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    • 2023.07.11 Tuesday
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    『さまよう刃』 はぜひ原作を読んでから

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      現在、新刊の 『新参者』(東野圭吾著、講談社刊) を
      1日に読むページ数を決めて少しずつ読み進めています。
      速読もできますが、こういう本はあえてチマチマ読むのが
      私流の楽しみ方なのです。
      しかも、今回から加賀恭一郎が日本橋(正くは日本橋人形町) に
      赴任したようで、私が証券会社で勤務したうちの6年間を過ごした
      エリアなのでちょっと懐かしい気分で読んでいます。

      そして、もちろん現在公開されている 『さまよう刃』 もすでに
      観てまいりました。実は 『私の中のあなた』 などよりも先に
      観ていたのですが、邦画の話題が続いていたのでペンディングに
      しておりました。

      東野作品の映像化に思う

      その上で思ったのが、東野作品は意外性やトリックに面白さがある
      ガリレオシリーズや天下一大五郎シリーズのような作品は映画としても
      エンターテインメント性が高く、その醍醐味を遺憾なく発揮できますが、
      『白夜行』『手紙』 のように内面心理をを描いた作品は、まず書籍で
      読んで、映画監督や俳優さんによってどのように表現されるか、
      その表現者としての技を観た方が2倍楽しめると思います。

      映像化してまあ良かったのは映画 『レイクサイド』『秘密』 と
      NHKで放映した『悪意』『トキオ』 かなあと思っています。
      TBSの『流星の絆』 が次点というところでしょうか。
      それぞれ 『レイクサイド』 は主人公の生さぬ仲の子が原作と違って
      女の子だったり、『悪意』 は加賀恭一郎が全く出てこず、刑事が
      間寛平さんと岩崎ひろみさんだったりとやや不満はありましたが、
      それぞれ著作権の二次利用としては秀逸だった気がします。
      『トキオ』 はお父さんの若い頃役の国分太一さんのダメダメぶりや
      トキオ役の櫻井翔さんの気配りするけれど、言う時はズバッと言う
      キャラクターが、それぞれ爽やかでほぼ毎回見ていました。

      原作にあって、映画にないもの

      で、本題に入る前からさまよっている私ですが 『さまよう刃』 は
      とにかく寺尾聰さん、素晴らしい!
      『亡国のイージス』 では息子を失って道を踏み外す父親でしたが、
      今度は一人娘が未成年のグループに蹂躙されて殺されることで
      それまでの穏やかな日々が一変します。
      それだけに娘からのいつも通りの電話を取って、お鍋を準備して
      待っている姿を見ているだけで、その後の修羅の道を考えると
      思わず涙が出そうでした。

      映画全体のつくりとしては、長野方面へ逃げた娘を殺した犯人を
      寺尾聰さん演じる長峰が先に見つけ出すか、警察が阻止するか、
      そのサスペンス的な要素で観客を引き付ける作戦のようです。
      これはこれでエンターテインメントとして観ることもできます。

      また、原作では主題となっている 「未成年である犯人に対する
      刑罰の軽さ」 については、長峰が警察に送りつけた手紙と、
      竹之内豊演じる若い刑事・織部と伊東四郎さん演じるベテラン刑事
      真野の会話に少しだけ出てきます。
      また、原作では読んでいるだけで気持ちが悪くなるレイプシーンや
      長峰が犯人のうちの一人である伴崎にした報復よりもかなり軽めに
      描いてあるので、少年犯罪の残酷さも多少和らげた表現になっています。

      原作で、犯人グループのパシリをやらされている誠の葛藤や
      犯人グループとの会話に若者の考え方を傾向を盛り込んであり、
      さらに刑事同士の対話の中でも、若者に対する刑罰への考察が
      かなり厚めに書かれています。また、映画では同じ犯人グループに
      蹂躙されて自殺してしまった娘を持つ鮎村という人物が、娘の
      レイプシーンを犯人たちが映したビデオを見せられているシーンだけ
      出てきますが、原作では彼なりの復讐に動き出し、物語の伏線として
      目が離せない存在となります。

      映画の場合、ほとんどは2時間程度に編集するものですから、
      そういった伏線的エピソードを多少削ぎ落とすのは致し方ありません。
      逆に映画の方が重要な役となったのが、長峰の泊まったペンションの
      おじさん (山谷初男さん) でした。
      飄々と、長峰が犯人だと知っているのか、それともボケているのか、
      よくわからない雰囲気を見事に演じられていました。
      また、犯人グループのパシリから抜けたいものの彼らの報復が怖くて
      密かに長峰が彼らを始末してくれるように、彼らの居場所を密告し
      続ける誠 (佐藤貴広さん) の役も難しかったことと思われます。

      また、原作ではこれらの非行少年たちがどのような家庭環境から
      生まれたかということにも言及しており、かなり社会派としての
      視点と批判的精神が感じられる内容となっています。

      さまよった果てに長峰が出した答えは…

      で、映画ですが、見所は普通の生活を送っていた人間が、自らの
      理性とも戦いつつ、同時に復讐しても無駄なことはわかっていても
      犯人への報復に走らざるを得ない苦悩にスポットを当てています。
      寺尾聰さんは寡黙な演技の中に、原作に描かれていたさまざまな
      モノローグ部分を表情やちょっとした手の動きなどにも表現されて
      いて、その名人芸を観るだけでも、一見の価値はあります。

