主人公の名前が300頁までわからない 『君の膵臓をたべたい』

2017.08.29 Tuesday 23:31
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    イベントが例年より暑かったこともあってか、大量に
    撮影した画像のチョイスだけでグロッキー気味です。

    なので、あえて映画を先に観た 『君の膵臓をたべたい』
    (住野よる著、双葉社刊)を先日読んだのでその感想を。

     

    レビューと呼べるレベルの内容ではとても書けないほど
    グッタリしてるのでお許しを。
    って言っても、いつもレビューにはなってないんですけどね。

     

    まず、映画の脚本が、原作のセリフをかなり忠実に再現して
    いたのだとわかりました。ちょっと強引に見えた結婚式の
    エピソードにつながる伏線も原作にあったのは驚きです。

     

    原作は、主人公の一人称スタイルになっていて、彼の
    名前が 【墨付きカッコ】 で、周囲とのコミュニケーション
    が苦手な主人公が、自分に対して相手がどう思っているか
    を反映した呼び名になっているのが面白いところでした。

     

    たとえば、【秘密を知っているクラスメイトくん】 とか、
    【目立たないクラスメイトくん】 とか、【仲良しくん】
    とか、桜良の気持ちがわからない時は 【?????くん】
    といったように、小説ならではの表現となっていました。

     

    それだけに、いつもお互いに “君” と呼び合っていた
    主人公が桜良の母親に名前を名乗るシーンが印象的でした。

     

    短い命とわかっていた彼女を名前で呼ぶことで、彼女を
    友人や恋人として意識する怖さから逃げていた主人公の
    気持ちを理解してくれる存在がいて、そこから主人公が
    人と関わることへの勇気をもらう美しいシーンです。

     

    また、映画で一番いい言葉だと思った 「運命でも、
    偶然でもなく、自分たちが選んだ結果」 についても
    原作では約3頁にわたって、一つひとつ主人公が
    選んできた今を回想する展開になっており、そこが
    小説の中でも映像のような印象として残る作りに
    なっていました。

     

    『また、同じ夢を見ていた』 では、主人公が大人になった
    シーンがあることで、子供時代のファンタジックな
    部分との距離感が生まれて、作品が締まっていましたが、
    こちらはちょっとライトノベルズっぽい雰囲気で、
    それが “余命いくばくもない女の子” の人生を
    際立たせている反面、やはり映画の方が大人も共感
    しやすい内容になっているような気もしました。

     

    【関連記事】
    ◇『君の膵臓をたべたい』 原作は映画の後で
    http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3267
    【関連記事】
    ◇読後感のカタルシスが心地よい 『また、同じ夢を見ていた』
    http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3067

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    『美しい日本語と正しい敬語が身に付く本』 で日本語再確認

    2017.06.28 Wednesday 04:04
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      薬をもらいに行ったら、薬局に 『dancyu』 と
      『美しい日本語と正しい敬語が身に付く本』 が
      置かれていて、いつもならグルメ記事を書く参考
      になるので迷わず 『dancyu』 なのですが、
      このところ、グルメ取材ばかりで辟易していたことも
      あって、何の気なしに、日経おとなのOFF 特別編集
      『美しい日本語と正しい敬語が身に付く本』 の方を
      手に取りました。

       

      実用性が高めの新装版

       

      ムックなので、思ったより気軽に日頃使っている
      日本語の語源や、無意識に誤用している言い回しなど、
      発見できる内容で興味深かったので、薬局では全部
      読み切れなかったこともあり、家に帰ってAmazon!

       

      美しい大和言葉や季節の言葉、間違えやすい表現、
      ビジネスで使う敬語や、相手の気持ちを読み取る
      会話術、手紙・SNSの文章術など、幅広く網羅して
      おり、肩が凝らない程度の内容になっています。

       

      2012年版は雑学的テーマも多め

       

      よく見たら、こちらは新装版となっていたので、
      再びAmazoーn!(仮面ライダーアマゾン風)
      2012年に発売された第一弾も購入しました。
      私は、2012年版の方が内容的には好きでした。

       

      どちらかというと、実用性より、雑学的なテーマが
      多めだったせいかもしれません。

       

      たとえば、誤解されたまま伝わった慣用表現として
      「こんがらがる」「白黒をつける」「蘊蓄をたれる」
      とあり、正しくは 「こんがらかる」「黒白つける」
      「蘊蓄を傾ける」 だと書かれており、もろ誤用して
      いたことにショック!

