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    • 2023.07.11 Tuesday
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    白神山地は季節に合ったコース選びが大事!

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      自分で今まで書いたブログを見てみると、
      何だかとてもインドアなタイプに見えるなあと感じました。
      実は学生時代はずっと体育会系のクラブに所属し、
      就職してからもカンフーは多い時は週に3回、インストラクターの
      コースにまで通ったり、ラケットボールのクラブに入ったり、
      会社のテニスコートで暴れたりと運動ばかりしていました。

      その後も奥多摩や武蔵五日市方面の低い山を片っ端から
      登って、滝の写真をコレクションしていたほど。
      いつからこんなにヒッキーになってしまったのかと考えたら、
      デザイナーやアートディレクターの頃は意外とアウトドア派
      だったのが、ライターになって日頃取材などで出かけるように
      なってからは、土日インドア派となり、現在に至っているようです。
      今は取材の量も減っているので、最近では意識的に外を歩くように
      心がけています。

      屋久島リピーターの私ですが、同じく世界自然遺産として
      登録された白神山地も3回に分けていっています。

      白神山地は、青森県南西部から秋田県北西部にまたがる
      6万5000ヘクタールに及ぶ広大な山地帯なので、
      さまざまな散策コースがあって、1度ではなかなか全てを
      歩き切ることは難しいと思います。

      インターネットで白神山地を検索したら、ドメイン名に
      「白神山地」 となっているサイトは、南側の藤里方面から
      行くと決まっている場合には便利です。
      http://www.shirakami-sanchi.com

      ただ、白神山地の全体像を見た上で、行きたいコースを
      検討したいのであれば、下記のサイトがわかりやすいと思います。
      http://apti.net.pref.aomori.jp/sirakami/index.html
      http://www.capa.ne.jp/a-bank/sirakami/index.html

      私が行ったのは、3つのコースで、訪れた季節も違ったためか、
      同じ自然林とはいえ、それぞれ印象が異なりました。

      1番大変だったけれど、思い出深いのは 「西目屋方面」 からの
      アプローチ。 「暗門の滝」 と暗門遊歩道を歩くコースです。
      「暗門の滝」 は3つあって、付近一帯は峻険な岸壁に囲まれ、
      ブナ・松などの老樹が生い茂り、神秘的な雰囲気。
      ただし、こちらは日頃ちょっとウォーキングをしているとか、
      「山と渓谷社」 の地図が手放せないとか、登山用軍手を持っている
      といった人向き。所要時間約2時間の山登りコースです。
      それだけに3つの滝を制覇した時は大きな満足が得られます。
      私は真夏に行きましたが、初夏がベストシーズンだと思います。

      次に良かったのは、秋に訪れた 「深浦方面」 からのアプローチ。
      十二湖を散策するコースで、こちらはそれほど勾配がありません。
      ブナやヒバの原生林に囲まれた大小33の湖沼が点在する十二湖。
      「青池」 の幻想的な透明感と倒木、そして湖面の落ち葉は
      忘れられません。
      原生林が黄葉して、光が差し込むと黄金に輝く様も感動的です。
      世界自然遺産に登録されるような場所は、屋久島もそうでしたが、
      無神論者でも神様がいるような気持ちにさせてくれる地のパワーが
      あるような気がします。
      また、ネットで知りましたが、十二湖はシャネルの香水の水と
      同じ成分の湧き水が出ているそうです。

      私が行った時はちょうどお祭りをしていて、町中の車を使って
      観光客をピストン輸送していました。
      歩くコースによって、90分から3時間の所要時間でまわれます。

      ちょっと交通の便は悪いですが、五能線も面白い走り方を
      する鉄道なので、鉄道の旅としても楽しめます。
      この時はさらに 「不老不死温泉」 に泊まりましたが、
      海岸に突き出た露天風呂から、海の向こうに沈む夕日を
      眺めるのも一興です。食事も値段以上の満足感がありました。

      そして、最後は 「鰺ヶ沢町」 からの 「ミニ白神遊歩道」。
      約3キロメートルの白神山地内ブナの原生林を散策する遊歩道で、
      「ミニ」 とはいえ、世界遺産登録地域から20キロメートルほどの
      白神山中に位置しているため、52ヘクタールの広大なエリアは
      人の手が加えられておらず、樹齢300年を越えるブナ原生林が
      茂っていて、新緑のシーズン、森は柔らかい緑色の光に包まれます。
      屋久島のような森の静寂感を撮影したい方にはおススメです。

      海岸線にはイカの生干し店が連なっています。
      現在は 『イカ焼き通り』 と呼ばれ、鰺ヶ沢の夏の風物詩
      「イカの生干しのカーテン」 として観光名物の一つと
      なっているようです。
      私が行ったのは夏ではなかったのですが、生干し店はやって
      いたので、車を降りて買い込み、タクシーの中にイカの匂いを
      充満させつつ、みんなで(タクシーの運転手さんも)食べました。

      また、鰺ヶ沢には 『安東水軍』 『白神のしずく』 といった
      地酒も多く、手に入りにくい名酒もあるとか。
      私も 『安東水軍』 だけは現地で飲んできました。

      このように、白神山地はさまざまな表情を持っているので、
      自分自身がその季節を一番感じられると思うコースを選ぶのが、
      白神を満喫するポイントだと思います。


      後手番が勝ち越した今こそ、将棋入門の好機!