      原作にはない警察と長峰のニアミスシーンで、踏切の向こうの
      長峰と、それを呆然と見つめる織部のシーンは、この映画の中で
      一番印象的でした。踏切の向こうこそ、もう元へは戻れない
      長峰の心情をも表しているように感じられ、泣けました。
      この時の寺尾聰さんの表情はさまざまな思いを一度に凝縮した
      ような鬼気迫るものがありました。
      やはり、映画の場合はモノローグよりも、動きで見せなければ
      ならないので、こういったニアミスもストーリーのメリハリを
      考えると不可欠な展開です。
      確かに寺尾聰さんが雪山の中をザクザクさまよっている絵だけでは
      絵変わりがないしねぇ。

      猟銃を手に入れ、娘を残酷に殺した犯人を追いながらも煩悶する
      長峰が最後に出した答えは 『グラントリノ』 に近いこともあり、
      感動を呼びます。
      ただ、原作ではもともと長峰は射撃の選手だったからこそ、猟銃に
      行きつくのであって、実際に突然手に入れた猟銃に自分の人生を
      賭けられるかについては多少疑問も残りました。

      そして、長峰が出した答えはぜひ映画館でご確認ください。

      どちらにせよ、少年法についての考察は、読者や観客に委ねて
      終わる作品なので、自分なりに 「若年犯罪者の更生への可能性」
      「加害者に対する被害者の人権の比重」 など、本気で考えるための
      問題提起をしてくれています。

      シリアスなテーマの〆には蛇足が必要

      寺尾聰さんといえば、黒澤作品の『乱』『夢』『雨あがる』、
      日本アカデミー賞の 『半落ち』 や、作田側賞作家が原作の
      『博士の愛した数式』 など、いい映画に多数出ていますが、
      私の中で印象的なのはアガサ・クリスティーの 『ホロー荘の殺人』 を
      映画化した 『危険な女たち』 です。

      「ミステーリアス、ミステーリアス」 という歌が未だ耳についています。
      奥さんが大竹しのぶさんで、恋人が池上季実子さんというモテモテの
      役なんですが、被害者役でもあります。
      ただ、その映画の中で、ある人が寺尾聰さん演じる医者を指して
      「あれだけお金持ちでハンサムだったら…」といったセリフがあり、
      メチャクチャ違和感があって、そこだけくっきり覚えています。

      とはいっても寺尾聰さんは声が好きなので 『Reflections』
      『Atomosphere』 のアルバムも、『世界遺産』 のビデオ(DVDでない)も、
      しっかりと持っているんですが…。
      それでも、やはりあのセリフは映画の中でも浮いていた気がします。


      我ら光の道を踏む―宮沢賢治

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        宮沢賢治の詩と言えば、「雨ニモマケズ」 が有名です。

        雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
        丈夫ナカラダヲモチ 慾ハナク 決シテ瞋ラズ
        イツモシヅカニワラツテヰル

        一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ
        アラユルコトヲ ジブンヲカンジヨウニ入レズニ
        ヨクミキキシワカリ ソシテワスレズ

        野原ノ松ノ林ノ陰ノ 小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
        東ニ病気ノコドモアレバ 行ツテ看病シテヤリ
        西ニツカレタ母アレバ 行ツテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
        南ニ死ニサウナ人アレバ 行ツテコハガラナクテモイヽトイヒ
        北ニケンクワヤソシヨウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ

        ヒデリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ
        ミンナニデクノボウトヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ
        サウイフモノニ ワタシハナリタイ――

        そうはいっても、俗世の底辺で食べるためにとにかく働く身としては
        その崇高な理想論を実践するにはまだまだ修行が足りません。
        そんな私でも受け入れやすいのが、「花巻農学校精神歌」 です。

        花巻農学校精神歌・第4番

        日ハ君望シ カガヤキノ
        太陽系ハ マヒルナリ
        ケハシキタビノ ナカニシテ
        ワレラヒカリノ ミチヲフム――

        明るい気持ちで頑張ろうと思える珠玉の言葉だと思います。
        また、世の情勢に自分自身が押しつぶされそうな時は
        高杉晋作の辞世の句を思い出します。

        高杉晋作・辞世の句

        「面白き こともなき世に 面白く」

        それ以上、続けられなかった彼に付けた野村望東尼の
        「すみなすものは 心なりけり」 という下の句もありますが、
        私はこの完結していないカタチの辞世の句が好きです。

        世の中はもともと面白いものではないのだから、自分の力で
        面白くするしかない。馬関戦争や騎兵隊の開闢総統として活躍
        しながらも、騎兵隊の運営段階にはすでに次の何かを始めていて、
        最後まではやらない―そんな高杉晋作にはピッタリの辞世の句
        として気に入っています。

        メメント・モリ――死を忘るるな

        そしてもう一つ。何だか自分だけが不幸な気分になっている時、
        ややウツ症状が頭をもたげた時などは、昔教会で聞いた言葉を
        心の中で唱えるようにしています。

        「メメント・モリ」

        老化の波は襲ってきているものの、五体満足で、重い病気にも
        なっておらず、仕事とお金のことだけ心配して生きていられること、
        その幸せを自分の体の一つひとつの部位や細胞単位に感謝の念を
        送るようにすると、気分がすぐに明るくなるほどの即効性は
        ありませんが、少し体が温かくなってくるのを感じます。

        11月、12月と忙しい日、そして2009年の締めとなる時期に入りますが、
        ムリに自分を叱らず、ヘンに励まさず、先人の言葉を静かに心で
        復唱するだけでも、周りの様子が違って見えてくると思います。


        明るい家族だからこそ泣ける 『私の中のあなた』

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          新宿ピカデリーで映画を5回観たら、1本タダで観られるというので
          『私の中のあなた』 を観ることにしました。
          白血病の娘と、そのドナーとなるべく遺伝子操作で生んだ娘の
          お涙頂戴映画かと思っていましたが、それは全く誤解でした。
          テーマとしては、萩尾望都さんの 『半神』 にも似ています。

