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- 2023.07.11 Tuesday
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昨日のブログで、今年の漫画作品では、『聲の形』 が
私としては一番印象的で、少年漫画ではNo.1だと
書きましたが、今日、取材途中で書店に寄ったら、
なんと宝島社の 「このマンガがすごい!」 の男子部門の
グランプリに選ばれていることを知りました。
帯にも書かれていたようなのですが、買う際にカバーを
してもらったので気づきませんでした。
(http://konomanga.jp/)
私なんぞがランキングする必要もなかったようです(笑)。
とはいえ、『このマンガがすごい!』 で選考される
作品の中には、これまでにない斬新さやインパクトで
選出されるものも多いですが、本作に関しては
「生きる」 というオーソドックスなテーマを扱って
いることから、おそらく10年後も陳腐化することなく、
残っていく作品だと思います。
読めば読むほど、ちょっとした一コマにも緻密な
伏線が張られており、読むたびに新しい発見があることや、
個々の行動基準や価値観が後半の第6巻で明かされて
いることなど、構成面もよく練られています。
また、感情表現や心理の真相表現、ストーリー展開の
つなぎの秀逸さも素晴らしいと思います。
うざい友人の顔に貼られているバツ印とか。
さらに、手話という形でコミュニケーションをとる
二人にとって、その媒体である手をつないで、過去の
仲間たちの中に、今後の葛藤もあるでしょうが、
その中にある “生きているからの可能性” が程よい
余韻として残ります。
また、耳が聞こえない世界の表現や、二人を引き合わせた
川の魚たちの不思議な力も、小学生時代に川に飛び込んでは
度胸試ししていた主人公の破天荒な行動や、ヒロインが
川の鯉に餌をやる係とだったことが、劇的な再開へと
導いています。
『このマンガがすごい!』 では、これまでにない斬新な
テーマを扱ったものが選ばれることも少なくありませんが、
『聲の形』 は 「生きる」 こと、さらには聾唖者に対する
差別問題、母子家庭、教育現場の無責任な対応、登校拒否
など、現時点の問題点を盛り込んであることもあり、
同じ講談社の 『進撃の巨人』 に比べて、インパクトや
発行部数は及ばないのかもしれませんが、長く心に残る
作品だと、改めて実感しました。
ちなみに、以前、『このマンガがすごい!』 で入賞した
『坂本ですが?』 の3巻も出ましたが、そろそろネタが
あまりに非現実的になってきているので、次巻からは
ネットカフェでさくっと読む程度にしようかなとも…。
微妙に斬新さの賞味期限が切れてきた感も。
ともかく、『聲の形』 は一度は読んでおいて損はない
作品だと思います。
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◇『聲の形』 7巻で完結、起承転結決まった!
(http://nureinmal.jugem.jp/?eid=2291)