       

      一応、漢検2級なので「重複」「発足」「早急」
      といった読み間違えやすい感じは正しく使って
      いますが、現実には 「そうきゅうに対応」 とか
      言ってる人もかなり多いし、これを書くにあたって
      あえて 「じゅうふく」 と打ってみたら 「重複」
      も選択肢に出るし! なんて優しいんだ、PC変換!

       

      また、当時の流行言葉が形を変えて残っている例や
      歴史の流れと共に絶滅寸前の物の数え方の例など、
      今使っている言葉の歴史を感じられるテーマにも
      フィーチャーしています。

       

      一方で、「超〜」「ヤバい」「ハンパない」
      「うざい」「キモい」「何気に」「〜的には」
      といった、そうした言葉を使う人の品位を下げる
      言葉も挙げられていて、自分的に超ヤバい印象の
      ブログを書いてしまっているのも発覚(笑)。

       

      そのほかで面白かったのは、類語の使い分け。
      「名人」「達人」「名手」「匠」 の違いや、
      「グルメ」「食い道楽」「美食家」「食通」、
      「眺め」「光景」「景色」「風景」 といった
      日頃あまり気にせず使っている言葉について
      改めて使い方を考えさせてくれる内容でした。

       

      イメージが変化過程にある言葉の意識調査も

       

      グルメ取材の原稿書きでよく使う 「こだわり」
      も、もともとは否定的な言葉だということは
      知っていましたが、一般的にはどちら寄りの
      印象を与える言葉なのか、年代別のアンケート
      で数値化した試みも面白かったです。

       

      できれば、「凄い」 もやってほしかった。
      今はもうほとんど肯定的なイメージの言葉に
      なっているような気がします。

       

      2012年版と新装版は、内容も切り口も違うので、
      2冊揃えても、それぞれに楽しめます。

       

      これで私も少しは美しい日本語が使えるように
      なるのでしょうか。なんたって “身に付く”と
      タイトルに謳っているのだから、責任とって
      ほしいです。それともどこかに小さい文字で
      免責となる一文が入っているのかな?

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      ビジネス展開以上に人間描写に引き込まれる 『アキラとあきら』

      2017.06.08 Thursday 04:23
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        『アキラとあきら』 は、今や売れっ子作家の池井戸潤さんが
        2006年から2009年にかけて連載していた初期の頃の小説を
        徳間書店が文庫化し、一気にWOWOWでドラマ化される作品。
        ドラマ決定が先なのか、文庫化が先なのかは謎です。

         

        初期作品なだけに、全く違った生まれでありながら、ある
        人生の課題を共有する展開で、バンカー物ではありますが
        半沢直樹のような “ビジネス系” というよりは、ふたりの
        青年がある経営課題を乗り切る青春物的な要素があります。

         

        一人は、小さな町工場の息子として生まれ、その町工場が
        倒産してしまい苦しい生活を送ってきた山崎瑛(あきら)。
        もう一人は、それとは対照的に大手海運会社の長男として
        生まれ、親族経営の家業を継がない道を進んだ階堂彬。

         

        子供の頃、お互いクロスした瞬間があったことを知らぬまま、
        成長した二人は、あの 「産業中央銀行」 でバンカーと
        して働き始めます。入行時の新人研修での稟議書対決でも
        二人はその才覚を発揮し、その時のテーマが作品の伏線
        にもなっています。

         

        二人とも切れ者であるという点は共通していますが、
        働くスタイルは、二人のそれまでの人生経験や環境の違いが
        感じられる人物描写となっていて爽やかなイメージ。

         

        ストーリーの大きな流れとしては、階堂家の関連会社や
        彬の父の死後の社内でのクーデターなど、階堂家が経営する
        「東海郵船」 グループの融資やM&Aが中心となりますが、
        経営課題以上に、叔父や弟に対する彬の心の動きが
        見どころだと思います。

         

        時代は、ちょうどバブル前からバブル崩壊後までとなって
        いるので、それだけで読者も企業経営に降りかかる課題の
        予想がつくだけに、ハラハラ感満載。

         

        そんなメインの流れと並行して描かれる、瑛の再就職先
        での出来事や、町工場の作業員だったヤスさんの
        エピソードもちょっとした短編が挿入されているようで
        作品のメリハリとなっていました。

         