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        初任給で買った物――。
        私はマイ・チェス盤を買いました。

        映画でも『ハリーポッター秘密の部屋』でロンが
        チェス盤の魔法に対抗するシーンや、
        『相棒〜劇場版〜』の右京さんのチェス盤での
        推理もドキドキしつつ観ていました。

        ただ、どちらかというとチェスよりも将棋の方が好き。
        将棋盤はすでに自宅にあったので、自分ではチェス盤を
        買ったとも言えます。

        そのため、現在進行中の名人戦も密かに注目。
        「先手が有利」 と言われてきた将棋界において、
        それぞれ後手番が勝って、2勝2敗と勝負が拮抗して
        いるので、目が離せません。

        将棋に全く興味がないという方でも、『ハチクロ』 の
        羽海野チカさんの 『3月のライオン』(白泉社刊)を
        読むと、将棋のことがわかりやすく説明してあって、
        さらに二階堂くんという超魅力的なキャラクターも
        いるので、将棋を見るのも面白くなるかも。
        『ハチクロ』 の森田さんファンだった方であれば、
        きっと二階堂くんにはハマります。

        また、先崎八段が将棋監修をされているので、
        状況説明のさりげないコマもきちんと棋譜が描き込まれて
        いるので、将棋ファンにとっても楽しめる作品です。

        ちょうど今、将棋の世界では新しい時代が訪れているので、
        興味を持つには格好の時期。
        それというのも、名人戦同様、2008年度の公式戦は
        2340局中1176勝1164敗と、後手番が勝ち越したのです!
        日本将棋連盟が1967年度に統計を取り始めて以来、
        初めてのケースだそうです。

        私のようにヘボ将棋レベルの素人考えでは、先手の方が
        主導権を握りやすく、自分が得意とするパターンに
        持っていきやすい気がしますが、さすがそこはプロ!
        囲碁のように 「コミ」 が与えられる訳でもないのに、
        後手でも積極的に戦える「1手損角換り」をはじめ、
        「横歩取り△8五飛戦法」や「4手目△3三角戦法」での
        振り飛車など、多彩な新戦法を次々と編み出し、
        ついには後手番の勝ち越しという偉業を成し遂げたのです。
        昨年の12月30日にYahoo!でもトピックとして 「後手勝ち越し」 が
        取り上げられていて、その時から興奮持続中です。

        今後はまたその戦法に対する研究で、先手番の巻き返しが
        予想されますが、それはそれでとても楽しみ。
        だからこそ、将棋を知るならエキサイティングな今が好機なのです。

        そんな将棋の世界ですが、何手も手先まで理論的に考える
        「左脳的」 な作業のようでいて、プロ棋士と呼ばれる人たちは
        意外と 「右脳的」 な作業をしているそうです。
        それは、盤上を頭の中でイメージ化して対局しているためだとか。
        そういえば、『3月のライオン』 の1巻でもスミス先輩が
        「ビックリして頭の中の駒が散らばっちゃう」 と言っています。

        暗算の達人と言われる人が、頭の中にソロバンをイメージして
        計算したり、アインシュタインも新しい理論を脳内で立体化して
        考えていたといいますから、大事なのは左脳と右脳のバランス。
        “理論の左脳” と “イメージ力の右脳” の円滑な連携と
        それを維持する人並み外れた集中力が、さまざまな分野の
        天才を生み出しているわけです。

        私の大好きな二階堂くんも将棋初心者のために絵本まで
        描いてしまう絵心もあって、確かに右脳も発達していそう。
        リアルでの名人戦もさることながら、二階堂くんの今後も
        とても楽しみです。


        神秘のシルエットに魅了される阿修羅の360度鑑賞

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          上野の東京国立博物館で行われている 『国宝・阿修羅展』 の
          入場者数が5月27日で70万人を突破したそうです。
          その日ちょうど、私も母と鑑賞してきました。
          といっても、実はお墓参りがメイン。
          母の兄が昨年亡くなり、お彼岸の時期に母の体調がすぐれず
          寝込んでいたので、遅ればせながら不忍池から2分の場所に
          ある寺にお参りに行って来たのです。

          入場まで40分待ちでちょっとクラクラしていましたが、
          見終わった時は90分待ちになっていたので、ビックリです。

          奈良・興福寺が保有する国宝、八部衆と十大弟子像のうち、
          11体が現在は展示されています。
          http://www.kohfukuji.com/
          ちょっと早目に3体は興福寺に帰ってしまっていて、
          その中に 『聖☆おにいさん』 の3巻でもフィーチャー
          されたラーフラくん(仏陀の息子)も入っていたのは残念。
          それでも、1500円は惜しくないと思える素晴らしい
          展示物ばかりで十分に満足できるものでした。

          阿修羅像をグルッと一周見ることができるのですが、
          あの6本の手と3つの顔が見る方向によって
          違って見えるのがとても神秘的。
          これまで左右に付いている顔は人面相程度に思って
          いたのですが、正面から向かって左はちょっとやんちゃ系、
          向って右は真後ろから見た時、実に端正な横顔なんです。
          周りからのライティングで浮かび上がるシルエットも
          周囲の見学者の押し合いへし合いを忘れさせるほどの
          オーラを発していました。

          私は、どちらかというと十大弟子より阿修羅を含む
          八部衆に興味がありました。
          八部衆とは、インドで古くから信じられてきた
          異教の神を“仏教ナイズ”したもの。
          インドやバリ島で見たビシュヌ神が乗る鳥・ガルーダが、
          仏教では迦楼羅(かるら)となって海を渡り、
          日本の天狗にもつながっていると何かで読んだ覚えがあります。

          ただ、今回の興福寺の八部衆は、迦楼羅は迦楼羅だったのですが、
          普通のとちょっと名称が違うものもありました。

          通常は 「天」 に相当する神が 「五部浄(ごぶじょう)」。
          象をかぶっていて、これは頭部と手しか残っていないようです。
          「龍」 に相当する神は興福寺の八部衆では 「沙羯羅(さから)」。
          蛇をかぶっていますが、顔はあどけなさが残る美少年タイプでした。
          「夜叉」に相当する神 「鳩槃荼(くばんだ)」 は、
          一足早く、ラーフラくんと寺に帰ってました。
          また、通常は 「摩ご羅伽(まごらか)」に相当する神で、
          大蛇を神格化したと言われる「畢婆迦羅(ひばから)」も
          早帰りチームでした。

          獅子の冠をかぶる 「乾闥婆(けんだつば)」 は、
          紅顔の美少年といった風情。
          頭上に1本の角を持ち、額には第3の目がある
          「緊那羅(きんなら)」 はちょっと楽天のマーくんの
          ような顔立ちでした。

          それぞれ真後ろにはまわれないものの、側面から立ち姿を
          眺めることもでき、かなり近くに寄って衣装の柄まで
          じっくりと見られて良かったです。

