読後感のカタルシスが心地よい 『また、同じ夢を見ていた』

2017.01.29 Sunday 05:13
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    2016年の年間ベストセラーとなった 『君の膵臓をたべたい』
    の住野よるさんの作品 『また、同じ夢を見ていた』(双葉社刊)
    を就寝前に少しずつ読み進めていました。

     

    読んでいる間の3分の2は、とにかく眠くなってしまう
    流れなのですが、読み終わると思わずもう一度最初から
    読まなければと焦らせてくれる作品でした。

     

    主人公は、小柳奈ノ花というかなりこまっしゃくれた小学生。
    自分は “賢いので”、周りの同級生たちがバカだったり、
    意気地なしに見えて、距離を置いているため、学校に友達は
    いないものの、放課後は自分の歌に合わせて鳴く猫と一緒に
    “賢い” お姉さん・アバズレさんとオセロをしたり話したり、
    美味しいお菓子を用意して待っていてくれるおばあちゃんの
    家に行ったりして、本人は友達がいない寂しさを感じずに
    生きています。

     

    口ぐせは子供のくせに 「人生とは〇〇のようなものね」 で、
    謎かけのようなオチはそれなりに面白いのですが、彼女の
    考え方や態度はあまり共感できない感じでした。

     

    学校生活では、唯一、本の話で友達や、絵が上手だけれど
    いくじなしな桐生くん、奈ノ花から見るといい人だけれど
    的外れなことをいうひとみ先生などが登場し、国語の授業で
    「幸せとは?」 という課題が出され、それをアバズレさんや
    おばあちゃん、そして第3の人にたずね、奈ノ花なりの
    考察を深めていく展開…寝る前に読むには程よい作品。

     

    第3の登場人物は、アバズレさんもおばあちゃんも不在で
    仕方なく日頃行かない廃墟で出会った女子高生・南さん。
    リストカットしようとしている南さんは、文章が上手
    ですが、口が悪く、奈ノ花のことも 「ガキ」 と呼ぶほど。

     

    その南さんが彼女の名を呼び、南さんが考える幸せの定義を
    教えてもらった後、ある不思議な出来事が起こります。
    この辺りからようやく本気で読む気になってくる感じ。

     

    一方で、学校生活では、隣の席の桐生くんが、父親が
    起こした事件でいじめにあい不登校に。
    そこから、奈ノ花の中に変化が起き始め、今度はまた
    アバズレさんにも不思議な出来事が…。

     

    ラストの方で奈ノ花に吹きつけた強い風で、そこまで
    何となく感じていた不思議が、一気に革新につながって
    読後感は意外と爽快。
    同時に、「また、同じ夢を見ていた」 というセリフの
    意味もわかり、大きなカタルシスに包まれる作品です。

    category:書籍 | by:まるたん | - | - | -

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    2017.05.23 Tuesday 05:13
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