          ストーリーは、姉となるケイトが2歳の時に白血病だとわかり、
          ケイトの生命を救うためにドナーにするための子供をもう一人
          つくることにしたサラとブライアン。
          次女のアナには、生まれた瞬間から、臍帯血などドナーとしての
          役割が課せられたのです。

          そんなアナがある日、凄腕の弁護士・キャンベル・アレグザンダーの
          元を訪れ、これまでアナは何度も姉のために手術台の上に乗ってきて、
          今度はアナのために腎臓を一つ提供することを余儀なくされている。
          腎臓が一つになってしまったら、自分自身も普通の生活はできなく
          なってしまうので、自分の体を自分で守るために母親を起訴したいと
          申し出るのでした。もちろん、アナがドナーにならなければ、
          ケイトは間違いなく死んでしまうのです。
          凄腕弁護士への報酬が、700ドルというところもリアルな感じでした。

          突然のアナの豹変に驚く母親・サラ。ケイトの発病前は弁護士でした。
          ケイトの病状を受け入れる時ではないかと諭すブライアン。
          何かを隠しているようなアナ。
          そして、自分のために家族を犠牲にしてきたこと、みんなの幸せを
          奪ってきたことを罪の意識として感じている姉のケイト。

          そして、家族の思い出が、法廷の進行に差し込まれる形で紹介されて
          いくうちに、次第に 「なぜアナが突然母を起訴したのか」 が薄々と
          わかっていきます。この謎解き的な要素が核となる部分です。

          どの思い出も家族の明るい笑顔の中でケイトが笑っています。
          ケイトも年頃になって同じ白血病のボーイフレンドもできて、
          デートしたり、パーティに行ったり、夜を共にしたりします。

          家族の思い出の断面はどの時もみな明るく、元は弁護士だったサラも
          仕事を捨て全てをケイトの回復だけに注力しているのですが、
          仕事に対する未練のようなものはまったく感じられません。
          そんなサラが、娘に起訴されたことで法曹界に戻ることになるのです。
          訴訟が起きているために、ケイトの腎臓移植手術はどんどん延期され
          体調も急激に悪くなっていきます。

          「ビーチを見たい」 と言いだしたケイトを車に乗せようとした
          ブライアンにくってかかるサラ。何となくケイトの思いを感じていた
          ブライアンは、サラと離婚してでもビーチへ連れていくというほどの
          心意気でケイトをビーチに連れて行きます。
          抗がん剤でスキンヘッドになってしまっているケイトが毛布に
          くるまって幸せそうに海を見ている表情には何だか泣けました。
          そして、病院に戻り、車いすを押されながら、家族の方に振り向いて
          見せた笑顔もステキでした。

          やがて、アナの口から起訴した理由が法廷で告げられ、判事も確認を取り、
          家族はその事実に衝撃を受けますが、それは家族全員が本当の意味で
          一つになることでもあったのです。
          さらに、ちょっとしたおまけで 「凄腕弁護士がなぜアナの案件を受けたか」 の
          謎も解けます。

          ケイトがある日、サラだけ病院に残ってほしいと言い出して、
          その夜は2人でいろいろな話をしました。
          たとえば、サマースクールのバスに乗る時、サラが見える方の席に
          ケイトが座るよう言ったことなど。それに対して 「今度も(死んだ時も)
          あの時みたいにママが見えるような席に座るから」 とつぶやくケイト。
          ケイトのベッドに横たわるサラの背後に添い寝するケイトはまさに
          聖母マリアのようでした。
          その晩、ケイトはそっと息を引き取ります。

          ケイトの葬儀には 「Amazing Grace」 が流れ、私はその時
          同じ白血病で逝った本田美奈子さんを思い出していました。

          アナは自分がドナーとして生まれた子供であることよりも、
          ケイトの妹として生まれてきたことの大切さを感じるようになりました。
          その後、サラも弁護士に戻り、消防官だった父は後進の指導に
          あたるなど、新しい未来が始まりましたが、年に1度ケイトが
          「約束の地」 とした場所に皆が集まって、彼女を偲ぶのではなく、
          家族一人ひとりの中で生きることになったケイトと会う時間を、
          それぞれが穏やかに過ごすのでした。

          「ケイトは、ただいなくなって、青空になった」――
          家族の心の青空となって、家族がよく見えるバスの窓からいつも
          見守り続けてくれるのでしょう。

          『私の中のあなた』 は、アナがケイトにあげた血や臍帯血などではなく
          アナたちの中に住むケイトの “家族への愛” だと私は思うのです。
          おそらくこのストーリーを知っても、実際の家族の様子を観たり、
          アナが起訴に踏み切った理由がわからなければ、それほど感動は
          変わらないと思いますので、観て損はない映画だと思います。
          少なくとも、キャメロンはこれまでで一番素敵に見えました。


          「レアな乗り物」 体験記

          0

            先週、何とか父が退院したので、どうにか安心して常駐のバイトに
            行けるようなのでホッとしています。
            父は心筋梗塞と3度の脳梗塞を起こし、さらに大動脈瘤を抱える
            病気のデパート状態なので、私も救急車には何度か乗っています。
            現在、タクシー代わりに救急車を利用する人がいるということを
            裏付けるかのように直近の発作の時も区内では救急車がつかまらず
            2つ離れた区から駆けつけてくれました。
            さらに、救急用ベットの空きがないために搬送先の病院が決まらず
            入院先を確保するにもかなりの苦労を強いられました。

            そういった状況の中、気持ち的には必死ではあるものの、
            救急車が一般の車をかき分けて進む様子が、あたかもモーゼの
            出エジプト状態で、車の海が割れていく様に見えました。

            映画 『十戒』 でも有名な海を割るシーンは、全くの虚構では
            ないそうです。紅海の水はある一定の方向から強く風が吹くと
            部分的に浅瀬ができて渡ることが可能だとも言われています。
            以前、聖書についての本のイラストを担当した際に、あの壮大な
            シーンを描けるのかと喜んでいたら、出エジプト記のコースを
            描くことになり、結局、苦手な地図の作成となってしまって、
            ガックリきた覚えがあります。

            あわや筑波山に激突!