        ただ、登場する女性の描き方がややステロタイプというか、
        「どうしてこの人がこの女性と結婚したのかわからない」
        感じでした。

        ラストは、半沢直樹のように “スカッと” はしませんが、
        心温まる風景が広がっています。

         

        ドラマはダブル主役ということで、文庫についてきた
        しおりにも斎藤工さんと向井理さんが載っていましたが、
        山崎瑛は斎藤工さんの方が似合いそうだし、演じれそう
        だな〜と思って、これを書く前にチェックしたら、
        期待通りでした。ダブル主役ですが、どちらかと言えば

        山崎瑛が真の主役。おいしい役だと思います。

         

        【関連記事】
        ◇半沢と若手がタッグを組む 『ロスジェネの逆襲』
        http://nureinmal.jugem.jp/?eid=1830
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        ◇個々の思惑が交錯するエンターテインメント 『空飛ぶタイヤ』
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        実際の国王一家殺害事件も霞むほどの人間ドラマ 『王とサーカス』

        2017.04.13 Thursday 06:31
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          かなり前に読んだのに、どのように感想をまとめて
          いいのか、頭の中が整理できないくらい衝撃の作品
          『王とサーカス』(米澤穂信著、東京創元社刊)。

           

          タイトルだけ見ても、一体どんな内容かすら予想も
          つかないミスマッチさがミステリアスです。

           

          実話も絡めた臨場感あふれる展開

           

          舞台はネパールで、2001年に実際に起こった事件が
          絡んでくる内容です。その事件とは、国王夫妻の他、
          10名近い王族が、皇太子によって殺害されたものの、
          真相が未だに解明されていないリアルミステリー。

           

          とはいえ、国王一家殺害事件が起きる前の日常は、
          雑誌の編集部から、ライトな海外旅行取材を受けた
          女性記者・太刀洗万智が見たネパールの様子と、
          彼女が宿泊しているトーキョーロッジの人々が
          中心に描かれます。

           

          ネパールの文化も感じられるエッセイ的魅力も

          バックパッカーのアメリカ人や、日本人僧侶、
          兄を亡くし子供ながら外国人相手に稼ぐ現地の少年、
          フレンドリーなトーキョーロッジの人々。

           

          朝食は食べないというネパールの生活習慣や、
          もともとは水底だったのに今は水不足に悩んで
          いるという現状、宗教に対する現地の人たちの畏敬
          などなど、うっかりミステリーだというのを忘れて
          ネパールに関するエッセイ気分で読み流して
          しまったのを、後々悔み、読了してから読み直し
          するという、お間抜けさは健在です!

           

          国王一家殺害事件が起こってからは、万智は
          その真相をつかむため、混乱する現地での状況の中、
          体を張ってジャーナリストとしての取材を決行。
          そのため、情報の錯綜や紛争に巻き込まれる
          臨場感に、読者も引き込まれます。

          これまた、その殺害事件に引き込まれ過ぎると、

          ミスリードされてしまうあざとさが憎い! でも、楽しい!

           

          タイトルの “サーカス” が持つ深い意味

           

          そんな彼女に、国王一家殺害事件の際に王宮に
          いたという軍人・ラジェスワルとのつなぎができ、
          そこに出向くことに。

           

          結果はネタバレになるので避けますが、彼の経験を
          通じて痛感した、海外のマスコミに関する考え方。

           

          それは、報道により海外の悲劇を知った傍観者たちが、
          その場は同情しても、本当に悲しんでいるのはなく、
          単に “悲劇を消費していること” であり、彼は
          「この国をサーカスにするつもりはないのだ」 と
          いうセリフには衝撃を受けると同時に、私自身、
          大した取材はしていないものの、取材のあり方を
          考えさせられました。

           

          そして、そのラジェスワルと、彼女が次に会うのは、
          彼が死体となって発見された時。
          その死体の背には 「INFORMER」 の文字が。

           

          彼女と会ったがために起きた殺人事件なのか、さらに
          その裏に隠された謎があるのか、謎が謎を呼び…。

           

          人間の持つ二面性を痛感させられる真相への道

           

          ラジェスワル殺害事件の一方で、それまで気さく

          だったアメリカ人が突如引きこもり、帰国に奔走しだし、

          一緒にお茶を楽しんでいた僧侶からも頼みごとをされ、

          現地警察に引っ張られた万智は、ラジェスワルが実は

          麻薬密売にも手を染めていたと聞かされ、私の方が

          情報処理能力オーバーヒート気味。

           

