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- 2023.07.11 Tuesday
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以前、惣領冬実さんの 『マリー・アントワネット』
について書きましたが、美大出身の作者の洗練された
画力で、ストーリーもさることながら、各コマに
描かれる見事な描写に、漫画を蔑んでいるわけでは
ありませんが、「カラー絵本で見たかった」 と
いうのが、正直な感想でした。
そして今回、同じような気持ちにさせられたのが、
白浜鴎さんの 『とんがり帽子のアトリエ』 です。
白浜鴎さんも芸大出身で、さすがの画力!
テーマは魔法使いで、街並みもちょっと中世風。
1コマ1コマ、そして魔法描写の美しいこと!
見せ場シーンはまさに一つの名画です。
1巻は今後明らかになると思われる伏線だらけ
魔法使いと普通の人 「知らざる者」 に分けられて
いる世界にあって、ある幼少期の出来事から
魔法使いに憧れを持ちつつも、普通の人は魔法使い
にはなれない世界にあって、魔法を使うことは
生まれついての運命だと諦めていた少女がある
事件を起こしたのをキッカケに、キーフリーという
魔法使いの弟子として、特例として魔法使いの
修行を始めることに。
幼少期に、一般人の彼女に魔法の道具を主人公
ココにわたした異形の者は何者なのか、魔法使いは
本当に生まれつき魔法使いなのか、「つばあり帽」 の
組織はどんな災いを起こそうとしているのか、
といった謎も散りばめられています。
さらに、魔法修行のためキーフリーのアトリエで
一緒に修行する3人の女の子たちも個性的で、
中には特別扱いされるココに反感を持つ子もいて、
次々と試練が与えられる中、基本、ノーテンキな
ココは、真っすぐにその試練にも立ち向かっていきます。
彼女の原動力は、「魔法が好き」 という思い。
作品の冒頭にある文章から考えると、特殊な才能は
生まれつきのものではなく、その後の努力による
ものだというテーマも含まれているのかな? とも
思えなくもありませんが、まだお話は始まったばかり。
魔法好きというか、現状は魔法に憧れる、やや
ミーハー的な性格のココが、結構ヘビーな状況でも
楽観的かつ前向きに成長していく様は、かわいくもあり、
時々、あまりにお気軽でイラッとする展開もなくも
ありません(笑)。
ともかく、ココの師匠であるキーフリーの所作の
優雅さと、彼が繰り出す魔法の美しさ、そして
どこか飄々としたスナフキンのような性格に
魅了されております。
『ハリーポッター』 や 『ハウルの動く城』、
ちょっと傾向は異なりますが 『魔法陣グルグル』
などの作品が好きな人には、熱烈オススメ!
ちょっと値が張っても、全ページカラーで見たい
世界なので、アニメ化してほしいなぁ。
単なる魔法少女的な色彩感ではなく、多少、
ダルトーンの色をベースにして。
実写よりもアニメの方が、原作の雰囲気をさらに
魅力的に表現できそうな作品です。
【関連記事】
◇晴勤雨読(惣領冬実作 『マリー・アントワネット』)
(http://nureinmal.jugem.jp/?eid=2937)