            その困った父ですが、元気な頃は仲間とチェロキーを所有していて、
            私も1度操縦桿を握らせてもらいました。
            チェロキーは4人くらい乗れる小さい飛行機で、セスナとの違いは、
            胴体の下に羽が付いていることです。
            ゲームのフライトシュミレーターは結構自信があったのですが、
            やはり実際の操縦では大違いでした (当たり前?)。

            有視界飛行なので行く方向を目視しようとすると、どうしても
            手前の計器盤が邪魔で伸びあがってしまうのです。
            そのため、操縦桿は前の方に倒してしまい、機首が下がっていくわ、
            尾翼を調節する足の操作は忘れるわで、みるみるうちに筑波山の
            中腹が目の前に迫って来てヤヴァさ炸裂!
            とはいえ、操縦桿はすぐ横にスライドできるので、父が操縦して
            ことなきを得たのですが、ヒヤヒヤ度はジェットコースターの比では
            ありませんでした。

            現金輸送車は閉所恐怖症には地獄

            そして、今度は父絡みではないのですが、証券会社時代、
            本社に勤務していたので、国債の券面を運ぶ現金輸送車に乗りました。
            当たり前ですが窓がないので、やや閉所の気がある私には拷問のよう。
            緊張するとヘンなことを考える性格なのか、その時も 「3億円犯人
            みたいなのに襲われたらどうしよう、武器がない」 とか余計なことを
            考えていました。まだ、何も積んでいないのに。

            日銀に到着すると、地下に連れて行かれ、ボディチェックを受けて、
            券面がハサミで切らないと破けないようなビニールに100枚単位で
            入っている国債を、ハサミで袋を切り開き、各券面が確かに
            その枚数あるか連番でチェックします。
            一応、指サックは持参したのですが、備品として置いてあった
            「メクール」 という滑り止めを指に塗ったほうが数えやすいとわかり、
            それ以降は会社の事務用品も 「メクール」 を発注するように。
            一つの収穫でした。

            券面を数える部屋もまた窓がない地下室だったので、やや気分が
            悪くなりましたが、滅多にない機会なのでキョロキョロと周りを
            チェックしました。私たちが券面を数えている時は、その周囲を
            ガードマンが4人くらい取り囲んで私たちの一挙手一投足を凝視していて、
            作業するにも緊張してしまい、なかなか数えられませんでした。
            うっかり 「あれっ」 とか言うと飛んできそうな臨戦体制なので
            無表情を装い、口はうさぎのミッフィのようにしっかり閉めて
            ひたすら券面を数えることに集中しました。

            それぞれをケースに入れて地下の駐車場に運び込んで、やれやれ
            帰れると思って車に乗ろうとしたら、券面のせいで行きよりも
            乗車人数を減らさなければいけなくなったので、私は地下鉄で
            帰社することとなり、さらに狭くなっている現金輸送車に乗らずに
            済んでホッとする半面、仕事が完結できない気分にもなり、
            複雑な心境でした。

            こうして考えてみると、私は意外と乗り物好きなのかもしれません。
            気球は海外で乗ったので、あとは飛行船に乗るのが私の夢です。


            写るんです

            0

              明日からまた校閲バイトが始まるので、窓全開で部屋の掃除を
              していたところ、博物館入りにした方が良いと思われる
              15年前のデジカメが出てきました。その名も 『QuickTake 100』。

              ダークグレーのボディにアップルコンピュータのリンゴマーク入りで、
              一見すると双眼鏡のような形をしています。
              もちろん、液晶ディスプレイなんて付いていないし、レンズの
              開閉部分はスライド式で手動。記録メモリはたったの1MBです。
              一応、32枚まで撮影できますが、高画質モードに切り替えると
              8枚しか撮れないという “しょぼさ”。

              仮死状態なのか、休眠状態なのか、はたまたご臨終なのかを
              確認するために、単3電池を入れたら、何と写るんです!
              携帯の撮影画像よりも情けない640×480ピクセルの解像度で、
              画像にはゴーストが出てましたが、その “けなげさ” に思わず涙。

              もう一つのデジタル化石とも言える 『Power Macintosh 7600/120』 の
              モデムポートにSCSI (スカジー) でつないだら、ちゃんとPCに
              画像も落とせました。久々に使ったスカジーの丸いコネクタも、
              あらためて見ると0系新幹線のような “愛らしさ” があります。

              また、データの保存形式はPICTで、JPEGやTIFFにも対応していない
              Macintosh王国の見事な鎖国ぶりに、忘れていた “Macユーザー魂” を
              呼び覚まされた想いでした。

              「生きている物は捨てられない」 と、一人納得して再び元の場所に
              戻してしまいましたが、こんな調子で風水的に良いと言われる
              “収納部のゆとり” が作り出せるかは甚だ怪しい状況となってきました。