          家に帰って、『国宝・阿修羅展』 関連のサイトを見てみました。
          http://www.ashura-fanclub.jp/
          まあ、本当なら先に見てから行けよという感じなのですが、
          復習ということで…。

          そこで、一つ雑学知識を発見!
          阿修羅が、あの 『マツダ自動車』 に関係あるという情報です。
          概要はこうでした。

          阿修羅は、梵語のアスラ(Asura)の音写で、
          「生命(asu)を与える(ra)者」「非(a)天(sura)」とも
          解釈されるそうです。
          ペルシャなどでは大地に恵みを与える太陽神として信仰されました。
          古代メソポタミア地方一帯を治めたアッシリアは、
          「アッシュールの国」「阿修羅の国」 という意味。
          「アッシュール」 とは、ゾロアスター教の最高神であり、太陽神である
          「アフラ・マツダー(ahura mazda)」 のことを指すものでした。
          ところが、それがインドに渡ったら、熱さを招き大地を干上がらせる
          暴れん坊の戦闘神となってしまいました。
          しかし、仏教に取り入れられてからは、お釈迦様を守護神となり、
          また “良い神様” としての復活を果たしたのです。

          そして、『マツダ自動車』 の社名ですが、創業者の松田重次郎氏に
          由来しているものの、綴りが 「MATSUDA」 ではなく 「MAZDA」 という
          表記なのは、光の神 「アフラ・マツダー」 に由来しているそうです。

          疑り深い私はさっそく 『マツダ自動車』 のオフィシャルサイトで
          真偽のほどを確認。裏をとる癖は、職業病と言えるかもしれません。
          そうしたところ、確かに 「マツダのビジョン」 というページの
          片隅に、裏付けデータを発見しました。
          http://www.mazda.co.jp/corporate/profile/vision/index.html

          「社名 『マツダ』 は、西アジアでの人類文明発祥とともに誕生した神、
          アフラ・マズダーに由来する。
          この叡智・理性・調和の神アフラ・マズダーを、
          東西文明の源泉的シンボルかつ自動車文明の始原的シンボルとして捉え、
          また世界平和を希求し自動車産業の光明となることを願ってつけられた」

          なるほど!
          『国宝・阿修羅展』 が終わっても、マツダ自動車提供の番組を
          見るたびに阿修羅を思い出しそうです。


          アジアパワーが席巻する名作洋画ラインナップ!

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            2009年の5月は見応えのある映画が目白押しのシーズンでした。
            5月後半からスタートした 『天使と悪魔』 はちょっと
            置いておくにしても、ゴールデンウィークシーズンに
            公開された作品の数々は、最近でも高水準にあったと思います。

            「あんたは“月1ゴロー”かい!?」 と言われそうですが、
            私のベスト3は 『レッドクリフII』『スラムドッグ・ミリオネア』
            『グラントリノ』 といったところ。
            『グラントリノ』 のクリント・イーストウッドは別としても、
            ほとんどの登場人物が “西洋人系”ではないことも
            現在の洋画の特徴を如実に表している気がします。

            くまころりん第3位は『レッドクリフII』でした。
            「赤壁」 の見せ場である諸葛亮の10万本の矢を確保する秘策や、
            東南の風を呼ぶ 「借東風」 など、お待ちかねのシーンもあり、
            『三国志』 ファンの私にとっては外せない作品です。
            「借東風」 についてはもっと陰陽師風にしてほしかったですが、
            個人的な趣味の問題だと思うので、あれでよしとしましょう。

            Part1では紹介程度に終わっていた、曹操と兵士たちのつながりや、
            孫権のプライドなど、新たな一面も描かれていますし、
            孫権の妹・尚香や周瑜の妻・小喬といった女性にも
            それぞれスポットを当て、見せ場を持たせている所が好印象。
            その分、前回同様、劉備軍の各将軍が“戦場でのヒーローぶり”に
            特化していて良かったと思います。

            また、Part1の“おとぼけ兵士3人組”に続いて(今回も出ていましたが)、
            Part2でも、尚香が曹操軍に潜入した際に友達になる孫叔材が、
            この作品を単なる英雄譚だけに止まらせない厚みとなり、
            コンサートで言えば、指揮者と奏者の全体を見わたせるような
            壮大さが観客にも感じられ、細部までにこだわりを持って
            この作品をつくったジョン・ウー監督の情熱が伝わってきました。

            それと、周瑜が諸葛亮を恨んで死ぬ後日談などには
            触れていないのも、この場はハッピーエンドということで
            良かったのだと思います。
            個人的には、Part2でも趙雲と白龍号をもうちょっと出して
            ほしかったかな…。

            くまころりん第2位は 『スラムドッグ$ミリオネア』。
            パンフレットのセンスはNo.1なんですが、作品としてはNo.2。
            通常だったらその月の“No.1作品”だろうなと思います。
            最初は製作の予算的にインドなのかと思っていましたが、
            ストーリーを考えたら確かにインドでなくては現実味がない
            作品になってしまいますね。

            貧困の中も、ひたすらにラティカを思い、正しい道を歩もうとする
            弟・ジャマールと、状況に流され道を踏み外した兄・サリーム。
            そんな中、ジャマールが国民的な関心を集めることになった
            『クイズ$ミリオネア』 の出場。
            1問1問の回答には重なる思い出から、2人のこれまでと
            インドの貧困を描いていく手法はさすがでした。
            アカデミー賞の脚本、製作、撮影、編集がそれぞれ受賞したのは、
            単なる目新しさからではないと、十分に納得できる作品です。

            『クイズ$ミリオネア』 のMCが、ジャマールの運命に対する
            障壁ともなり、みのさんのニヤニヤ笑いの 「ファイナルアンサー?」
            とは比べ物にならない緊迫感が漂う回答シーン。
            放映中以外でのトイレでの駆け引きにも息をのみます。

            残り一問まで辿りついたジャマールに、お互いに思いを
            寄せているラティカを託すため、自らの命を張る兄。
            サリームの人生の中でも、ジャマールが栄光に包まれる瞬間こそが、
            サリーム自身にとっても自分を誇れる最高の時となるのです。