          そして、意外にも 「INFORMER」 という言葉が
          事件解明へとつながっていくと共に、これまで
          隠されていた犯罪や陰謀が白日のもとへ。

           

          前半、ネパール観光気分で読んでいたためにスルー
          していた日々の出来事が実はとてもフェアなヒントに
          なっていたことが次第にわかってくるのです。

           

          現地ガイドの少年・サガルとの別れとなるカフェ
          への道が、太刀洗万智の今後手掛ける仕事の
          道標となることを願いたい気持ちにさせられました。

           

          ネパールの魅力から始まり、国王一家殺害事件の
          ドキュメンタリー、身近な事件に巻き込まれ
          それを解決するミステリー、ジャーナリズムに
          ついての一考察、個々が潜在的に抱える二面性など、
          多くのテーマを一つの作品に内包する、久々の
          名著でした。読むたびに見え方が違ってきそうな
          奥深さの入り口に、今立ったという印象です。

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          バリエーション豊かな短編集 『素敵な日本人』

          2017.04.12 Wednesday 23:55
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            東野圭吾さんの短編集 『素敵な日本人』 を読みました。
            光文社のソフトカバーといったあたりで、薄々と内容の
            軽さが予想でき、リフレッシュ向きかなといった気分で
            購入しましたが、まあ予想通りです。

             

            タイトルに “日本人” という単語が使われている
            こともあってか、9編の作品は1話目が正月初詣、
            2話目がバレンタイン、3話目がひな祭り、そして
            途中はサスペンス系あり、SF系あり、ミステリーあり
            と、東野圭吾さんがカバーするジャンルの広さを
            アピールするような作品があって、後半にクリスマスと
            年間行事に絡めてあり、日本らしい季節感も演出。

             

            犯罪絡みは長編が持つ緻密さがないものの、ちょっと
            おまぬけな犯罪者が出てきたり、あまり深刻な気分に
            させないライトな感じもいいですね。

             

            また、『仮面山荘殺人事件』『十字屋敷のピエロ』
            などでは、見事などんでん返しとなった叙述トリック
            も、意外な作品に使っていて楽しめました。
            うーん、2つどんでん返しはいらなかったかな?

             

            全体にタイトル通り、人情味あふれる作品が多い
            短編集ですが、ドタバタの後にも心温まるラストが
            あったり、ちょっとスピリチュアルな力が働いて
            いるようなドラマがあったり、東野圭吾さんの
            これまでの作品の 「あれに似てる!」 という展開の
            作品も少なくありませんでしたが、バリエーションの
            妙もあって、新鮮な感覚で楽しめます。光文社だし(笑)。

             

            私としては、最初の作品 「正月の決意」、そして
            タイトルは寂しげなのに心温まる 「今夜は一人で
            雛祭り」、理系作品が多い東野さんですが初期の頃、
            時々書いていたスピリチュアルな要素を含んだ
            「サファイアの軌跡」、近年テーマの主軸となって
            いることが多い父と子の関係を描いた 「水晶の数珠」
            が気に入りました。とくに 「水晶の数珠」 は
            ラストを飾るにふさわしい、余韻のある作品でした。

             

            短編集・天下一大五郎シリーズのような意外性や
            奇抜な展開はないものの、『白銀ジャック』
            『疾風ロンド』 などのような、テレビ原作向きな
            派手さがない作品群に好感が持てました。

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            裏の裏は表じゃない袋小路 『リバース』

            2017.04.02 Sunday 23:56
            0

              湊かなえさんの 『リバース』(講談社文庫)が
              ドラマ化されるというので、速攻読みました。

              表4あらすじ程度の紹介と興味の喚起でとどめ、

              ネタバレしないようにせねば!

