『想像ラジオ』 という “想い” のカタチ

2014.02.18 Tuesday 23:17
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    不勉強で、これまでいとうせいこうさんの名前は知って
    いたものの、作品を読んだことはありませんでした。
    今回は 『想像ラジオ』 を読んでみることに。
    http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309021720/)

    実はまたしても装丁に惹かれたことも購入した一因です。
    地(本の下)は淡い薄紫で、中央くらいまでライトグリーンの
    グラデーションがかかっていて、そこに魚とりの網の
    ような素材でできた電波塔がひとつ…。
    どこへ向かうかわからない白い鳥が、そんな電波塔を
    多数横切っています。

    これだけ本を読んでいるので、意外と装丁に惹かれて
    買った本、いわばジャケ買いに近いのですが、いい本は
    装丁もいいというパターンが多い気がします。

    この作品は良さを紹介しようとするとネタバレになり、
    感動が半減するので、ネタバレしない程度に。
    「あの部分が良かった」 と書きたいのをこらえる
    この辛さ!

    とにかく、第1章から劇的です。
    雪の中、木の上から発信される、DJアークさんの
    想像ラジオ。「なぜそんなところから?」
    「どういうしくみで?」 という疑問を感じつつも
    軽やかで明るい語り口調についつい引き込まれ、
    第1章の最後で、驚きの事実が発覚し、この話は
    どこへ向かうのか、先が知りたくなります。

    DJなので、さまざまな曲が紹介されるのですが、
    知らない曲もあって、話題に合った選曲だろうなと
    思いつつも、わからないままでも読み手の “想像” を
    掻き立ててくれます。

    ラストの方で、先に 「皆さんが頭の中の片隅で今
    鳴っている曲」をかけたというくだりがあるので、
    細かいことにはこだわらず、DJアークと共に “想像”
    という “想い” で、時間を共有するスタイルで
    いいのかもしれません。

    一番の課題となっていた “壁” を、多くの声の応援で
    妻子の声を聞くことができたDJアークが受信できた
    喜びも共有できます。それはとてもとても切ないものですが。

    最後にDJアークが、ある人のリクエストで紹介する
    『リデンプション・ソング』  にも救われます。
    随所に登場するジングル「想ー像ーラジオー」 の余韻が
    深く深くしみわたる作品です。

    できれば、冬の今、読んだ方が、DJアークの声が
    ダイレクトに聞こえてくるかもしれません。
    category:書籍 | by:まるたん | - | - | -

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