            この作品では、兄が闇、弟が光というのではなく、
            短距離走型の兄、長距離走型の弟の話でもあると思います。
            閃きや決断力が速い兄がいてくれたからこそ、ジャマールは
            目を潰されることがなかったし、ママンから逃げ出すことも
            できました。サリームのお風呂場での立てこもりも然りです。

            後半、ジャマールがサリームにかけるライフラインの一つ
            「テレフォン」 のシーンは、インドならではの喧騒の中、
            サリームの携帯電話をもらったラティカが時間ギリギリで
            電話に出るシーンは泣けると同時に大きなカタルシスを
            感じられる瞬間です。

            ただ一点、インド映画へのオマージュとしてわかるのですが、
            最後のインドっぽい群舞は良かったのかどうか。
            踊っている時のジャマールとラティカ像が、そこまでの
            ストーリーイメージとちょっと変わってしまう気もしました。

            そして、くまころりん第1位は 『グラントリノ』 です!
            「俳優としても、監督としても、クリント・イーストウッドの最高傑作」 と
            何かのメディアに謳っているのを見て、「またいつもの全米No.1表記か」
            程度に思っていたのですが、今はその意見に1票入れたい私です。

            ムカつく主人公ウォルト・コワルスキーは妻を亡くし、
            その葬式にも自分の家族を睨み、苦虫を噛んだような
            表情で、家族への口のきき方も頑固で依怙地で偏屈。
            最初の10分の段階で 「パンフレットはいらないな」 と
            思ったほど、神父も含め、出てくる人物全てが
            ムカつく人間に見えました。あれこそがウォルトの視点であり、
            その後のストーリーで、モン族の家族と親しくなっていく内に、
            自然に周囲の人々に対する見え方が観客も変わってくるのです。

            フォード最盛期の 『グラントリノ』 を自ら組み立てた経験を
            持つウォルトに対して、日本車のセールスマンの息子よりも、
            心が通い合うようになった隣の家の少年タオ。
            最初は悪い仲間に脅されて、ウォルトの人生そのものである
            『グラントリノ』 を盗みに入ったことが出会いとなります。
            そのおわびにと労働でつぐなうタオの姿に、自分の息子たちに
            なかった真摯さを見出し、一人暮らしでは食べられない
            美味しい食事にも魅かれて、次第に隣人の家にも顔を出す
            ような関係になっていくあたりはホームドラマ調で、
            頑固じいさんウォルトのセリフもムカつく対象ではなく、
            笑うためのセリフに変わっていきます。

            ストーリー、シーン、すべてが計算されており、
            最終シーンはピタッとはまって、完璧な作品。
            また、この作品は人種ごとの差別用語がおてんこもりですが、
            逆に、アジア人などのマイノリティに対するイーストウッドの
            温かい視線が感じられました。
            これは、『硫黄島からの手紙』 でも感じられたことです。

            いろいろな人種が入り混じるアメリカにあって、
            古き良き時代の“白人アメリカ人男性像”を貫こうとした
            ウォルト・コワルスキーの生き様は深い感動を呼びます。
            「暴力には暴力を」 ではない方法で、自分自身のトラウマと
            なっている朝鮮戦争での殺戮の経験を超えるために
            彼がとった行動、判断を観客が知った時に、画面に映される
            ウォルターが両手を広げているシーンは、まさに人間の罪を
            一身に背負ったキリストを思わせました。

            女性ボクサーを育てる 『ミリオンダラーベイビー』 も良かったですが、
            マイノリティの少年を男として育て上げる 『グラントリノ』 は最高。

            死んだ奥さんからコワルスキーの懺悔を頼まれたという
            牧師さんとの会話も、最初はうるさいセールスマンの
            ような気分で聞いていましたが、2人の信頼が深まるにつれ、
            字幕に出なくても「ミスター・コワルスキー」「ファーザー」と
            呼び合えるような結びつきにも心が温まりました。
            コワルスキーの家に来て、ジン・トニックではなく、
            一緒にビールを飲むシーンは大好きです。

            本当は 『グラントリノ』 の後、もう1本映画を観ようと
            計画していたのですが、すぐに次の映画を観ようという
            気持ちになれなくなってしまったほど、いい映画でした。
            全部が良過ぎて、どこがいいと言えない映画です。
            これまで観た『L.A.コンフィデンシャル』や『ショーシャンクの空の下に』
            くらいの感動が、鼻にまで来て眼鏡ふきで拭いてしまったほどです。

            あとは、ジャッキー・チェンの 『新宿インシデント』 は
            観てみたいですね。
            以上、くまころりん“ベスト3”発表を終わります。


            「烏森神社の参道」 という穴場に佇む名店発掘!

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              今日、2件の打ち合わせが入っていたので、
              できるだけ余裕のあるスケジュールで時間設定を
              しておいたところ、1件目が異様に早く済んでしまい、
              新橋で1時間以上の時間が余ってしまいました。

              そこで、クライアント先から新橋駅へ戻る途中にある
              「烏森神社」 に立ち寄ることに。
              これまで何度も出向いているクライアントですが、
              「烏森神社」 は路地の奥まった所にあることもあって
              スルーしていたのです。

              まずは 「烏森神社」 に参拝しました。
              http://plaza.rakuten.co.jp/karasumorijinja/
              ご祭神は、倉稲魂命(うがのみたまのみこと)、
              瓊々杵尊(ににぎのみこと)、そして天照大神が
              雨の岩戸に閉じ籠った時に、岩戸の前で裸踊りをしたと
              言われている天鈿女命(あめのうづめのみこと)です。

              そんな天鈿女命に因んで、芸事の上達にもご利益がある
              ということだったので、芸事とは言えないかもしれませんが、
              「もう少し文章がうまくなりますように」 と祈願しました。
              参道というより、私道といった感じの道沿いにある社務所でも
              御神楽などで使う鈴を模した 「幸運の鈴守」 が売られていました。

              また、「心願導きの白羽」 という置き物もあり、
              それは平安時代、東国で平将門が乱を起こした時に、
              俵藤太が武州のある稲荷に戦勝を祈願したところ、
              白狐がやってきて白羽の矢を与えてくれて、その矢のおかげで
              乱を鎮めることができたことが由来だそうです。

