パラパラ映画のように心に映し出される 『小暮写眞館』

2017.01.09 Monday 20:42
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    『火車』『模倣犯』 など、宮部みゆきさんの小説は、
    これまでも文庫化されるとひっそり読んでいました。
    ストーリー展開の緩急や、微妙な読後感の悪さが
    クセになる作品群だと思います。

     

    気のせいか、読んでる最中は先が気になるものの
    高揚感はないのに、時間が経つと再読したくなる
    時限爆弾的な “毒のある” 小説なのかもしれません。

     

    ところが、最近文庫化された 『小暮写眞館(I・II)』
    (新潮文庫)は、謎解きはあるものの、陰惨な事件と
    呼べるものはないものの、写っているはずのないモノが
    写っている写真の謎を追っていくことで、その背景に
    ある人間ドラマが明らかとなり、どこか温かみのある作品。

     

    1月・2月で2冊ずつ、全4巻発売されるようです。
    1巻は、写真の謎解き以前に、主人公・英一の家族関係や
    友人、彼らが写真館に住むことになった経緯など、
    小出しに紹介されていき、その設定カードを1枚1枚
    めくっていくだけで、十分にスリリング(笑)。

     

    「なぜ、この家族は花菱家なのに小暮写真館なの?」
    「英一という名前なのに、なぜ親は “花ちゃん” と
    呼んでいるの?」 といった小さな謎が解消していく
    面白さがあるので、読みやすさもGOODです。

     

    そして、写っているはずのないモノの調査については、
    あえて科学的な考察をスルーして、ソレが写り込んだ
    背景や人間関係のみにフィーチャーしていて、むやみに
    スピリチュアルな方向にいかないのも、これまで
    ありそうでなかった作品かもしれません。
    そのため、ヒューマンミステリーらしい作品として
    仕上がっており、最近読んだ宮部作品の中では好きかも?

    まだ、全4巻の内、2巻しか読んでいませんが…。

     

    英一のユニークな家族やそれぞれに個性的な友人、
    怪しげな行動をとる不動産屋の従業員・垣内女史や
    英一の死んでしまった妹・風子、写真館の店先に
    出るという元店主・小暮氏の謎が、2月刊行予定の
    3・4巻で解明されるのか楽しみです。

     

    3巻が 「カモメの名前」、4巻が 「線路の春」 と
    いうタイトルになっているので、内容は全く想像が
    つきませんが、少なくとも読後感は良い作品では
    ないかと思われます。

     

    といっても、東野圭吾さんの作品でも 『白夜行』、
    宮部みゆきさんの作品なら 『火車』 が好きなので、
    私にとって読後感が悪い作品、イコール嫌いな作品
    ではないんですけどね(笑)。

    category:書籍 | by:まるたん | - | - | -

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    2017.10.22 Sunday 20:42
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