               

              まず、導入…。

              一流大学を出た割に地味なサラリーマン生活を
              送っている主人公・深瀬。彼の小さな幸せは
              大好きなコーヒーを通じて知り合った美穂子との
              ひと時。ある時、彼女の職場に届いたと見せられた
              「深瀬和久は人殺しだ」 と書かれた手紙。

              冒頭は、この衝撃的な言葉から始まります。

               

              それと同じような手紙が、大学時代のゼミの仲間
              3人にもさまざまな形で届いていたことから、
              差出人は大学時代に行った旅先で事故死した
              広沢由樹の関係者ではないかということに。
              その事故には、4人にとって他の人には言えない、

              ある秘密が隠されていたのです。

               

              仲間内でも疑心暗鬼に駆られる状況の下、深瀬は
              広沢の関係者にどんな人がいるのかがわからず、
              あらためて親友と思っていた広沢のことを全く
              知らなかったことに愕然とします。

               

              明るい性格の体育会系で、人から好かれていた
              広沢と、どちらかというと根暗で消極的な深瀬が
              本当に親友と呼べる間柄だったのか、その隙間を
              埋めるように、広沢の親や同級生などに会って、
              好きな食べ物やどんなバイトをしていたかなど、
              差出人の追及とは関係なさそうなことも一つひとつ
              拾い集めていき、辿り着いた結論は…。

               

              えぐみのある酸化したコーヒーを飲むような
              ラストは終わりではなく、ある始まりとなり、
              さまざまな “その後” が考えられるも、どれを
              選んでも袋小路に追い詰められるような、そんな
              “ドッカーン” が待ち受けています。

               

              ドラマはどういったカタチでまとめるのか、脚本が

              楽しみ。ただ、藤原竜也さんと戸田恵梨香さんが

              深瀬と美穂子だとしても、つい 『DEATH NOTE』 を

              思い出しちゃうんですけど。

               

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              ◇映画 『告白』 の衝撃
              http://nureinmal.jugem.jp/?eid=612
              ◇『Nのために』 は映像の方がいいかも?
              http://nureinmal.jugem.jp/?eid=2192

              category:書籍 | by:まるたん | - | - | -

              個々の視点の違いが面白い 『神様の裏の顔』

              2017.03.10 Friday 23:32
              0

                お笑い芸人の著書を…というと、文庫化された 『火花』
                かと思われるでしょうが、NHKドラマを楽しく見るため、
                大量に刊行された単行本 『火花』 がBOOKOFFで安く手に
                入るタイミングを待つことにして、「第34回 横溝正史
                ミステリ大賞」 受賞作の 『神様の裏の顔』(藤崎翔著、
                角川文庫)を取材の移動中に読破しました。

                 

                というくらい、サクッと読みやすい作品です。
                冒頭、葬儀社の社員が驚くほど、子供から老人までの
                さまざまな年齢の弔問客が涙で別れを惜しまれる
                元・教師の坪井誠造。

                 

                彼の生前の思い出を、娘、教え子、元同僚の教師、
                近所のおばちゃん、坪井家が所有するアパートの住民、
                それぞれが一人称で語る叙述形式。

                 

                通夜が読経、焼香、喪主挨拶と進む内、読者は個々が
                語るエピソードの中に、彼の “裏の顔” があるのでは
                ないかと気づかされ、それに気づかない当事者たちが
                どういった形で、各自の情報を交換するのかハラハラ。

                 

                通夜ぶるまいで、アパートの住民で、売れない芸人の
                寺島がつぶやいた一言をキッカケに雪崩のように、
                坪井誠造に対する疑惑が広がり、犯罪者かと思われる
                ほどに話が膨らんでいく、ドミノ現象にドキドキ。

                 

                その状況を再び一転させたのが、言い出しっぺの寺島。
                悪人・坪井誠造を作り上げた裏には、弔問客一人ひとりが
                隠していた “裏の事情” があり…と、弔問客の家族
                事情や人間模様も面白く、伏線回収もキッチリ。

                 

                彼らが抱えた疑惑を耳にしてしまった、喪主である娘と
                話し合うことに。彼らが行きついた結論とは?

                 

                坪井誠造がどんな人間であったにせよ、彼の死を通して
                弔問客たちが心の奥に抱えていた秘密を解き放てたことを
                考えれば、坪井誠造は “神様” でした。

                 

                そして、さらに彼らが出した結論を覆すような、お約束の
                どんでん返しもあって、細かい計算が多い数学の公式を
                解いた後や、損益計算書と貸借対照表がぴたっと一発で
                整った時のような満足感がありました(笑)。

                 

                深夜枠のドラマに合いそうな作品ですが、叙述形式が
                この作品の面白さなので、映像化はむずかしいかも
                しれませんが、舞台化なら可能な作品かもしれません。

                 

                謎解きよりも、人間模様を楽しむミステリーっていう
                感じですね。手軽に読めてGOODでした。

                category:書籍 | by:まるたん | - | - | -

                青色申告に想定外の事態勃発!