              さらに、乱を鎮めることができたお礼をしようとしたところ、
              夢に白狐が現われて、神烏の群がる所が霊地だと告げられ、
              夢の通りに烏が群がっていたのが、現在の 「烏森神社」の
              場所だったということです。
              そのため、お守りの多くはアニメチックな烏のキャラクターが
              描かれていました。

              いろいろユニークなお守りがあるものの、穴八幡が
              信頼優先順位1位の私としては、これ以上、お守りが
              増えるのもどうかと思い、500円で 「心願色みくじ」 を
              やってみることにしました。

              まずは、ピンクだったら恋愛、ブルーなら学業・仕事、
              グリーンなら健康、イエローなら金運といった分類が
              あるので、色を決めて申告します。
              もちろん私は、金運・商売繁盛のイエローです。
              それから通常通り、おみくじを引きます。
              そうすると、ご宣託と願い事を書くための「願い札」 と
              「願い玉」 という根付のような物がもらえます。
              「願い札」 を書く小さな部屋があるので、そこへ行って、
              それぞれ選んだ色のペンで願い事を書き、自分の選んだ
              色用の紐に 「願い札」 を結び付けて完了です。
              普通のおみくじより、ちょっと楽しかったかも ♪♪♪

              それでも、ゆっくり由来など読んだり、願い事をじっくり
              考えたりしたのに、経過したのは約15分程度。
              この後どうやって時間を潰そうと考えている時、
              参道の 『甘味処 色ごよみ』 に 「へぎそば」 のランチ発見!、
              布海苔をつなぎで使った 「へぎそば」 は大好きなので、
              一も二もなく、早めの昼食をとることに。
              http://plaza.rakuten.co.jp/irogoyomi/

              テーブルにはメニューに加え、「6月の運勢」 まで
              置いてあるので、お茶を飲みながらそれを読んでいる内に
              へぎそば、お豆腐とワカメのサラダ、つみれ汁が出てきました。
              さらに食事の後はミニ甘味まで。寒天も女性向けにハート型。
              これで600円と、リーズナブルな価格にも満足です。
              関西風のあったかい 「へぎそば」 のランチもあり、
              上記のメニューにちらし寿司を付けても900円とのこと。

              「へぎそば」 を作っているのは新潟出身の奥様だそうなので、
              味は名店のそれと遜色なし。量も普通のざる一枚より多め。
              ただし、1日何食かの限定だそうです。
              とはいえ、飲食店取材ではなかったので、何食かを確認
              してないのはご愛敬ってことに。ご主人が長野県出身というのは
              聞いたんですけど、関係ないですね…。

              「烏森神社」 の参道にあるだけに、ちょっとメインの道から
              入った場所なので、いい穴場を見つけてラッキー!
              その時は、「烏森神社」 の清め塩を使って作ったという
              「清め塩アイス」 を食べてみたいと思っています。
              ピンクソルトとかのアイスはこれまでにも食べたけれど、
              清め塩っていうのもなかなかシブい!

              そのためにも、新橋のクライアントさんには6月も仕事を
              もらわなくてはと、決意を新たにしました。
              そして、打合せの時間は11時に設定しようと目論んでいます。


              細胞単位にまで滲み亘る “ホーミー” の歌声

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                以前から本を読んで覚えておきたい情報は、
                こまめにノートにまとめていたのですが、
                時に「出典は何?」というメモもあり、
                ネットが確認することがあります。

                コスモテラピーに行ってから、音楽療法に興味を持ち、
                ノートをチェックしたら、出典のわからない情報を発見しました。
                それは 「うつ状態の音楽処方」 というもの。

                ◇ リスト 「ハンガリー狂詩曲第2番」
                ◇ ミロー 「謝肉祭」
                ◇ モーツアルト 「劇場支配人」
                ◇ オッフェンバック 「トロイのヘレン」
                ◇ プロコフィエフ 「シシリア組曲」
                ◇ プッチーニ 「妖精の女王」
                ◇ ロッシーニ 「ウィリアム・テル」序曲

                ネットで調べてみたら、「ポドルスキーの音楽処方」 の
                一部だということがわかりました。
                「体感音響研究所」 のサイトには 「うつ状態」 だけでなく、
                「不安神経症」「神経衰弱状態」 などの音楽処方も一覧で
                掲載してあります。
                http://www.bodysonic.cc/bodysonic/podolsky.htm

                このサイトを見たおかげで、憂鬱感を解消して、
                気分を高揚させたり、モチベーションを上げたいからといって、
                むやみに元気な曲を聴けばいいのではないと知りました。
                いきなり明るい曲を聴くのはかえって良くないとも!
                まずはその時の気分や精神テンポに合った音楽を聴いて、
                段階的に明るく元気な曲を選曲する方が良いようです。

                また、ボディソニックのリラクゼーション効果や、
                「1/ f ゆらぎ」 についての対談も興味深く読みました。

                我が家には 「1/fゆらぎ」 関係のリラクゼーション用CDとして、
                打ち寄せる波の繰り返しや川の流れなどの自然音、そして
                クラシック音楽、オルゴールミュージックといろいろありますが、
                私が一番癒されるのが “ホーミー”。 ハマってます。
                “ホーミー” は 「岩山を吹き抜ける風の音」 をマネたことが起源という、
                モンゴルの伝統的な発声法で、2音以上を同時に発声する不思議な唱法。
                なぜ 「岩山を吹き抜ける風の音」 をマネる必要があったかも知りたい
                ところですが、それはさておき…。

                『モンゴルのホーミー/ガンボルド、ヤヴガーン』というCDを
                聴いていると、先日コスモテラピーで体感した細胞単位の
                振動が感じられるのです。

                今回、ブログを書く際に、周辺情報を調べたら、
                ホーミーの音声には人間の耳には聞こえない20kHz以上の
                高調波成分が含まれているので、聴く人の脳波をα波に
                誘導する効果があるとのこと。
                ただ、私からすると、ホーミーの振動(波動)は聴覚だけでなく、
                言葉にはしにくいのですが、触覚的な共鳴の感覚もあるのです。
                うーん、モンゴル…、相撲も強いし、奥が深い…。

