「第2回太宰サミット〜荻窪の碧雲荘を残せるか〜」 前編

2015.09.14 Monday 23:53
0
    「杉並公会堂」 で行われた 「第2回太宰サミット
    〜荻窪の碧雲荘を残せるか〜」 に行ってきました。



    18時開場、18時30分開演。早めに着いたので、着席せず
    ホールの周りをぶらついて、碧雲荘保存のための署名を
    したり、「碧雲荘」 についてのメディア記事の掲示を
    見たり、青森の 「斜陽館」 グッズなどを物色していました。


    (「斜陽館」 の臨時売店。「津軽」クリアフォルダー完売)

    すると、18時20分には大ホール1階が満席となったので、
    これから着席する人は2階席へというアナウンスが流れ、
    私は必然的に2階席ということに。



    こんなに盛況だとは。思った以上に若い人もいて意外でした。

    「富嶽百景」 作品朗読

    18時半ちょうどにシンポジウムがスタートし、開会の挨拶に
    続いて、原きよさんによる 「富嶽百景」 の朗読がありました。
    今回、問題となっている 「碧雲荘」 から見た富士山についての
    記述が含まれている部分でした。



    てっきり、本を持って読み上げるのかと思ったら、本は持たず
    一人芝居のセリフを語るようなドラマチックなスタイル。
    抑揚のある語りに、背景スクリーンの色彩が内容とともに
    変わったり、内容に合わせてところどころ、渡辺秋香さんの
    ピアノ演奏をBGMとして入れるなど、ステージならではの形で
    太宰作品を表現していました。

    碧雲荘の文学的魅力

    続いて、東京大学文学部の安藤宏教授による 「碧雲荘の
    文学的魅力」 では、太宰が上京し三鷹に移り住む前の
    昭和5年からの8年間を、4つの期に分け、その内、
    第2・第4期に当たる荻窪時代について語られました。

    太宰がそのペンネームで本格的に執筆活動に入ったのが
    天沼時代の昭和8年であることや、第2期には、初期の
    佳作と言える 「晩年」 、第4期には 「人間失格」 の
    原型とされる短編 「HUMAN LOST」 が執筆されるなど、
    研究者にとっても太宰の荻窪時代を語るには欠かせない
    「碧雲荘」 は、保存してほしいという流れでした。
    パンフに年表が載っていてわかりやすかったです。


    (碧雲荘関連記事の掲示)

    碧雲荘の建築的魅力

    建築史家の松本裕介氏が、大正時代から各大学近くに
    多数点在していた下宿について、下宿にもランクがあることや
    営業下宿と素人下宿の違い、営業下宿を営むための条件など、
    これまで明治時代からの数々小説を読んでいつつも、とくに
    深く考えたことのなかった “下宿の概論” が語られました。
    同時にそういった下宿は都内で数少なく、碧雲荘のように
    窓がサッシになった以外、昭和の原型を色濃く留めている
    物件は、都内にほとんどないという事実も。

    実際に、同じ中央線沿いの阿佐ヶ谷や吉祥寺にあるという
    下宿がモニターに映されましたが、碧雲荘に比べると、
    かなり手が入っているのがわかりました。
    当時は、下宿は “風呂なし” が基本条件だったそうですが、
    銭湯もどんどん閉店しているし、“風呂なし” のまま
    経営するのは厳しいと思われます。
    その点、太宰が住んでいた当時はなかったものの、碧雲荘の
    近くには銭湯があるため、今の姿が残されたとのこと。



    続いて、碧雲荘の外観や何点かの室内写真が映し出され、
    これまで未踏の地だった碧雲荘内部の様子を見ることが
    できました。これだけでも来た甲斐あったという感じ。
    茶室などに使用する一文字瓦や天井の造りをはじめ、
    モザイクタイル、ステンドグラスなど、さらには各部屋に
    床の間が付いているなど、碧雲荘は当時の下宿としては
    高級なランクに属する建物だそうです。

    また、1階と2階の平面図も映し出され、太宰が昭和11年から
    住んでいた部屋は、東南にある中でも広めの部屋であることや、
    トイレはふたつあり、「富嶽百景」 に描かれた情景描写は
    そのどちらかで生まれたこと、ただ窓がかなり高い位置にあり
    どうやって見たのかという謎(?)などの説明がありました。
    「富嶽百景」 朗読を聞いた後だけに、文章と建物が頭の中で
    スムーズに融合していきました。
    朗読を聞いて、結構、内容を忘れてたのが発覚したし(笑)。

    ということで、数少ない歴史的な木造建築として、現在の
    所有者である杉並区に、文化財としての保護は難しいとしても
    移築または部分保存してほしいといった希望で、松本氏の
    講演は終了。

    何度も笑いが巻き起こった 「私の中の太宰治」

    19時55分から20時10分までは休憩。本来は19時30分から休憩
    の予定でしたが、おそらく松本氏の説明がやや長めだった
    ためかと思われました。

    20時10分からは、第153回芥川賞受賞作家として又吉直樹氏の
    講演となり、会場内は講演前半になかった笑いのさざ波が
    何度も起こりました。詳しくは明日のブログにて。

    なんせ、急に明日の遠方取材が入った上、講演中は当然の
    ことながら撮影・録音禁止だったので、暗い中で書いた
    メモが判読不能状態。記憶の方が多少は確かなようです。

    【関連記事】
    ◇9月14日の 「太宰サミット」 には又吉直樹氏も参加!
    http://nureinmal.jugem.jp/?eid=2557
    ◇ワンフロアだけど奥が深い 「太宰治文学サロン」
    http://nureinmal.jugem.jp/?eid=2555
    category:軽茶 | by:まるたん | - | - | -

    スポンサーサイト

    2017.12.16 Saturday 23:53
    0
      category:- | by:スポンサードリンク | - | - | -

      PR
      Calender
           12
      3456789
      10111213141516
      17181920212223
      24252627282930
      31      
      << December 2017 >>
      人気ブログランキング
      人気ブログランキングへ
      Selected entry
      Category
      Archives
      Recommend
      Link
      Profile
      Search
      Others
      Mobile
      qrcode
      Powered
      無料ブログ作成サービス JUGEM