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- 2023.07.11 Tuesday
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仕事と、父のデイケアのあれこれで、映画鑑賞に行く
余裕が全くなくて、さすがに禁断症状が起き、徹夜で
3本の原稿を上げたというのに、憑りつかれたように
ふらふらと前売り券を持っていた 『花戦さ』 を観に
行ってまいりました。
今や京都の六角堂の所にでっかい会館のある池坊の
戦国時代の物語です。
私も一応、草月流はもはや焚き付け用にしかならない
看板を持っているので、華道には興味があります。
また、千利休を演じる佐藤浩市さんの父・三國連太郎さん
主演の映画 『利休』 を観ていたこともあって、その
解釈の違いも見てみたいなという気持ちもありました。
なぜ、当時 『利休』 を観に行ったかというと、
映画監督が草月の家元・勅使河原宏さんだったのです。
草月会館で 『ガウディ』 の映画も観たような…。
習っているとチケットを買わざるを得ない雰囲気が
ありました(笑)。14年も習ってたしね。
ちなみに、華道・草月流の創始者・勅使河原蒼風さんは
最初は池坊を学んだということで、私の華道の先生は
両方の師範資格を持っていたため、私たちも日によって
池坊風に生けたり、草月流で生けたりしていました。
池坊は暦によってもルールがあったりして難しかったです。
やっぱ、私は自由気ままに生けられる草月向き。
いつ見ても朝顔のエピソードはドラマティック
利休と秀吉のエピソードで有名な、朝顔のもてなしの
シーンは、『利休』 では山崎努さん演じる秀吉が
朝霧の中、利休の茶室に赴いたところ、全て花が
刈り取られており、茶室に一つだけぽつんと茶花と
して朝顔が生けられていたシーンが印象的でした。
『花戦さ』 では市川猿之助さん演じる傲慢な秀吉が
そのもてなしを理解せず、不貞腐れる展開に。
同作の秀吉像は、野上弥生子さんの 『秀吉と利休』 に
近い険悪ぶりで、信長の部下だった頃の人の良い
藤吉郎時代と、関白になってからの秀吉を猿之助さんが
好演されていました。
そして、主人公である池坊専好は野村萬斎さん。
『のぼうの城』 に続いて、またしても秀吉に対して
戦を仕掛ける役回りです。応仁の乱から戦が続き
疲弊しきった京の町が、秀吉によって次第に豊かさを
取り戻してきたものの、関白となって驕った秀吉が
自分の意のままにならない利休を切腹させ、利休の
四十九日を弔った町人たちまでも処刑するような
暴君へと変貌。
利休に(精神的に)助けられた経験を持つ専好は
そんな秀吉を諫めるべく戦を挑むのです。
ただし、シンプルに得意とする華道を通して。
大物から小品まで見事な作品群!
ストーリーについては、まあ、そんなところで、
とにかく、1点1点生けられる作品が素晴らしいこと!
池坊の威信をかけた作品群です。いけ花の映像を見る
だけでも、一見の価値あり。花材もいいもの使ってます。
町人が生けたという設定のずらっと並べられる小品も、
巧過ぎるだろと突っ込みを入れたくなる出来栄え。
さらに、茶道については、三千家(表・裏・武者小路)
協力という豪華さ。華道、茶道、日本画、狂言役者、
歌舞伎役者と、まさにクールジャパン!
市川崑監督が生きていてくれてたら、さらに映像美も
堪能できたかも。でも、それだと野村萬斎さんの
浮世離れしたコミカルさは排除されたかもですが…。
池坊の生け花の精神
朝顔のエピソードの背景に、池坊の 「一輪にて数輪に
及ぶならば、数少なきは心深し」 という言葉がセリフに
入っていました。
このシンプルイズベストの考え方は、とても好きです。
華道でも、デザインでも、文章でも、ついつい余計な
ものを盛り込みたくなるし、最小限の表現で伝える
というのは難しいもの。だから、ブログも長いし…。
久しぶりに映画に行ったから、テンション上がって、
ついつい饒舌になっているのさ♪
利休の言葉
長いついでに言うと、「利休百首」 は茶道のルールが
中心ですが、一般的に応用できる言葉も含まれています。
「その道に入らんと思う心こそ我身ながらの師匠なりけれ」
もその一つ。
座右の銘とまではいきませんが、制作に行き詰った時、
この仕事を始めた頃の初心を思い出させてくれます。
また、「利休七則」 の 「降らずとも雨の用意」 は本来、
もてなす姿勢について言っているのですが、勝手に
拡大解釈してリスクヘッジを考える時、つい口にする言葉。
もちろん、梅雨の頃のお出かけ時にも(笑)。
「練馬薪能」 チケット申し込みは21日まで
ともあれ、久々に映画を観ることができ、満足!
テレビで 『インディペンデンス・デー』 とか、
『パイレーツ・オブ・カリビアン』 とか代替として
見ても、渇望感は癒されないのです。
秀吉への花戦さには、狂言 「棒縛」 を思わせるシーンが
ありました。10月の 「練馬薪能」 の演目となっているので、
抽選に当たるといいなと、映画の最中にそんな余計なことも
考えていたのでした。
次は、これまた前売り券を買った 『美女と野獣』。
お姫様ものは苦手な私ですが、予告を観てなぜか
チケットを購入。まさか、こんな大人気になるとは!
ロングランのおかげで、映画館で何とか観ることが
できそうです。ハーマイオニーを観に行かねば!