                それにしても、色として認識される “光の波長” で
                人間に見えない紫外線などは、発癌性があると言って
                嫌われるのに、“空気の振動” である音については、
                聞こえない高調波が人の体に良い作用を与えるとは。
                人間が見えない世界にもいろいろあるものですね。


                懐かしの 「丸ポスト」 くんが観光大使

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                  先日、都庁での用事を済ませ、さあ帰ろうかと思った時、
                  1階のホール内に東京の各エリアガイドのパンフが
                  たくさんあるコーナーを発見しました。
                  最近、エリアサイトの原稿制作も多いことから、
                  吸い寄せられるようにそのコーナーへ。
                  いくつか役立つ情報も見つけ、さらにはちょっと面白い
                  “街興し” を見つけました。

                  それは、小平市産業振興課が発行している「小平市丸ポストMAP」
                  というもので、都内の自治体としては第1位の31本の丸ポストを
                  保有している小平市内のポストを巡るための地図です。
                  いくつかのコースがあり、そのコース上にある公園や神社、
                  資料館、美術館なども紹介してあります。

                  私は、都庁でMAPをGETしましたが、小平市役所や市内公共施設、
                  各出張所、公民館、図書館、地域センター、ルネこだいら、
                  小平ふるさと村といった所で、現物を手に入れることができます。
                  また、小平市のホームページにアクセスして右上にある検索キーワードに
                  「丸ポストマップ」 と入力すると、PDF形式のMAPがダウンロードできる
                  ページに飛ぶことができます。
                  http://www.city.kodaira.tokyo.jp/index.html

                  また、小平市のサイトには 「みて歩き小平」 といったコンテンツもあり、
                  野火止用水、玉川上水、狭山境緑道の3つの水の道を結ぶ散歩道である
                  「グリーンロード」 なども紹介しています。
                  約21キロメートルという「グリーンロード」一周コースは、
                  私も以前歩いたことがあって、東京郊外ののんびりさを満喫できるけど、
                  ちゃんとほしい場所にはコンビニや自動販売機がある便利さもあるので、
                  山里のハイキングに比べて、手ぶらで気楽に行くことができます。
                  もちろん、財布はお忘れなく。

                  旧跡を大切に保存することも大事ですが、地域にある身近な公共物、
                  しかも現役で活躍中の丸ポストを “街歩き” の目印として、
                  新たな付加価値をプラスすることで、後の時代に残していく――。
                  こんなエコな “街興し” を考え出した小平市に拍手です。
                  丸ポストのある景色って、たとえ隣りがコンビニでも駐車場でも
                  何となく周囲にレトロな雰囲気で包んでしまう感じ。
                  思わず写真に撮って、残しておきたくなるような哀愁もあります。

                  それに、背景によってそれぞれの表情が違って見えるのも不思議です。
                  私が 「小平市丸ポストMAP」 を見て、一番会いたいのは
                  花小金井6丁目の光が丘通り商店会にある 「丸ポスト」 くん。
                  電柱と自販機に挟まれて小さくなっている姿がたまりません。

                  「丸ポスト」 の正式名称は、郵便差出箱1号(丸型)だそうですが、
                  1本1本のポストに名前を付けて、スタンプラリーなんかすれば
                  面白そうだし、それぞれのポストにもっと愛着が湧くかもしれません。


                  『MR.BRAIN』に出てくるネズミは「アルジャーノン」?

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                    映画 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 を観た際に、
                    『アルジャーノンに花束を』 を重なる気がするなあと
                    思っていたら、映画プログラムにも椎名誠さんが同じ感想を
                    述べていらっしゃって、我が意を得たりという感じでした。

                    『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス著)は、私にとって
                    「自分の部屋が一畳間になっても残したい本」 の内の一冊です。
                    早川書房の翻訳版もいいですが、講談社ルビー・ブックスの
                    ルビ訳はおススメ。
                    私のように英和辞書がないと原書が読めない人間にとっては、
                    難しい単語には説明が付いているし、知能が低い頃の
                    チャーリィが書いた 「経過報告書」 のスペリングのミスも
                    ルビとして補足してくれているので、原書の雰囲気を楽しみつつ
                    辞書を引かなくていいという優れモノです。

                    悲しいことにスペルミスの方がローマ字表記のように
                    なっているので、私にとって理解しやすかったのが、
                    ちょっと悲しかったですが…。

                    また、『アルジャーノンに花束を』 を原作につくられた
                    アメリカ映画 『まごころを君に』 はテレビで観ましたが、
                    1968年当時としては、斬新な映像やカット割だったのだろうなと
                    推測できるものの、あまり好きにはなれませんでした。

                    そして、ユースケさん主演で放映されたフジテレビのドラマは、
                    設定もラストも大きく変更されていましたが、結構気に入って、
                    ビデオまで全巻買ってしまったほど。
                    原作を読んでいて辛くなる、後半の知能が退化していく過程を
                    ハルくん(チャーリー)の足元というか、歩き方だけで表現し、
                    数秒で済ませた手法には感心しました。

                    『MR.BRAIN』を観ていて、脳手術、ネズミ(アルジャーノン?)、
                    最初の犯人がユースケさんという辺りに最終回への暗示かと
                    勝手に勘ぐってみました。まあ、こちらはTBSなんですけど。
                    『MR.BRAIN』の後半、同時に観ていた『ザ・クイズショウ』の
                    「嘘をつくと、人は左上を見る習性」というのがカブっていたのは、
                    『ザ・クイズショウ』 第5話に対するTBS 『ゴッドハンド輝』 の
                    返礼とも思えない“微妙さ”がスパイシーでした。

                    こうして考えてみると、『ザ・クイズショウ』の
                    MC・KAMIYAMAも記憶の一部が欠落しているようですし、
                    私が興味を引くものって何だか「頭がヘン」という設定物が
                    多いような気がしなくもありません。

                    「自分の部屋が一畳間になっても残したい本」 の内の他2冊は、
                    新保裕一さんの 『奇跡の人』(角川書店)と、
                    東野圭吾さんの 『変身』(講談社刊)があります。