                2017.03.07 Tuesday 04:51
                0

                  「愚か者が家を建て、砂の上に家を建て♪」 という歌詞の歌が

                  ありますが(タイトル忘れた)、まさに2016年度の青色申告で

                  その状況を彷彿とさせる、私にとっての大事件が勃発しております。

                   

                  青色申告の場合、まずは事業収支の書類作成をして、経費を

                  差っ引いたものが、その年の収益となります。

                  収益は毎度のことながら大したことないので、大変なのはやはり

                  各勘定科目の仕分けと集計、領収書の整理。

                  今回は、青色申告書提出前の2週間に、遠方取材や父の通院と

                  今月から始める副業トライアルが重なって、15日までは点滴でも

                  しながら頑張らないとクリアできなさそうな、ヘビーな期間と

                  なることが予想…というか確信できる、まさに修羅場!

                   

                  ようやく、各勘定科目ごとの経費も算出でき、Excelへの入力も

                  済み、社会保険料などについても支払金額を役所で確認でき、

                  例年より絶好調と思っていたら、思わぬ落とし穴が!

                   

                  これまで10年近くやってきたエリア情報関係の源泉徴収票と

                  編集部への請求書、当座預金への入金を確認したところ、

                  20万近い誤差が。いつも収益関係の作業においては、全く問題

                  なく、サクッと片付いていたので、放置していたのを後悔。

                  大慌てで、エリア情報を運営している編集部にその旨連絡

                  したところ、源泉徴収の発行は外部発注しているそうで、

                  即答できないといわれてしまいました。

                   

                  源泉徴収票が間違っていた場合は、いくら支出(必要経費)が

                  バッチリでも、源泉徴収票がベースとなるので、その先の

                  作業を進めることができません。

                   

                  ついでに、ようやく発行されたというマイナンバーがやっと

                  準備できたということで、隣駅まで取りに行かねば!

                   

                  悪いことは重なるもので、毎年、青色申告会から送られてきた

                  事業の収支を記載する用紙も送られてきていないので、その

                  用紙も税務署までもらいに行かねばならないという、まさに

                  三重苦! 書き込むデータも、貼り付ける保険関係の証明書も

                  スタンバイOKだというのに、青色申告の大黒柱とも言える

                  源泉徴収票が訳わからん状態となっているので動揺中です。

                   

                  家を建てるための建材や内装は決まっているのに、地盤が

                  砂地のよう状況で、灯台下暗し。

                  最初にやるべき、収益をまず確認してから、支出を算出する

                  作業をすべきだったと後悔先に立たず。

                  提出まで、あと1週間に迫っている青色申告をなんとしても

                  クリアしなくてはー! ピグブレイブの本戦クリアを目指して

                  いる時じゃないぞー!

                   

                  それにしても、私の毎日って、メリハリある出来事が次々と

                  発生するので、ブログネタに事欠きませんね〜と、ちょっと

                  ポジティブに考えてみることにしました。

                  それとも、このブログが刺激ある毎日を呼び込んでいるのか!?

                   

                  『王とサーカス』 は、現地の臨場感に心地よくミスリードされる!

                   

                  先日、ちょっとふれた 『王とサーカス』(米澤穂信著、徳間書店刊)

                  もすでに読了しており、内容的にも読み応えもあり、ミステリー的にも

                  伏線となる情報がフェアに提供されており、さらに憧れのネパールの

                  空気感も申し分ない名作で、メディアが提供する悲惨な情報に対して

                  それを “サーカス” にも例えることで楔を入れるようなやりとりもあり、

                  エンターテインメントでありながらも、実際に起きた王家殺害事件の

                  時の現場の様子も臨場感に溢れており、ドキュメンタリーのような

                  緊張感も味わえます。

                   

                  ある現地の人物が語る、情報社会における報道のあり方をついての

                  批判と見解にも、ジャーナリストではない私ですが、情報を発信

                  する側の人間として、改めて自分自身、文章を通して何をしたいのか、

                  すべきなのか考えされられる作品でした。

                  心に響くセリフも多く、いずれ落ち着いたら、ご紹介できればと

                  考えています。

                  category:書籍 | by:まるたん | - | - | -

                  相田みつを・心の詩 『空を見上げて』

                  2017.02.21 Tuesday 05:09
                  0

                    忙しくても、お金貯まらず、本だけは溜まっていくので、
                    また少しBOOKOFFで “第二の本生”に入っていただく
                    書籍や漫画を選別しました。