              「夫婦木(めをとぎ)神社」 の縁結び守り

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                5時までは原稿書きに追われていたものの、その後は全くのオフ。
                天気も良いので 『開運・世界のお守り』(講談社刊) に載っていた
                新大久保にあるという 「夫婦木神社」 に行ってみることにしました。
                本によると、日本神話のイザナギノミコトとイザナミノミコトを
                祀っている神社で、縁結びと子孫繁栄にご利益があるそうです。

                行きつくまでに四苦八苦

                さっさと洗濯を済ませ、交通費の都合もあり新宿から歩くことに。
                行くたびに件数が増えている韓国料理店をチェックしながら、
                新大久保付近まではスムーズに行ったのですが、本の地図が
                大ざっぱで見つからない、見つからない。
                2度ほど戸山公園まで行ってしまい、困惑しつつもようやく神社を
                見つけた時は、新宿に到着してから40分が経過していました。
                新大久保の道沿いにある地図にすら載っていない神社なのです。

                新大久保から行く場合は、駅前の道を東に向かい、道路の右側に
                100円ショップ、左側に駐車場を見つけたら、駐車場の手前にある
                細い道を入っていくと良いようです。

                住宅街の中に佇む 「夫婦木神社」

                緩やかにカーブしているその道の左手に 「夫婦木神社」 はあります。
                住宅街の一角にひっそりと埋もれている神社なので、要注意です。
                鳥居をくぐると右手に開運稲荷をはじめとする3つの小さな社があり、
                見上げると隣りの家の洗濯物から水が滴っていました。

                さらに奥に行くと、つきあたりに昭和テイストのアパートにあるような
                鉄製の階段があって、その手前には漬け物を入れる口の大きい
                プラスチック製の桶に蓋と柄杓が置いてあったので、そこでまず
                手を清めました。通常は口も濯ぐのが作法なので、
                「これは私の勇気と信心を試しているのか!?」 と煩悶しましたが、
                さすがに衛生上の不安を感じて、手を洗うだけに止めました。

                階段をカンカンと上ると一間くらいの社殿があります。
                ただ、中は3畳くらいはありそうな広さでした。
                そこに 「夫婦木神社」 の御縁起が置いてあったのでいただきました。

                それによると、鉄砲稲荷大神、金時大神、福徳当たり弁天も配祀
                されているとのことです。
                ご祭神は、淡路島の伊邪那岐神宮のニ神を分霊しているそうで、
                縁結び、安産、和合、子孫繁栄、延命長寿などのご利益があるそう。
                これはやはり 『開運・世界のお守り』 にも紹介してあったお守りを
                GETしなくてはと、鳥居の横にある社務所と思われる所に何度か声を
                かけましたが、誰も出てきてくれないのでさらに社務所の裏側に
                回り込んでしつこく呼び続けたところ、ようやく禰宜さんと思われる
                方が出てきてくれたので、縁結び守りを購入できました。

                成り行き上、禰宜さんと語る

                私のやや不法侵入気味の熱意を感じてか、禰宜さんから直接
                神社の説明をしていただきました。
                前述のご祭神やご利益のことに加えて、この神社は小さいながらも
                都内の大手結婚式場に多数分霊しており、禰宜さんも10人近く
                いらっしゃるようで、すでに何十万組もの挙式に携わったとのこと。
                「ある意味、禰宜さんの派遣元となっているのですね」 とかなり
                失礼な要約でまとめるライター根性。すでに職業病です。

                また、直接お参りに来る方の傾向としては、安産祈願の方が多いと
                いうことです。確かに鳥居の左手に掛っていた絵馬の多くは
                「縁結び」「安産」「子宝」 関係のお願い事でした。

                ふと気付くと手帳に禰宜さんのお話をメモっていました。
                せっかく話していただいたんだからこうして文章にしないと悪い気が
                して、今まさに書いているのでございます。

                こうして買った縁結びお守りですが、縁結びは自分で買うよりも、
                人からもらった方がご利益がある、という説もあるようなので、
                ぜひぜひプレゼントしたい友人に近々伝書鳩のように持っていく予定。
                待っててくださいねー!


                バレエ星★まりもの星★かあさん星

                0

                  小学館の 『小学五年生』『小学六年生』 が休刊となると知り、
                  少なからずショックを受けました。
                  70年代には60万部以上出版されていた同誌も最近ではその10分の1
                  程度になっていたそうです。
                  『小学〇年生』 シリーズと言えば、子供向け雑誌における
                  “水戸黄門的存在” だと思っていたからです。

                  休刊に追い込まれた原因としては、少子化と長期不況、小学校高学年の
                  趣味の多様化に加え、これまで同誌の掲載によって人気を博してきた
                  『おばけのQ太郎』『ドラえもん』 のようなキャラクター不在もあるようです。

                  また、小学生も高学年ともなると、親としては学習に重きを置いた
                  『進研ゼミ小学講座』 などの教材的な雑誌を選ぶ傾向が強まった
                  ことなども、外的な要因の一つとして考えられています。

                  子供の教育誌の出版社として大正時代の1922年創業当時から
                  続いていた社のアイデンティティとも言える雑誌だけに小学館も
                  苦渋の決断だったに違いありません。

                  とかいいつつ、私も 『小学一年生』 から 『小学三年生』 までは
                  読んでいた記憶がありますが、それ以降は高学年の人たちが
                  「あしたのジョー」 や 「ベルサイユのばら」 などを読んでいたので
                  ちょっと背伸びしてそちらの方へシフトしてしまった覚えがあります。

                  それと、学校で 『小学〇年生』 シリーズの話題と言えば、
                  谷ゆき子さんのバレエ漫画だったと思うのですが、Wikiには出て
                  いない上、ほとんどネット上には情報がありませんでした。
                  あれほど人気があると思っていたのは、子供の視野の狭さによる
                  ものだったのかもしれませんが、少なくとも私の小学校では
                  発売日の翌日は必ず話題になる作品でした。

                  谷ゆき子さんの “星” シリーズ!