                    新保裕一作品としては印刷業界丸わかりの『奪取』が
                    一番好きですが、『奇跡の人』 もそれなりの良さがあって
                    BOOKOFFに売ることができません。

                    代表作 『ホワイトアウト』 のような派手な立ち回りもなく、
                    交通事故にあって、脳死か植物状態と判定されながらも、記憶は失ったもの、
                    8年間のリハビリによって退院まで漕ぎ着けた主人公が退院して、
                    物語の後半は、壮絶な自分探しの旅となります。

                    過去を調べる中で、昔の恋人である聡子の夫を殴り倒し、
                    聡子を強姦しそうになったり、町のチンピラと喧嘩では相手を半殺しにするなど、
                    聡子への想いと凶暴性に歯止めがかけられない状態に。

                    最後は、自分の中の自分が復活することで、火事に巻き込まれた子供を
                    助け出すも、それが元で再び植物人間になってしまうのです。
                    聡子は克己の母親になる決心をし、実の母親と同様の看護をすると
                    宣言するところでこの話は終わります。

                    東野圭吾さんの 『変身』 も、画家を目指し、恋人を愛していた主人公が、
                    手術後徐々に性格、食べ物の好みや、画風、性格そのものが、
                    変貌して行くのを感じるようになり、ドナーの正体を探し始めます。
                    そこから得れれる情報は心の平穏とはほど遠いものでした。
                    とことん追い詰められた主人公は銃を取り、自らの頭にロックします。
                    微笑みながら。もう二度と脳手術はしてくれるなと言い残して…。

                    どちらも名作で、私としては 『変身』 のほうが救いがあるかな
                    という気がします。

                    そんなヘビーな2作で、ちょっとメゲテしまった方におススメするのは
                    『恐怖の猿少女』 (古賀新一著、ひばり書房刊) です。

                    父親は脳医学の実験として、孤児院で引き取ってきた少女「まゆみ」 に
                    猿の脳を移植し、まゆみもそれを知ってしまいます。
                    とはいえ、猿の脳を移植したはずなのに、まゆみの人間としての記憶や
                    思考力は失われていかず、むしろ体毛が濃くなったり、顔が猿になっていく
                    変化の恐怖を煽るようなストーリー展開。
                    それでも当時はまゆみが段々変化していく過程が単純なだけに
                    感情移入しやすく、恐怖を感じたものです。
                    もう絶版かもしれませんが、荒唐無稽なホラーを楽しみたい方には
                    おススメの漫画。12歳以上であれば笑えます。

                    や〜あ、ホントに脳って楽しいですね。


                    脳科学へのアプローチが楽しみな 『MR.BRAIN』

                    0

                      木村拓哉さんの『MR.BRAIN』が何と土曜日20時から始まるそうで、
                      土曜日は『ザ・クイズショウ』も観てしまっているため、
                      時間を拘束されるのに気が重いのですが、脳科学は異常なくらい
                      好きな分野なので、きっと観てしまう気がします。

                      綾瀬はるかさんや、水嶋ヒロさんといった旬の人がレギュラーだし、
                      私的にはちょっと好きな香川照之さんや平泉成さんも出演されると
                      あっては観ないわけにもいきません。
                      ユースケさんもゲストで出るようだし。

                      とにかく、脳科学にはとても興味があります。
                      視覚認知、聴覚認知などの感覚入力の処理に関するもの、
                      記憶、学習、予測、思考、言語、問題解決など高次認知機能、
                      情動に関する研究など、まだまだ未踏の分野でもあり、
                      どんどん新発見があるエキサイティングな分野です。

                      『脳を鍛える大人のDSトレーニング』でも有名な
                      川島隆太先生の研究室サイトも時々見ています。
                      http://www.fbi.idac.tohoku.ac.jp/fbi/index.html
                      とくに「研究内容」が興味深く、中でも「脳機能開発研究」は
                      すでにボケが進行気味の私にとっても気になる研究内容です。
                      「急いで解明してくださーい!」と無意味な念も送っています。

                      また、以前読んだ本では『海馬』(新潮文庫)は、
                      東大の准教授である池谷裕二さんと糸井重里さんの対談集で、
                      とくに脳科学の基礎知識がなくてもわかりやすい内容です。
                      池谷裕二さんのオフィシャルサイトも「海馬の基礎知識」
                      というコンテンツがあり、めっこりと説明がされています。
                      息抜きには、コスタリカの大自然で撮影したデジカメ写真が
                      アップされている「癒しの壁紙」を見るのもまた一興です。
                      http://www.gaya.jp/

                      『海馬』を読んで、目からウロコだったのは「脳は疲れない」
                      ということ。確かに寝ている時も、全ての器官に命令を
                      下し続けている働き者。
                      人が「頭が疲れた」と感じるのは、それは目の疲れや
                      同じ姿勢を取り続けたことによる疲れだというのです。
                      でも、脳は大量のエネルギーを必要として、摂取する
                      エネルギーの4分の1を使ってしまう浪費家とも聞いたことがあり、
                      一時期「ブドウ糖」の粉を舐めていた時もありました。

                      この本で参考になったのは、脳の老化防止には、脳を楽させないのが
                      大事だということです。
                      そのため、「生きることに慣れてはいけない」 という言葉も、
                      これは毎日を大切に生きるためにも大事な考え方だと思い、
                      私の中の短期記憶(RAMみたいなもの)から、遠隔記憶用の
                      アーカイブに保存しました。

                      また、海馬を損傷することによって起きる「前向性健忘」にも
                      興味があって、関連の映画も観ています。
                      一本は『博士の愛した数式』。
                      80分間しか記憶が保てない数学者とそこに通う家政婦さんの
                      心温まる話。数学者の心につねに存在するある秘密を知る
                      シーンでは涙を誘います。