                    ちょっと深めの堆積層から、書籍制作時代に手掛けた
                    相田みつをさんの本が出てきて、東京国際フォーラムの
                    美術館にも行ったりした私ですが、どうしても感性が
                    合わないので、BOOKOFF直行便に。
                    http://www.mitsuo.co.jp/museum/sp/

                     

                    それほど、押しつけがましくない人生訓でもあり、
                    文字もアーティスティックで文字の形自体は嫌いでは
                    ないのですが、なぜだか自分の中に入ってこないと
                    いおうか…やはり相性が合わないとしかいいようが
                    ありません。

                     

                    でも、まあ一応、さらっと見ておこうかと目を通して
                    みたら、一つだけ 「これは、そのシチュエーションの
                    時に、呪いのように使えるかも」 と思った言葉が
                    見つかりました。

                     

                    「身から 出たさびと おもえば こころ しずまる」

                     

                    仕事でも、人間関係でも、意外と使えそうな時が
                    ありそうな言葉です。
                    頭にくることも、悪いことも、冷静に考えてみれば
                    所詮 “身から出た錆”。

                     

                    取材の申し送りが悪くて現場でアタフタするのも、
                    事前にもっとしつこく確認しておけば回避できるし、
                    クライアントから 「言ったことと違う」 と文句を
                    言われるのも、先方の言葉のままでは掲載できない
                    事情などを編集に申し送りすればいいこと…。

                     

                    とはいっても、ホントはそこ、営業と編集がちゃんと
                    連携してればこっちにとばっちりこないんだけどなと
                    やっぱり、相田みつをさんのようには達観できない
                    私なのでありました。人間だもの…。

                    category:書籍 | by:まるたん | - | - | -

                    ラストカットの余韻も清々しい 『小暮写眞館』 4巻

                    2017.02.06 Monday 23:08
                    0

                      精神安定剤的な意味で、こういう緊急時&繁忙期は
                      読書が一番!

                       

                      ってことで、やっと宮部みゆきさんの 『小暮写眞館』
                      (新潮文庫)4巻を読み終えました。

                       

                      今日のタイトルに “清々しい” と書きましたが、
                      “爽やか” ではなく、やはり “清々しい” という
                      言葉を選びたい内容でした。

                       

                      1巻の読み始めは、単に変わった家族(両親?)が
                      写真館を住宅として不動産屋から購入したため、
                      不可思議な写真が知り合いから持ち込まれて、
                      それを解決していく話なのかなと、軽い気持ちで
                      読んでいましたが、3巻あたりから、主人公・英一の
                      家族や、不動産屋の従業員・垣本順子が抱えている、
                      隠されていた重荷に光があてられ、思った以上に重い
                      テーマを秘めた作品であることに気づかされました。

                       

                      ただ、文体が英一視点なので、時々入る突っ込みや
                      口語的な表現で、テーマの重さを感じさせず、
                      読後感も良い作品に仕上がっています。

                       

                      これまでになく、事件連発の第4巻

                       

                      4巻では、英一の死んだ妹によって起きてしまった
                      親族との確執や、垣本順子が自殺未遂を繰り返す
                      理由などが解明すると同時に、弟・光が小さい胸を
                      痛めていた問題を英一が兄として受け止め、順子も
                      また再出発につながりそうな事件も経て、これまでに
                      解決してきた心霊写真や不可思議な写真に関係した
                      人たちのその後も描かれていて、伏線回収バッチリ!

                       

                      事件が次々に起こる怒涛の4巻は、写真の謎を解明
                      することはないものの、夜の川を挟んで、英一と光が
                      対岸に住む女の子に手を振るシーンは幻想的。
                      現実なのか、スピリチュアルな体験なのかわからない
                      不思議な空気感を醸しています。

                       

                      また、これまでもコミュニケーションツールとして
                      登場していた鉄道に絡めたラストシーンが、作品全体を
                      締める一枚の写真のように温かい余韻となって、
                      読む人の心に映像となって残る作品でした。

                       

                      【関連記事】
                      ◇ブサイクなカモメの謎を追う 『小暮写眞館』 3巻
                      http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3071
                      ◇パラパラ映画のように心に映し出される 『小暮写眞館』
                       (http://nureinmal.jugem.jp/?eid=3047

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