                  谷ゆき子さんは 「バレエ星」「まりもの星」「かあさん星」 といった
                  バレエ物ストーリーを各学年用に描かれていたと思います。
                  ストーリーはほぼどれも同じで、昔プリマだったという母親を持つ
                  主人公の女の子と小さい妹がいて、なぜだか母親と生き別れになって
                  バレエ団の片隅に住まわせてもらっており、主人公はいじめられつつも
                  プリマを目指し、最後はお母さんと再開するというストーリーです。
                  どの作品も父親についてはほとんど言及されていません。
                  また、「まりもの星」 については、母親の靴が阿寒湖畔に置かれて
                  いたので、自殺したと考えられている設定でした。

                  「バレエ星」 の主人公はかすみちゃんで妹はアーちゃん、
                  「まりもの星」 の主人公はまりもちゃんで妹はターちゃん、
                  「かあさん星」 の主人公はすみれちゃんで妹はターちゃんだったと
                  思います。妹は必ず頭のてっぺんで髪の毛を結ぶヘアスタイルが
                  特徴で、バレエ団のいじわる役はカーリーヘアでした。

                  普段着で踊っていてもいつの間にか (白鳥を踊る時の) チュチュに
                  変身しているなど、漫画ならではの強烈な表現がありましたが、
                  どの “星” のものだかは忘れたものの、主人公が母親にバレエの
                  上達を見せるために、なぜか崖の先端でクルクルとピルエットを始め、
                  それに対して母親は危険だと制止するのではなく、それを見て滂沱
                  しているのには子供心にも恐怖を感じました。

                  学研教育出版社の 『学習』 も休刊危惧種?

                  そんなステキなトラウマも提供してくれた小学館の学習雑誌ですが、
                  小学生時代に多くの人がどちらかを購読していたと思われる
                  学研教育出版社の 『科学』 と 『学習』 も、現在はピーク時の
                  10分の1以下に落ち込んでいるそうです。すでに 『学習』 の方は
                  季刊発行となっているとか。

                  私の時代は、『科学』 と 『学習』 の発売日には小学校の校門の
                  横に仮設小屋が設けられ、そこで販売されていました。
                  買うと黄色いビニール袋に入れてくれたことを覚えています。

                  私はほとんど 『科学』 の方だけ買っていましたが、何と今でも
                  付録「探偵セット」 に付いていた、5センチ×10センチくらいの
                  袋に入った 「指紋検出薬」 と羽ボウキは保存してあります。
                  「指紋検出薬」 って言っても、ただのコーンスターチなんですけどね。
                  暗号を書いても証拠が残らない 「溶ける紙」 は使ってしまいました。
                  って、溶けちゃったら、暗号書く意味ないだろう!? という突っ込みは
                  さておき、小学館も学研も子供に良質な情報を提供するメディアとして
                  これからも頑張っていただきたいと思っています。


                  「菊花賞」 つれづれ

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                    「菊花賞」 はスリーロールスが1着で優勝を決めましたが、
                    私は競馬はやらないものの、以前JRA広告の画像補正を担当
                    していたので、年間の流れは覚えることができました。
                    当時の広告はかなり日焼けしている木村拓哉さんだったので、
                    「健康色」 に発色するようにするのにはかなり気を使った
                    覚えがあります。

                    菊花の約(ちぎり)

                    「菊花」 という言葉を聞くと、私は 『雨月物語』 に収録されている
                    「菊花の約」 を思い出します。
                    親友との再会を誓って別れた男が、その約束を守るため、
                    「霊は千里を駆ける」 ということで、自ら自刃して
                    幽霊となって会いに来るという話です。
                    ちょっと、浅田次郎さんの小説にありそうなテーマなのですが、
                    学生時代このストーリーにいたく感動した私は、舞台を中世の
                    ヨーロッパにかえて、同人誌に載せる BL漫画を描いたほど。
                    木原敏江さんにも 「菊花の約」 がベースの作品があります。

                    また、『雨月物語』 で印象に残っているのは、発刊当時の著者名は
                    上田秋成ではなく、剪枝畸人(せんしきじん)となっていて、
                    「枝」 は 「指」 を意味しており、秋成は子供の頃に指を失っており、
                    それを洒落た言い回しにしたペンネームだということ。
                    そういうところばかり覚えていて、その他は 「浅茅が宿」 くらいしか
                    ストーリーを覚えていません。

                    菊花餡の茶碗蒸し

                    先日、取材にうかがった千葉県・おゆみ野にある日本料理店
                    『OYUMINO KAPPO 彩』 でいただいた菊花餡の茶碗蒸しは最高でした。
                    松茸、帆立、海老が入っていて、松茸はこれまで食べた松茸の中でも
                    かなり良い物を使っている香りと歯触りでした。
                    http://commonclub.jp/s-oyumino/105

                    日本食のフルコースが3000円から食べれて、それぞれ板前さんの
                    創意工夫も盛り込まれており、目も舌も大満足でした。
                    私が知る 「コストパフォーマンスの良い店」 ベスト10に入ります。

                    毎月、季節に合わせたコースを提供してるため、リピーターの
                    ファンも多いようです。
                    また、春は店の横に広がる「おゆみの桜公園」の桜が眼下に見え、
                    夜はライトアップされる好立地。桜の季節はおススメです。
                    さらに、女性のお客様には食前酒のサービスや、板前さんが
                    イケメンという特典付き。
                    地元のブログなどでも話題になっていました。

