を
                      軸にストーリーが進んでいるので、原作を読んでいない
                      人でも見やすい作品になっています。

                       

                      原作イメージ通りのキャスティング

                       

                      たとえば、桐山くんとあかりさんの出会いも原作とは
                      違うけれど、こちらの方が自然かもと思えるくらい。

                      キャストは、プログラムの神木隆之介さんのインタビューに
                      書かれていましたが、この映画の話がある前から
                      周囲の人から桐山くんのコスプレを頼まれるほど
                      “桐山零のキャラ設定は神木隆之介モデル” と言える
                      くらいのベストマッチングなので文句なし。

                       

                      また、私としては原作を読んでいる時、島田開の斜め
                      からの顔立ちが佐々木蔵之介さんぽいと思っていたので、
                      『3月のライオン』 で一番好きなキャラだけに大満足!
                      ひとつ問題があるとすれば、髪の毛ふさふさってとこ
                      かもしれませんね(笑)。

                       

                      川野家の爺ちゃんも前田吟さんがいい味出してるし、
                      原作ではもう少しぽっちゃりな設定だけれど、ソフトな
                      優しさに満ちたあかりさん役の倉科カナさんも素敵です。
                      ちょっと役柄的にむずかしそうな香子役の有村架純さんも
                      思った以上に、香子が持つ複雑な自分でも制御しきれない
                      葛藤が出ていたように思われます。

                       

                      二海堂晴信役の染谷将太さんは特殊メイクで怪演。
                      原作にない演出もあって、あとはエリザベス(愛犬)が
                      ほしいところです。

                       

                      ただ、あくまで私の好みだと思いますが、ひなちゃんの
                      イメージはちょっと違いました。
                      それと、宗谷名人は 『聖の青春』 の東出昌大さんが
                      良かったかも。年齢不詳感も演出できるし、存在感が
                      ありそうでとらえどころがない感じがあって。

                       

                      脚本、映画らしい演出、キャストなど、原作を読んで
                      いる人でも納得できる作品だと思います。
                      原作で人気があるというひなちゃんについては、後半の
                      見せ場での演技で判断したいと思います。

                       

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