「第2回太宰サミット〜荻窪の碧雲荘を残せるか〜」 後編

2015.09.15 Tuesday 02:09
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    又吉直樹さんは 「私の中の太宰治」 というテーマで、
    彼の子供の頃の思い出や、文学に興味を持つに至った
    流れなど、ユーモアを交えて語ったこともあって、
    幾度も場内は笑いに包まれました。
    さすが、お笑い芸人との二束の草鞋!



    もともと、吉祥寺の古い下宿に住んでいた経験も
    あり、古い下宿ならではの “夏の暑さと冬の寒さ”
    といった、昔だったら当たり前でありながらも、
    現代のマンションでは感じられない、生活の中に
    四季を感じる魅力についても、彼なりの視点で
    語られました。

    壁や天井など、防音についてもあまり配慮されない
    時代の建物だけに、それによって感じられる
    隣の人や上に住まう人とのコミュニケーション(?)
    も面白おかしく語られ、場内爆笑!

    これまでの住まい選びにも、できるだけ古い建物を
    選び、実際に「碧雲荘」 の外観も見に行ったそうです。



    また、太宰作品についても触れ、「人間失格」 の主人公に
    自分自身が道化を演じた過去とシンクロするところがある点や、
    その他にも、作品の中に描かれているシチュエーションに
    遭遇することもあって、彼にとっては “予言書” のような
    存在であることも。

    そのひと言があったことから、又吉さんの講演後にあった
    日本ペンクラブ常務理事・松本郁子さんには、「体を大事に
    して長生きしてください」 と突っ込まれていました(笑)。

    そのほか、一般の人から 「遠回しな表現」 と言われる
    純文学は、それぞれの人が持つ多様性やアンビバレンツな
    側面を “断言” の形では表現できないといった内容を、
    これまた笑いを交え、一般の人にもわかりやすく解説。
    作者と読者の距離感が純文学の面白さでもあると語って
    いました。また、太宰作品にある、読者をけむに巻く
    “仕掛け” はお笑いに通じるものがあるとも。

    あまり、お笑い関係の番組を見ないので、テレビなどでの
    ピースのステージは見たことがありませんが、おそらく
    その距離感のズレや仕掛けなどを、笑いに昇華して
    いるスタイルなのかなと思われました。

    コンビ名が 「ピース」 となった経緯も笑いの中で

    太宰や文学論から外れますが、もともと辞書好きだった
    又吉氏は、言霊の持つ力も信じており、コンビ名も
    辞書を開いて指を置いたところの言葉を選んだとのこと。

    前のコンビ名は 「線香花火」 といって、辞書を見たら
    「パッと燃え、すぐに消える例え」 のようなことが
    書いてあり、もともと本人はおそらく芥川のヴィー的な
    印象で縁起が悪いイメージはなかったのですが、結局
    「線香花火」 が解散となり、今回は 「ピース」 に
    なったという、息抜きエピソードも披露。

    ちなみに、「ピース」 にする前、辞書で指差してしまった
    言葉は、「スカベンジャー(うじむし)」 だったので
    さすがにそれはノーカウントとしたそうです。
    会場前には、太宰の本だけでなく、又吉さんの「火花」も
    販売されていました。

    対談「それぞれの太宰」
    又吉さんの講演の後は、作家・松本郁子さんとの対談で、
    まあどちらかというと松本郁子さんがメインで話を
    進め、又吉さんは主にあいづち担当でした。

    ただ、その場で、推薦者が2名いないと加入できない
    日本ペンクラブの常務理事である松本郁子さんと
    会長の浅田次郎さんの推薦で、又吉さんも晴れて、
    日本ペンクラブ会員となりました。
    まあ、まだ手続きはあるでしょうが…。

    今後の活動
    最後に 「荻窪の歴史文化を育てる会」 の副会長である
    峯岸誠さんから、現在署名が4000件以上集まっているものの
    「碧雲荘」 撤去の中止は厳しい状態であることや、それでも
    中学2年生の教科書は全社 「走れメロス」 が掲載されており、
    これからの若者たちにも太宰作品は親しまれ続け、その上でも
    「碧雲荘」 は保存することで、杉並区の観光資源として活用して
    いけるのではないかという想いが語られ、シンポジウム終了
    となりました。

    うむ! 「碧雲荘」 解体はやはり反対。
    そんなことしたら、太宰ファンは激怒するぞ!
    「激怒」 という言葉を知ったのも、あの作品だったと
    思い出しました。今は編集部に激怒しっぱなしです(笑)。

    シンポジウムが終了し、館内にアナウンスが流れました。
    入場チケット番号で、サイン入り 「火花」 が参加者10名に
    プレゼントされるというものです。
    「スクラップ・アンド・ビルド」 の方を買ってしまった
    私としては、タダでGETできれば嬉しいと思いましたが、
    残念ながらハズレでした。



    とはいえ、イベント取材で培ったずーずーしさを活かし、
    しっかり、サイン本の写真を撮らせてもらった私です。



    【関連記事】
    ◇「第2回太宰サミット〜荻窪の碧雲荘を残せるか〜」 前編
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    ◇9月14日の 「太宰サミット」 には又吉直樹氏も参加!
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    ◇ワンフロアだけど奥が深い 「太宰治文学サロン」
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