                    『鍵善良房』 の菊寿糖

                    今頃は 『鍵善良房』 も黄色や紅色の菊寿糖を売っている頃。
                    早くどこかの代理店から大阪取材の話がないかとアンテナを
                    張っているのですが、今年は不景気でか出張取材が入ってこず。
                    残念でなりません。

                    そういえば、『鍵善良房』 から程近い 「建仁寺」 に行く途中に
                    場外馬券売り場があったようで、それっぽいおじさんたちが
                    わんさか集まっているところに出くわしてしまったことがあります。
                    「京都で競馬なんて! 京都なら三十三間堂みたいに流鏑馬でしょう」
                    と、イメージが損なうことに対するちょっと抵抗感がありましたが、
                    「菊花賞」 も京都だったんですよね。

                    少なくとも私の頭の中では 「建仁寺」 は 「JRA」 とつながる
                    キーワードとなってしまったのです。
                    神社では 「大国魂神社」 がちょうど府中競馬の開催日に行ったので
                    すっかり 「JRA」 つながりです。


                    『幸せはシャンソニア劇場から』 は必見!

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                      1936年の “フォーブル(場末)” と親しみを込めて呼ばれる
                      パリ北部の下町の物語。
                      全編にわたって流れるアコーディオンの音色と、観る人に人生を問う
                      内容は、まさにフランス映画と言える作品です。
                      2009年の洋画では 『グラントリノ』 と並ぶ名作でした。

                      若い仲間のミルーに妻を寝取られ、さらには別の男性と再婚した妻に
                      一人息子ジョジョを奪われたピゴワルというおじさんが主人公。
                      不況のあおりで借金がかさんで閉鎖に追い込まれたミュージックホール
                      「シャンソニア劇場」を、不動産屋から1カ月の猶予をもらって
                      立て直すストーリーとなっています。

                      頑張れベアーズ的な悪戦苦闘

                      立て直しの仲間として、不本意ながらもミルーと、モノマネの芸も
                      あまりうまくないジャッキー、そして突然団員の募集に訪れた
                      美しい娘・ドュースと共に再起を図ります。
                      ピゴワルは定職を得ることで息子を取り戻すために。
                      ミルーは権力に対する反骨精神から。
                      ジャッキーは自分の芸を見せたいという気持ちで。
                      そして、ドュースは死んだ母と同じように歌いたいという夢のために。
                      観る者にもどこか自分を重ねられる自己実現目標であるため、
                      個々の想いに感情移入しやすいストーリーです。

                      ところが、彼女の歌以外は素人芸とマスコミにも叩かれ、
                      客足は遠のくばかり。
                      そんな中、ミルーに恋心を抱いていたドュースの関係がこじれ、
                      ピゴワルの所に泣きながら相談に来るものの、なかなか本題に
                      入ろうとしません。
                      それに対して、ドュースが有名な音楽プロデューサーの目に留まって
                      いることを知っているピゴワルはこう言うのです。
                      「なら、飛び込め。オレたちを忘れろ!」
                      その言葉でドュースは 「シャンソニア劇場」 を辞めて、新しい世界に
                      飛び込む決意をするのです。
                      ピゴワルいい人過ぎ!

                      ピゴワルが失望して飛び降り自殺(未遂)

                      その後もいいことなしの 「シャンソニア劇場」 でしたが、
                      ミルーとジャッキーがピゴワルのもとへジョジョを連れてきます。
                      アパートの窓からいかにもフランスという景色の街角に立つ
                      ミルー、ジャッキー、ジョジョの姿は1枚の絵画のように感動的。
                      ピゴワルも下へ駆けおり、周囲の家から 「うるせーぞ!」 と
                      どなられながらシャンソンを歌うシーンは周囲の罵声が賞賛の
                      「ブラボー!」 に聞こえるほど。

                      さらに、ラジオでドゥースの歌声を聞き、劇場の指揮者で作曲家
                      だったころの妻の娘がドゥースと知り、血はつながらないけれど
                      父としてドゥースに 「シャンソニア劇場を助けてくれ」 と
                      申し出る “ラジオ男”。
                      彼の新しいミュージカル音楽で、ジャッキーも物真似芸を辞め、
                      支配人のピゴワル自ら歌い、ミルーも裏方をしつつ舞台でも踊り、
                      ジョジョがアコーディオンを奏で、お客様も大喜び!
                      よい方向に向いてきたように思われましたが…。

                      ミルーとドゥースの仲を快く思わない不動産屋ギャラピアが
                      フランス革命記念日の前夜、手下に使ってミルーを襲わせます。
                      ところが、それは劇場番をミルーと替っていたジャッキーだったのです。
                      ジャッキーは、ミル―に大きな衝撃を与えました。

                      ギャラピアに仕返しに行くミルーを追ったピゴワルは、
                      ギャラピアに銃を突きつけられたミルーを発見し、
                      以前妻を寝取られた時から心を許していなかったミル―のために
                      引き金を引きます。

                      1946年。刑期を終えて出所したピゴワルが 「シャンソニア劇場」 に
                      訪れると、満員御礼で劇場のざわめきが扉から漏れ聞こえてきていました。
                      そして、劇場の看板には “ジョー・ピゴワルとその楽団” の文字が。
                      以前は家族で 「海を見たい」 という夢を持っていたピゴワルでしたが
                      それからは2度と劇場から離れなかったそうです。
                      「海なんてどこにでもある。でも劇場はここにしかない」