                      そしてもう一本はガイ・ピアース主演の『メメント』。
                      こちらは、何と記憶を保てるのが10分間という短さ。
                      妻を強姦・殺人し、それを止めようとした自分を
                      こんな体にした犯人を突き止めるために、調べたことを
                      残そうと、重要なことは自分の体に刺青として彫り込んで
                      いく姿は悲壮感が漂います。
                      ストーリーは、ある男を打つシーンから始まり、
                      時を遡って、場面場面がフラッシュバックのように挿入されるため、
                      観ている方も、主人公の「記憶がない」という状況と意識を共有できる
                      脚本、編集で、映画表現のテクニックとしても優れた作品です。
                      後味は良くないものの、驚きのラストシーンが用意されています。

                      さて、『MR.BRAIN』の木村拓哉さんですが、10年くらい前、
                      私は「JRA」や「JCB」の広告を担当していて、その際に
                      木村さんのポジ画像がスキャンされたデータで悪戦苦闘していました。
                      結構、当時も日焼けされていたので、ともすれば顔色が悪い写真に
                      なってしまうため、日焼け感は残し、印刷業で言うところの
                      「健康色」を出すための画像加工は苦労しました。
                      そんなことだけは、未だにバッチリと“記憶”しております。


                      結構しぶとい“ヘタレ” キャラ

                      0

                        5月に入ってから、1本も本格的オファーがなく、
                        気を紛らすにも限界あるぞっていう状態です。
                        営業活動および案件の打診にもちょっと疲れて、
                        今日はぐったりとヘタレ気分を満喫することに…。

                        そんな日は、TV放映の際には物議を醸したことでも
                        記憶に新しい『ヘタリア』(日丸屋秀和著、幻冬舎刊)が最適。
                        『ヘタリア』は「ヘタレ」な「イタリア」を表す合成語のようです。
                        “国擬人化歴史コメディ漫画” という難しげな冠が
                        付いていますが、各国の国民性をわかりやすく
                        デフォルメした作品で、BL系読者にもそれなりの満足感が
                        得られるという、どちらにしてもマニア向け漫画。

                        昔の「イタリア」は2投身の「チビタリア」と
                        国の歴史はキャラクターの年齢として表されています。
                        旧ソ連のお国事情はこの漫画のおかげで興味を
                        持つようになりました。
                        リヒテンシュタインとイギリス国家のメロディーが
                        一緒なんて全く知りませんでした。
                        http://www.gentosha-comics.net/hetalia/

                        私は「ドイツ〜ドイツ〜」と強面のドイツになつきまくる
                        イタリアくんも可愛いのですが、どちらかというと、
                        チビアメリカがあどけなく笑いながら「くたばれ、イギリス!」
                        とか言ってたり、猛牛をぶん投げてしまう天真爛漫さが好き。
                        もちろん、漫画のなか限定ですが…。

                        書籍化のベースとなったサイトの方はさらにマニアックで、
                        リンクの2chも楽しく読み逃げさせていただいてます。
                        http://www.geocities.jp/himaruya/hetaria/

                        イタリアくんの特技は白旗をつくることだそうですが、
                        そんな『ヘタリア』を読んでいたら、以前話題になった
                        『やわらか戦車』 は今どうしているんだろうと気になり、
                        さっそく 『やわらか戦車』 の近況をネットで検索。
                        「やわらか戦車退却司令室」 はしぶとく生きていました。
                        http://anime.livedoor.com/yawaraka/

                        『やわらか戦車』 は饅頭を連想される丸みをおびた「戦わない車」。
                        前方に大きいけどうつろな目があって、左右には「退却」のための
                        キャタピラが付いています。
                        素材は何でできているのか謎ですが、触ったところから腐る材質。
                        そのくせに死なないし、繁殖力まであるのです。
                        すでに、ネトアニで2009年3月には20話まで公開されているとか。
                        うーん、弱虫なのにやたら生命力がありそうなところは、
                        「ヘタリア」 との共通性を感じます。

                        さらに、ヘタレな生き物が主役となっている作品として、
                        『弱虫』&『弱虫日記』 (穂月想多著、秋田書店刊)があります。
                        すぐ死にかける身も心も弱い「弱虫」は、虫とはいっても
                        饅頭にちょっと尻尾が生えた白いおたまじゃくしのようなキャラ。
                        少しの寒さや衝撃、そして精神的なショックを受けるだけで
                        あの世からお迎えが来てしまうくらい弱い虫です。
                        それでも、「弱虫は踏みとどまった」 というナレーションと共に、
                        何とか命を永らえています。
                        飼い主である大学生の山田花丸さんは、もう一匹虫を飼っていて、
                        そちらは身も心も強い強虫(つよむし)。
                        強いけれどジャイアン的ではなく、ナイスガイ(?)です。

                        この漫画のファンはほとんどいないと思ったのですが、
                        ネットで検索したら800件以上ヒットして、小さな幸せを
                        感じてしまいました。

                        そして、しんがりは、日光江戸村の「ニャンまげくん」。
                        先日行った取材先のオフィスで、大きいの1体と小さいの40体くらいが
                        置いてあったのでうかがったところ、その席の方が大ファンで、
                        少しずつ増殖していて、その数になったとか。
                        「仕事するスペースは?」 とも思わないでもありませんでしたが、
                        同時に、「ニャンまげくん」 に対する懐かしさも感じました。
                        取材から帰り、日光江戸村のサイトを見たら、TOPページに何と
                        「みうらじゅん、ニャンまげを語る!」 の文字が踊り、
                        クリックしてみたら、全6章にわたる超大作が。熱かったです!
                        www.edowonderland.net/home.html

                        この「ニャンまげくん」 も基本の性格は、慌てず、騒がず、
                        媚びず、悩まず、あくまでもマイペース。
                        村内をのらりくらりと歩き回り、日なたがあれば、さぼって一休み。
                        雨の日は濡れたくないから、室内で過ごし、冬は寒いので、
                        ぬくぬくと過ごすのがモットーという、これまたヘタレキャラ。
                        とはいっても、「ニャンまげに飛びつこう!」 のキャッチフレーズ通りに
                        飛びついてくる人も多いそうで、中に入っている人はバリバリの
                        体育会系だとか。ラガーマンでしょうか?

                        こうして見てみると、結構しぶとく生き残っているヘタレキャラたち。
                        今の時代、「ヘタレに、細く、長く」 も賢い処世術かもしれません。
                        私も少し見習う必要がありそうです。


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