                      この役のために生まれてきたような役者たち

                      この作品ではピゴワルはもちろん、ミル―もジャッキーも
                      “ラジオ男” もそれぞれの殻を破って幸せを模索していきます。
                      フランス映画はそれほど観ていないので、どんな俳優さんかは
                      わからないにしても 「この役はこの人じゃなくちゃ」 と思わせてくれる
                      キャラクターばかり。今回は不動産屋ギャラピアとして悪役を演じている
                      ベルナール・ピエール・ドナデューも素晴らしい。
                      ジョジョ役のマクサンス・ペラン、ドゥース役のノラ・アルネゼデール、
                      そして謎を持つ男 “ラジオ男” のピエール・リシャオール。
                      誰一人力不足を感じる俳優さんがいませんでした。

                      笑いながら涙が出る。そして温かい気持ちになれる。
                      ――そんな素敵な映画です。


                      思ったより参加者多し「Suicaタッチラリー」

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                        よく行く代理店が新橋、占い学校が恵比寿、バイトに行く乗換駅が
                        新宿ということで、とくにラリー用の 「山手線パス」 を購入することなく
                        約20日間普通に仕事する中で 「山手線命名100周年」 イベントの一環である
                        「Suicaでタッチラリー」 を昨日クリアしました。

                        山手線のタッチラリー対象駅5駅のウェルカムボードにSuicaをタッチして、
                        最後にタッチゴール駅の恵比寿か田端に行ってタッチすると、クーポン券と
                        プレゼント応募券がウェルカムゾーン端末から出力されるというものです。

                        私は、新宿駅、代々木駅、東京駅、池袋駅、そして新橋駅で締めて、
                        恵比寿のゴールに向かいました。
                        新宿駅と代々木駅に行った段階で、新橋駅に行く用事があったのですが、
                        やはり最後を新橋駅で決めたいと思い、再度新橋に用事があった時に
                        最後のキーワード 「線」 をGETしました。

                        さすが新橋、老いも若きも大人気!

                        期間中、新橋は3度通ったのですが、他の駅に比べていつも誰かがやって
                        いるのを見かけたので、定点観察のサンプリングとしては少ないですが
                        私と同じく 「山手線命名100周年」 のイベントであれば、やはり
                        「汽笛一声新橋を」 の新橋駅でタッチしたいという人が多かったのでは
                        ないでしょうか?
                        男性は若い人から結構なおじさんまで、時には女性も見かけました。
                        時には、会社支給の定期SuicaとマイSuicaの2枚をタッチしている人も
                        いて、静かな盛り上がりを示すイベントとなっていたようです。

                        山手線各駅が身近な存在に!

                        また、山手線各駅におかれている 「山手線ガイドブック」 もこれまで
                        知らなかった各駅の名前の由来など書いてあって、ちょっと鉄道雑学も
                        つけることができました。

                        たとえば、五反を一区画とする田畑があった 「五反田」、官営牧場があり
                        牛を込めていた “牛込” に対して馬を込めていたという 「駒込」、
                        江戸時代の行楽地として日が暮れるまで遊んでも飽きない里 「日暮里」、
                        織田信長の弟・有楽斎の屋敷があった「有楽町」、御徒士衆の組屋敷が
                        あったことから地名がつけられた 「御徒町」 など、それぞれの駅が
                        身近な存在になった気がします。

                        また、五色不動に関連している「目白」「目黒」や、伊勢神宮に奉納する
                        ための稲をつくる田んぼがあったことから 「神の田」 の名が付いたという
                        「神田」 など、神社仏閣関係に絡んだ地名もありました。

                        それと、原宿に仕事で通っている時に使っている気配のない天皇用の
                        「宮廷ホーム」 などについても知ることができました。
                        「宮廷ホーム」 は正しくは 「原宿駅側部乗降場」 というようです。
                        1926年8月に、当時病弱だった大正天皇が宮城から沼津御用邸や
                        葉山御用邸などへ静養に出発するために建設されたそうですが、
                        最近では御公務など東京駅から行くことも多くなり、ここ7年くらいは
                        使用されていません。
                        あの白い柱と屋根がある駅舎の敷地は、東日本旅客鉄道だけでなく、
                        財務省との共同所有となっているそうです。

                        また、あらためて実感したのは、「東京駅」 の説明で、京都に対して、
                        東の国にも京を置くということから 「東京」 となったと書いてあり、
                        これまでも知っている事実ではありましたが、やはり日本の文化は
                        京都にありだなあと思うと同時に、そのまま東海道新幹線に乗って
                        京都に行きたくなってしまいました。
                        ちなみに 「中国地方」 の 「中国」 も、京都と九州の中間にあるからの
                        命名だと以前知った時も、京都の存在感を目の当たりにしました。

                        列車の色の名前にもこだわりが!

                        そして、各駅をちょっと知って親しみを感じるようになった山手線の色が
                        黄緑ではなくて、ウグイス色だったことも知りました。
                        そういえば国鉄って、国鉄スワローズだったし、つばめや雷鳥、はやぶさと
                        鳥の名前を付けた列車が多数ありましたが、色も鳥の名前だったんですね。
                        ちなみに総武線はカナリア色だとか。

                        新橋の3・4番線ホームの浜松町側にある小さな日本庭園 「一声園」 で
                        ようやくクリアした 「Suicaでタッチラリー」 の感慨にふけっていたら、
                        新たに 「一声園」 を手前になめ〜の、走り去るチョコ電車という
                        アングルで写真を撮りたいなんていう危険思想がふと浮かんでしまった私は
                        すでに “撮りテツ病” が進んでしまっているのでしょうか?
                        ちょっと心配になってきました。


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